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友達が友達のストーカーをしてた話

5年ぐらい前の話。私には当時Kという友人がいた。良く言えば自分に正直、悪く言えばわがままな性格だった。自我が強いと言った方がいいかもしれない。また、Rという友人もいた。少々人を鼻で笑うような人だったが、まあ年相応といった性格だった。

KはRが好きだった。どこが好きなのかと聞くと、顔がいいとのことだった。Kは顔が濃い人が好きだと知っていたので、私は納得した。

ある日、RからKが自分のことを異常に聞いてくるという話を聞いた。私は好きな人のことはよく知りたいのだろうと軽く受け流していた。しかし、同様の相談を他の人にもしていたらしく、Rが困っているという噂が流れた。

私はKにその話をしたが、Kは身に覚えがないような様子だった。自分が悪いとは思わず、むしろそんな噂を流されて被害者だという風だった。

数日後、Kが一緒に帰ることができないと言い出した。とても急いでる様子だったので、理由はまた今度聞くことにした。門を先に出たKはいつも帰る方向とは反対方向へ向かって行った。

当時KとRはそれぞれ通学方法が異なっていた。Kは自転車通学、Rは電車通学だった。私は徒歩で、途中までKと帰ることが多かった。

次の日学校でKに昨日の理由を聞くとこう返ってきた。

「Rの家を探してた。」

言葉の意味が理解できなくて停止している私に対して、Kは「電車の線は分かるけれど、最寄駅が分からない」とか「今日はもっと先を探す」とか話してくれた。

これは流石に止めた方がいいと思い、ストーカーとして嫌われる前にやめるべきだと伝えたが、Kは「Rと付き合うためにやってるんだよ」と頭に?を浮かべていた。

本当にヤバい人とは言葉は通じても、話は通じないんだなと私は思った。私はRに事の端末を話した。Rは急いで他の友達と共にKに話をしに行った。自分は好きになれないから諦めてくれと。

するとKは大泣きし、教師を巻き込んで大規模な話し合いへと発展させていった。しかし、どう見ても100:0でKが悪いとなり、Kは学校に来なくなった。

結果としてKは転校していった。私には、Rに対しては良いことをしたという気持ちと、Kに対してもっと違う接し方があったのかもしれないという気持ちが生まれた。

しかし、あのまま本当のストーカーになってしまうよりも、学校でいじめられるよりもよっぽど良い結果だと自分に言い聞かせた。

コラムのようなエッセイのような懺悔のような文章。もしKが見たらどう思うのだろうか。

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