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暗示にかかる人、甘い珈琲

 先日受けた健康診断で、胃が荒れているとの指摘を受けた。
「症状あるでしょう?」と医師が云うから、「別段ないようです」と答えたら、「じゃぁ、こういう胃なのかな」と納得された。医師は梶原一騎に似ていた。
 それでおしまいならばいいけれど、きっと後から再検査を受けなさいという書面が来るに相違ない。
 再検査の中でも、胃の内視鏡だけは嫌だ。前に受けた時、鼻から通せば苦しくないと職場の小澤さんが教えてくれたから、病院にそう云って鼻からやってもらったら、普通に苦しくて随分がっかりした。
 全体、鼻からだろうと口からだろうと喉を通るのは一緒なのだから、苦しくないはずがない。
 そういえば以前小澤さんと飯を食った際、店の人に薦められるまま牡蠣フライを注文したら中身がスカスカの酷い牡蠣が出てきたのだけれど、小澤さんは「確かに美味い」と感心していた。
 そのことを思い出し、そういう人だから「鼻からやると苦しくない」と誰かに云われたら本当にそのように感じたのだろうと、自分は苦しみながら得心した。

 胃が荒れる原因はきっと仕事のストレスなのだけれど、毎日飲んでる珈琲も一役買っているには違いない。自分はブラックで飲むから余計に負担がかかっているようにも思う。だから健診以来、珈琲は極力飲まないことにした。

 今日は久しぶりに妻が淹れてくれたから、試みに砂糖を入れて飲んでみた。スティックシュガーを一本入れたけれど、思ったほどに甘くはならないようだった。

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