ボン・ジョヴィ歯医者（2023/03/11の日記）

　娘が昨日学校で歯を打ってグラグラしだしたというので、朝イチでT歯科医院へ連れて行った。T先生は丁寧な印象の女医さんである。
「検査のためにレントゲンを撮ってもいいですか？」と云うから、お願いしますと返した。

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　幼い頃、自分はなかなか歯が生え変わらず、とうとう乳歯の後ろから永久歯が頭を覗かせてきた。それで母に連れられて近くの歯科医にかかったのだけれど、怖かったから口を開けずに抵抗していたら医師にしばかれた。

　以来どうにもあの医師に構えるところがあったから、中学に上がってからは別の歯科医にかかるようになった。
　こっちの先生はまだ若く、診察室にボン・ジョヴィが流れていた。ボン・ジョヴィがHR/HMの括りで派手な曲をやっていた時代だったから、「ヘビメタ歯医者」と呼ぶことにした。

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　レントゲン検査の結果、特に異常はなかった。ただ、打ち付けた衝撃で神経が死んでいる恐れがある。それは今この場ではわからないが、もしそうなら歯が変色してくるから1〜2カ月ばかり様子を見てください、とT先生が云う。それを聞きながら、この人こういう顔だったかな？　と思った。

　T歯科医院では最後に子供の患者には消しゴム人形をくれる。
「家に山ほどある」と云いながらどうでも良さそうに選ぶ姿を見て、何だか淋しいような気がした。