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沖縄伝統島野菜【島らっきょう】は琉球王国時代から食べられていた!?

はいたーい!沖縄料理研究家 宮澤かおるです。沖縄伝統野菜の島ラッキョウが美味しい季節になりました〜♪やっと、島ラッキョウが市場に出回る〜!と毎年、とても楽しみにしています。

島ラッキョウは、辛みと香りが強くシャキシャキ食感が特徴で、島ラッキョウの浅漬けは観光客に大人気のお土産のひとつです♪

今回は、島ラッキョウの産地・ラッキョウ類との比較・栄養素・身体に嬉しい組み合わせ・琉球王国時代に食べられていたのか?などご紹介します。

■島ラッキョウの原産国や生産地

島ラッキョウの原産国は中国。沖縄県内の主な生産地は、伊江村・うるま市・糸満市・久米島などで栽培されています。沖縄方言ではラッチョウや、ダッチョウとも呼ばれています。

■島ラッキョウとエシャレットとの違いは?

島ラッキョウに似ているエシャレットは、全国的に売られています。一瞬、「島ラッキョウ?!」とつい見間違えることもあるくらい似ているエシャレット。

このエシャレットは、小玉の玉ねぎ〖エシャロット〗に似ているから〖エシャレット〗と名付けられました。さらにエシャレットは、カレーの付け合わせの定番のラッキョウを生食用に栽培し若いうちに収穫したものなのです。島ラッキョウより香りや辛みが少なく、生でも食べられるのが特徴です。


島ラッキョウに似ているラッキョウ類をまとめてみました↓↓

ラッキョウ類は、植物の分類や収穫時期は同じようですが、味や生産地などが異なります。さらに、島ラッキョウは、沖縄だけで栽培されている種類なのです。

■島ラッキョウの効能・栄養素とは?

島ラッキョウの主な栄養素は、

ナトリウム(塩分)を体外に排出して体内の水分調整をし高血圧予防のカリウム・体内に酸素を運ぶ赤血球をつくり貧血予防の葉酸・ビタミンB₁と結合して体内の吸収を高め疲労回復を助けるアリシンなどが含まれています。

ニンニクと同じく香りが強いので、お疲れ気味の週末におススメな食材です。

■島ラッキョウは琉球王国時代にも食べられていた!?

島ラッキョウは、沖縄料理屋さんでお酒のおつまみとして食べることが多いですね。ついついお酒がすすんでしまう島ラッキョウの浅漬け

私自身も、沖縄料理屋さんに行くときは、オリオンビールに島ラッキョウの浅漬けを注文し、そのあとは泡盛と共に~♪という贅沢な食べ方を好みます♡

では、琉球王国時代はどうのように食べられていたのでしょうか。

ラッキョウは、日本では平安時代に伝わったとされますが、沖縄の島ラッキョウはいつから食べられていたのか調べてみましたが、信頼できる資料はありませんでした

個人的な推測ですが、島ラッキョウの原産国は中国なので、貿易が始まった琉球王国時代から食べられていたのではないかと考えられます。

さらに、琉球王国時代の栄養学書【御膳本草】には『ラッキョウ』という記載をみつけました。(※1)

【薤白(がいはく)は
「ラッキョウ」の事である。
気味は辛・苦・温・滑で毒はない。煮て食べれば中を調え、不足を補ひ 長引きの痢病に下しを止め、身を肥やす心痛の人は常に食べふべしである。産後はこれを食うて益がある。久しく食べれば身を軽くして不飢。熱病の人は多く食ってはならぬ。又三月四月は生ものを食ってはならぬ。】

一部省略していますが、御膳本草では、上記のように記載されています。 

旬は3~5月ですが、当時は、3~4月の生の島ラッキョウは食べず、煮て食べていたことがわかります。さらに、辛みや香りが強いので産後は避けそうな食材ですが、「産後はこれを食うて益がある」とされ、産後に良い食材とされていたようです。琉球王国時代の王妃も産後に取り入れていた食材なのかな~とその時代が見えてくるようで、個人的には嬉しい発見です♪

現在も「薤白(がいはく)」という漢方があります。こちらは、食用のラッキョウを乾燥させたもので、「胸痛、腹痛、悪心、下痢」などに効果があるとされ、昔から薬のように取り入れられてきた食材だったことがわかりますね。

(※1)御膳本草については
以下のページで詳しく解説しています。
https://note.com/1026okinawa/n/n394872f06212


■島ラッキョウの美味しい食べ方

島ラッキョウは、鱗茎(りんけい:ふっくらとした白い)部分を食用とします。ニラのような緑の部分は、捨てる方も多いようですが、薄い皮を取り除けば薬味や炒めものなど調理法によって美味しく食べられます。筋があるので、浅漬けの場合は、取り除くのがおススメですよ。

島ラッキョウの美味しい食べ方は、
やはり浅漬けが一番!

▼浅漬けのレシピ&簡単な皮の剥き方は
以下でご紹介しています。
https://note.com/1026okinawa/n/n7525f364207a

その他、天ぷら、炒めものにも合う食材です。

栄養価のところで解説しましたが、アリシンを含むので、ビタミンB₁ (多く含まれる食材→豚肉・たらこ・豆類など)と一緒に摂取することで疲労回復効果がアップしますよ。

■食のレシピサイト 
食ZENラボさまでは、
ビタミンB1が豊富な豚肉を合わせ【疲労回復の最強コンビ】のレシピをご紹介しています。
こちらも合わせてご覧くださいませ~♪

島ラッキョウと豚肉のフリッター:コーレーグースのピリ辛ダレ
https://shokuzenlab.com/recipe/condition-feel-sluggish-okinawan-shallot-fritter/

ぬちぐすい(食は命の薬)をモットーに活動中
インスタでは沖縄食材を
使用した朝ごはんを紹介しています♪
https://www.instagram.com/riyuukiyuu1026/

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