翻弄(2023/01/18の日記)
昨日の件で朝から社長と話さなければならないので、随分うんざりしながら出社したら、果たして朝一番で呼び出された。
行ってみたらイゴールさんも同席していたので、これなら畜山生太郎(ちくやま・しょうたろう)に対する不当な個人批判にはならないだろうとホッとした。今は個人の批判よりも、当該得意先への対応を協議したい。
が、蓋を開けてみたらそうでもなかった。
「百さん、イゴールさんから話は聞いた。畜山ができもしない話を勝手にしてきたのだってね?」
「はぁ、どうも開発親分のコメントを都合のいいように解釈したようで」
するとイゴールさんが割って入る。
「しかも、不安要素があるなら発売時期を延ばしてもいいって言われたのに、畜山君がそれを断ったんだよな?」
「はぁ? そうなのか、百さん?」
「そういうやりとりもありました」
どうやらイゴールさんもなかなかのレベルで畜山への不満を溜め込んでいたようで、むしろ率先して畜山の問題行動を挙げてきた。
イゴールさんと畜山は同い年だが、立ち位置が随分違う。その差をどうやら畜山は「イゴールさんは親会社の人だから」と捉えているようなふしがある。言葉の端々にそれが窺える。
イゴールさんにしてみればムカつくに相違ない。結局これも畜山が自ら撒いた種ということだ。
なお自分は社長と同い年だが、果たして彼のことを「血筋で社長になった小物」と思っているのだから一歩間違えば同じ穴の狢である。気を付けておこうと思った。
結局、畜山が完全に担当を外れる来月早々にイゴールさんと当該得意先へ行って、畜山の暴走を詫びつつ代替案を提示しようということになった。これを以て担当交代の理由説明にもするという寸法だ。
矢は放たれた。
※
席に戻ると畜山が開発部に何やら詰問していた。内容は自分がさっき社長から聞いていたのと同じ話である。どうやらこちらの打ち合わせが気になっていけないから開発部に当たったものだろう。
ところが開発部には既に畜山に対する箝口令が敷かれている。面白いから畜山には何も伝えないまま店回りに出かけた。
例によって移動中はYou Tubeで怪談を聴いていたが、さすがにいささか飽きてきた。
昼飯がサラダだけではさすがに足りず、カロリーメイトを1本食った。
帰宅すると、「(娘が)私の布団を奪って寝ている」と妻が嘆く。体がすっかり大きくなって動かせない、手伝ってほしい、というので転がして娘の布団に戻した。
娘は転がりながら何だかむにゃむにゃ言った。
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