見出し画像

【家庭で出来る簡単科学実験🎵】100均アイテムで水力発電!「ケルビン水滴静電誘導起電機」を作る!

この記事では、100円ショップのアイテムだけで行える「家庭で出来る簡単科学実験」を取り上げています。
今回は、水滴だけで発電する「ケルビン水滴静電誘導起電機」を作り、発電実験を行います。

★YouTubeで本テーマの実験動画を上げています。
ぜひご覧になってください↓↓

本記事にお越しいただき、ありがとうございます✨
一般的に「水力発電」というと、「水流で水車を回して発電するもの」を思い浮かべることが多いかもしれません。
そのような水車を用いた水力発電では、
「水流(位置エネルギー)→水車(運動エネルギー)→発電機(電気エネルギー)」
といった経路を経て水流から電気エネルギーを取り出しています。
しかし、
「水流(位置エネルギー)→コイル(電気エネルギー)」
という、位置エネルギーから直接電気エネルギーを取り出すことができる特殊な発電機が存在することをご存知でしょうか?
この不思議な発電機は、「ケルビン水滴静電誘導起電機」と呼ばれ、今から150年ほど前の1867年にアイルランドの物理学者「ウィリアム・トムソン(ケルヴィン卿)」により発明されたものです。
本発電機は一種の静電発電機であり、動電気ではなく「静電気」を発電するものであるため、後にも先にも商用電源に本システムが活用されることはありませんが、実にシンプルで面白い発電機であるため、今回はこの「ケルビン水滴静電誘導起電機」を100円ショップのアイテムのみ使用して制作し、実際に発電実験を行います!

【材料】
・ディスプレイスタンド
・フレンチボトル
・ライトパック(タッパー)
・ステンレスマグカップ
・アルミ自在ワイヤ
・静電気除去キーホルダー(ネオン管タイプ)

※その他必要品(家にあるもの)
・アルミホイル
・接着剤

【制作】(※詳細は動画をご参照ください)
1 本体の製作
(1) ディスプレイスタンドの片方に穴をあけます。

穴を空ける際は、熱したネジ等を用いると簡単です。

(2) フレンチボトルのキャップの縁を切り取り、穴を空けたライトパック(2ヶ所)にそれぞれ接着します。

ライトパックの穴に合うように接着
 水タンクの完成

(1)と(2)を組み合わせると、このようになります。

本体の完全

2 コイルの作成
(1) アルミ自在ワイヤでコイルを作成します。

10回巻程度のコイルを2つ作成

(2) 完成したコイルを、ステンレスマグカップに取り付けます。

 コイルの固定には、クリップ等が便利です

3 本体にコイル部をセットし、アルミホイルで作成した検電器と静電気除去キーホルダー(発光確認用)を繋いだら、もう完成です。

コイルはお互いが接触しないようにクロスした状態で配置し、2つのステンレスマグカップに電気検主部の量端を接続します

装置上部に設置した水タンクに注水すると、フレンチボトルのキャップ先端から水滴がコイルの中を通過しステンレスマグカップに落ちていき、直後にマグカップに溜まった電荷の放出が始まります。(動画参照⇒https://youtu.be/7bUXjRSx9aU?si=4iGcL3eQyCEPPnWX)

【動作原理】

発電機の模式図 ※Wikipediaより引用

①水は、通常の状態では正と負、両方に電荷しています。
②図の状態では、水滴が右のコイルを通過する際にコイルが負に荷電します。すると水滴から負の電荷がコイルに奪われるため、水滴は正に荷電した状態でマグカップに溜まります。(右のステンレスマグカップは左のコイルに繋がっています)
③左のコイルは右のステンレスマグカップに繋がっているため正に荷電しており、水滴は通過する際に正の電荷をコイルに奪われるため負に荷電した状態でステンレスマグカップに溜まります。(左のステンレスマグカップは右のコイルに繋がっています)

※電気が溜まっていくにつれてコイルの電位も増加していくため、①~③(静電誘導)のプロセスは更に効率化していきます。コップが金属製ではない場合は、コイルの端を水に漬けても起電機は動作し、このとき電荷はコップの表面ではなく水面に蓄積されます。なお、左右のコップが正か負のどちらに荷電していくかについては、水滴を落とし始める際の僅かな帯電の違いによって決まるようです。

本実験装置は身近な材料で簡単に作成できますので、この不思議な方法による発電を、ご家庭でぜひ体感してみてください。





この記事が参加している募集

つくってみた

やってみた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?