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「夏はアイスコーヒー」とかいう固定観念を捨てろ。


コメダ珈琲行ったんですよ。こないだの日曜日。
朝7時半くらいに。ムダに早起きしちまったんで。

せっかく早起きしたことだし優雅にモーニングでもキメてやろうと思いまして、近所のコメダに行ったんです。


ご存知ですか、コメダのモーニング。
ワンドリンク頼んだらトースト+ペースト2種(バター・いちごジャム)のうち一つ+サイド三種(ゆで卵・卵ペースト・小倉あん)のうち一つがついてくるというサービス。
なんかネットでは神サービスだとか持て囃されてますけど、個人的には普通じゃねと思ってるんですよね。量が多いわけでもないし味はふつうだしそもそもコメダのドリンク自体が高価だし。

でもね、その普通がいいの。むしろ若干やる気がないくらいでもいいの。
コメダに期待してるのは意識高いエグゼグティブなサービスクオリティとかじゃなくて、自分ちの延長みたいなユルい雰囲気だから。何なら若干トーストがシケてるくらいでも許す。
(※実際にはサービスの質はむしろ高いほうだと思います。あとトーストはいつもパリッパリのフワフワです。過度に期待しなければふつうに美味い部類です)


さて、モーニングは当然頼むとして、問題はドリンクですよ。

ジェンダーな話をする気は、というかそんな大仰な話を打(ぶ)つ気力も時間もないんですけど、大の男が夏に喫茶店で頼むのってだいたいアイスコーヒーだと相場は決まってます。
かく言う私も当然大の男、そして季節はセミさえくたばる8月下旬。そらアイスコーヒー頼む気満々でしたよ。レイコー(冷やのコーヒー)しか勝たんくらいの勢いで。


そしたらね。
目に止まったんですよ。思わぬ伏兵が。


アイスミルク 440円
たっぷりアイスミルク 540円


こいつが目に入った瞬間、アイスコーヒー頼む気満々だったのが”満”くらいになりました。々←こいつどっか行った。


自分でもびっくりしましたけどね。”アイスミルク”なんて存在に気をとられるなんて。
マジメな話、そもそも誰が存在を認識してんだってメニューじゃないですかこんなん。

でもね。冒頭言った”早起き”ってのは、開店7時に先駆けた5時だったんでね。ガラにもなく早朝サイクリングかましたあげく、ひとっ風呂浴びるまでこなした後だったんですよ。要するにチルアウトを求めていたコンディションだったんです。

そこに来てのアイスミルク。冷やの牛乳。レイニュー。
おいおいレイニューいいじゃないか。意外とアリかもしれんぞレイニュー。
何、しかもガムシロップまでついてくる?おいおいそんなの入れようもんなら、牛乳のやさしい甘みがますます引き立ってしまうじゃないか。



経験と本能が告げている。

これ以上、チルアウトにうってつけのドリンクは、無い。



「男の夏はアイスコーヒー」

そんな誰が言ったかもわからん固定観念にとらわれててどうする。

「アイスミルクなんて頼んだことない」

だったら今日が注文記念日だ。



世間が。

何と。

言おうと。



チルりてえんだよ、今の俺は(注文ボタンを押しながら)。


― ― ―


店員さん
「おきまりですかー?」


「たっぷりアイスミルク。ガムシロは付きますか?」

店員さん
「はい付きますねー。モーニングはいかがなさいますか?」


「ペーストはバター、サイドはゆで卵。あと追加でミニサラダ。以上で」

店員さん
「はいかしこまりましたー。ご注文繰り返させていただきます。たっぷりアイスミルクコーヒーがおひとつ」


固定観念にとらわれた哀れな子羊がここにも一人。



「そじゃない。コーヒーはつかないんですよ。ただのアイスミルクが飲みたいの」

店員さん
「え?・・・・・・!!(今はじめて”アイスミルク”という概念を知った風)

店員さん
「し、失礼しました、申し訳ございません。たっぷりアイスミルク、甘み(ガムシロ)付きがおひとつ」


「そーそー、アイスミルクでおねがいします」


主よ、私にもこの哀れな子羊を導くことができました。


― ― ―


そんなこんなで注文してみたアイスミルクですがね。
まあーこいつがすこぶる美味かった。

美味さを説明するためにね。
ちょっと想像してみてもらいたいんですが。


朝とはいえとっくに日の登った夏。日が登る限りは容赦しない真夏の太陽に照らされた体はいつだって冷気を欲している。

一仕事を終えた後のテンションはほっかり八兵衛、シャキッとキリッとさせるブラックコーヒーは似合わない。
かと言ってカフェモカだのミルクセーキだの、あからさまな甘味は朝からキメるには重すぎる。


そこにスッ・・・と差し出される、目にもやさしい純白のアイスミルク。

牛乳本来の甘みとやさしさをさらに引き立てる、一回しグラスに垂らされたガムシロップ。

カラン、と音を立てる、グラスの中の氷。

一口含んで口内にひろがる、牛乳のまろみと溶けこんだガムシロップの甘み。


火照った体にはこれ以上ない、極上のチル体験でしたよ。いや本当に。


― ― ―


さて、モーニングもいただいてチルの権化のようなアイスミルクも飲み干したら、あとは退店するのみ。

いやーしかし美味かった。最高にチルだった。
固定観念をブッ壊した恩恵として、これ以上のモノはなかろうよ。


それにしても、これに匹敵するだけのチルなサマードリンクなんて今後そうは見つからんだろうなあ。
アイスミルク一強なのは変わらんだろうけど、いちおう見るだけ見てみるか。


そう思いながら、卓上のメニューを今一度ながめていたら。







カルピス 440円







その手があったかああああああああああ!!!!!