転機の不安を乗り越えるには
想定していた転機でも、想定外の転機でも、暮らしの変化には不安が伴います。
ウィリアム・ブリッジズ「トランジション」には、「すべてのトランジションは何かの『終わり』から始まる」という記述があります。
例えば結婚。
二人の楽しい暮らしが始まるときではありますが、それまでの自由気ままなひとり暮らしは終わりを迎えます。
出産は赤ちゃんとの新しい暮らしの始まりです。
一方で、赤ちゃん中心の生活が始まることで、しばらくは夜の安眠や自由気ままな夜遊びとはお別れすることになるでしょう。
嬉しく楽しい出来事にも、こんな風に、今まで当たり前にあった生活の終わりがついてきます。
だからこそ、マリッジブルーやマタニティブルーという言葉があるように、失うマイナス面に注目して不安になってしまうのでしょう。
進むか進まないかで迷ったら、数字で具体化を
自分で望む転機であっても、進むか進まないか迷っているということもあるでしょう。
そして、その迷いの理由の1つにお金の問題が絡むことも少なくありません。
例えば、今の会社を早期退職して、本当にやりたいことを仕事にしたい。
それでも、安定収入を手放すことに不安があり、躊躇してしまう。
結婚生活の継続に希望を見いだせず、離婚をしたい。
でも、自分の稼ぎでやっていけるか不安で、動きたくても動けない。
そんなご相談を受けることがあります。
進みたいけれど迷っているときには、ぐるぐると思考を巡らすのは止めにして、手や体を動かしましょう。
・手持ち資金や将来の収入支出を数字で具体化する
・未来年表を作っていつどんなことが起こるのかを可視化する
そんな作業をすることで、現実的にやるべきことが見えてきます。
厳しい数字を手にした時の選択肢は3つある
もちろん、行動した結果、厳しい数字を目の当たりにすることもあります。
(1)現状維持
数字を前にして、「現状維持」を選択することもあるでしょう。
考えた末の「現状維持」も立派な選択です。
(2)前進
厳しい数字を目の当たりにしても、前に進む気持ちが抑えられず、「ええい、やるしかない」と腹をくくる人もいます。
厳しさを分かったうえでの「前進」ですから、その後の行動に覚悟が伴います。
(3)選択保留
自分で望む転機も、想定外の転機も、転機には不安や苦しさが伴います。
「いまは、何かしらを決断して前に進むだけの元気がない」
そんな時には、「半年後にまた考える」といったように、選択を保留する期間を決める「選択保留」という方法もあります。
状況を把握したら、白か黒か決めなくてはいけないと思うと、状況を把握すること自体が怖くなります。
「現状維持」「前進」のほかにも、「選択保留」という選択肢があることを知っておきましょう。
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