【物語の仕組み1】秘密があるから距離が縮まる from『いもいも』
本記事では、『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』(以下、『いもいも』)に見られた「物語の仕組み」を整理・収集します。
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『いもいも』では、祐と涼花が「永久野誓の正体は涼花。祐は代理人に過ぎない」という秘密を抱えている。
秘密が漏れた場合、①涼花は「生徒会長でありながら校則違反を犯した」ことで何らかの罰則を受ける、②涼花は厳しい父に叱責される、③祐と涼花は多くの人を騙していたため、信頼を失う……といった「損害」を受けると思われる。
『いもいも』では、元々、祐と涼花の関係は冷え切っていた。「ライバル関係」や「敵対関係」というほどではないにしろ、少なくとも「親しい関係」ではなかった。
ところが、秘密を共有したことで、2人の距離が縮まっていく。
具体的には、1話で秘密が共有され、2話で取材(という名目のデート)をするほどの急接近ぶりである。
『いもいも』では、舞が「妨害者」に該当する。
2人だけの秘密が舞にバレそうになり、あれやこれやの大騒動になる……というが本作の最初の山場。「妨害者」の登場により、物語が盛り上がることがよくわかる。
補足
秘密を共有した2人が、トラブルを乗り越えながら距離を縮めていく……というストーリー形式は、古今東西、様々な作品にみられる。
近年のポップカルチャーの中から例をあげるならば、私は『名探偵コナン』が最適だと思う。
具体的には「コナンと灰原哀の関係」……ではなくて、「コナンと服部平治の関係」だ。
特にここ最近、あの2人の仲のよさはちょっと異常なほどで、見ていて大変微笑ましいものがある。
灰原派の私としては、コナンと灰原もあれくらい接近してほしいのだが……。
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最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。
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<コンテンツ>
・3:【ストーリー深読み】なぜ祐はラノベ作家になれないのか?
・5:【キャラ分析】『いもいも』の氷室舞と『エヴァ』のアスカの比較人間学
・7:【物語の仕組み1】秘密があるから距離が縮まる from『いもいも』
・8:【物語の仕組み2】優れたあなたの秘密を知りたい from『いもいも』
・9:【物語の仕組み3】秀才は天才に苛立っている from『いもいも』
(担当:三葉)
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