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“わたしの作品は、オリジナル作品を見るためのフィルターでありたい”~『福田美蘭展/千葉市コレクション遊覧』

千葉市美術館で開催されている、『福田美蘭(1963-/東京芸術大学卒)展/千葉市コレクション遊覧』を見てきました。

千葉市美術館の所蔵作品と、福田さんの作品のコラボ。見比べるほどに、新しい発見のある、面白い展示でした。

福田さん独自の、解釈によって生まれた新しい作品。キャプションも全て、ご自身の手による物です。


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菱川師宣「酒呑童子 褒賞(千葉市美術館蔵)」


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福田美蘭「大江山の酒呑童子退治」

酒呑童子の物語を一つの画面に収めた作品です。大きくて迫力がありました。過去絵を模倣するのではなく、作家の新しい視点で、複数の絵を一枚に調和させ構築する。手芸のパッチワークの作品を見ている様でした。


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鳥居清長「美南見十二候 九月(千葉市美術館蔵)」


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福田美蘭「美南見十二候 九月」

こちらも大作でした。清永と同じテーマを描いていますが、福田さんの作品の方が明るく、女性の艶やかさが増しているような気がします。福田さんの手にかかった物を見てから、オリジナルを見ると、更にイメージがくっきりとしてきます。


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福田美蘭「見返り美人 鏡面群像図」

第一会場始めの見返り美人を、7人配した作品もインパクトがありました。鏡の迷宮に入り込んでしまった、見返り美人。戸惑っているような動きがユニークです。


会場は一部撮影が可能でした。


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美蘭仕様の力強いパッケージのエレベーターも、存在感を放っていました。      病魔退散の願いを込めた朱色を使った作品が多かったのも、今ならでは。印象的でした。

会期は12月19日まで。ひとひねりある、美術鑑賞の視点が変わる展覧会で面白かったです。


こちらの企画展のチケットで、常設展も観覧出来ます。


趣きある市庁舎のビルの中にある、千葉市美術館。今回は常設展と合わせても、2時間程で鑑賞出来ました。美術館利用の方は駐車料金が無料(地下、先着85台)になるので、時間を気にする事なくゆっくり鑑賞出来ます。気軽に、訪れてみてはいかがでしょうか。


※タイトルの“”内は、千葉市美術館 scene news vol.100 福田美蘭インタビューより引用




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