読書と平凡な日常34 汚れた手で洗うのは足

 どうも、紅りんごです。気温が下がっていく中、冷たい水に触れるのがだんだん厳しくなってきていますが、皆さんはいかがでしょうか? 季節が冬に差し掛かっても手洗いうがいを忘れないことが重要だと思います。でも、洗っても洗っても落ちない汚れってありますよね。今日はそんな作品を紹介します。

みなも

 34冊目は芦沢央『汚れた手をそこで拭かない』。イヤミス5編からなる本作は、罪を犯した人間が堕落していく様を上手く描いています。巧妙に張り巡らされた伏線が回収されていく様は見事という他ないです。ページをめくる手を思わず止めたくなる、冷たい汗が背中を伝う作品です。

 汚れた手。想像するだけで洗面台に向かいたくなるワードですが、最近は特に汚れるようなことはしてないですね。小さい頃でさえ泥団づくりをしなかった(砂遊びはした)私は直接何かで手を汚す、という経験があまりありません。元から綺麗好きだというのもありますが、特に手に関しては常に綺麗にしておこうと心がけています。理由は手であちこちに触れるからでしょうか。私はまつ毛が目に入りやすい体質で、まつ毛が入ると、ついつい素手で目からまつ毛を取り出してしまいます。その時に汚れた手では感染症になってしまう可能性がある為、常に手を綺麗にするようにしています。
 他にその言葉から想像できるのは、黒幕系悪役の『私は自分の手は汚さない主義なんでねぇ。』とかいうセリフでしょうか。こういうタイプは中々成敗できる証拠が無くてイライラしますね。でも、そこで溜まったフラストレーションが、最終回で極上のカタルシスを引き起こすので、理想的なキャラ立ちでもありますね。

 とまぁ、実際に汚れていてもいなくても、人は手が汚れる、という行為を嫌う傾向にある、と言うことです。足を洗う、という言葉もありますが、こちらは微妙に手と意味合いが違う使い方をされている様に思います。これは、人間が二足歩行であるが故の差異でしょうか。二足歩行になる事で、どこかに滞在する時は常に足から踏み入れ、両足で立つ。そうなると、必然的に汚れるのは、足からということになります。足を洗えば、後は大丈夫、という期待も込められているのかもしれませんが。
 真実は四足歩行で文明の発展している存在が現れるまでお預けです。だから、彼らが現れた時に病を移すことが無いように、これからも手洗いを大切にしていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?