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何のために働くのか

部活動中止がさらに延期となり、僕たち教員は定時退勤が可能になって嬉しい反面、じわりじわりとストレス解消の場を失いどこかイライラしている子が増えている気がします。

また、地域スポーツはこれまで通り活動を続けているケースが多く、部活から地域スポーツ、文化活動に移行する大チャンスな気がするのですが、クラブ等の新設も含めて、どこまでスピード感をもって動けるのでしょうか。


さて今日は、小松成美著「虹色のチョーク」より、「何のために働くのか」というテーマで書いていこうと思います。

チョーク業界で全国シェア70%を誇るダストレスチョークを作っている、日本理化学工業では、社員の7割が知的障害者という驚きの話を前回書きました。

人にも環境にも優しく!チョークに込められた熱い思い|ゆや先生(中学技術科)|note

そんな日本理化学工業がなぜ知的障害者の雇用を続けるのか、どういう理念をもって会社を経営しているのかを知り、自分の働き方や、子供への指導の仕方に生かしていきたいと思います。

今日のポイント
・人が生きていく上で必要な4つのこと
・誰一人として置いてきぼりにしない覚悟



【人が生きていく上で必要な4つのこと】

日本理化学工業が知的障害者を採用し始めたのは50年以上前。当時の社長、大山康弘さんの想いを紹介します。

「人にとって必要なのは、人に愛されること、人に褒められること、人の役に立つこと、人から必要とされること、の4つです。働くことによって、愛以外の3つは得られるのです。その愛も、一生懸命働くことで得られるものだと思う。」

学校でも、クラスや学校の仕事はたくさんあります。黒板を消したり、掃除をしたり、給食を配膳したり、プリントやノートを配ったり。簡単で子どもの手を借りた方が楽な仕事も山ほどありますが、掲示物を書いたり作ったり、話合いを仕切ったり、先生がやってしまえば早く、面倒もなく済んでしまう仕事もたくさんあります。

先生一人でやるより合理的だから、という理由で子供にやらせるのではなくて、子供に働かせることで「役に立った!」「頑張ってよかった!」と思わせたいからやらせる仕事もたくさんあるんですね。

僕も普段、本当に細かいこともあれこれ子どもたちに「ちょっとやってくれる?」とお願いしちゃうことが多いです。もちろん断りづらいというのもあるんでしょうけど、一生懸命働いてくれますので、その仕事ぶりをよく見て、心からの「ありがとうね」「助かったよ」の声かけを心がけています。
たまにいる「ちぇっ!ぱしられたぜ!」って態度の子だって、ちゃんと役に立ちたいと思っているし、誰かの役に立ちたいと思っているんです。


【誰一人として置いてきぼりにしない覚悟】

障害のあるなしに関わらず、人は「人から認められたい!」「人の役に立ちたい!」「働きたい!」という欲求をもっています。

日本理化学工業は誰一人として置いてきぼりにしないぞ!という強い覚悟をもって障害者雇用を何十年間も続けています。実際に、著書では社員全員が働く幸せを感じ、毎日生き生きと出社している様子が描かれています。

クラスの中でも、そりゃ学力の高い子低い子、誰とでも仲良くできる子できない子、運動が得意不得意、一人一人もっているものは違います。じゃあクラスの中で生き生きできる子と、居場所がない子がいていいのかっていうと、やっぱりそれは違いますよね。

「誰一人として置いてきぼりにしない!」

それは仕組みである程度解決できると思っています。当番活動、係活動、座席、班編成…適材適所で全員がうまく活躍できるように日々頭を悩ませています。そして、しつこいくらいに繰り返す「ありがとう」ですね。



日本理化学工業は、窓やお風呂に落書きできる「キットパス」も作っていて、「世界の落書き文化を応援したい!」という思いで作られているそうです。

どこに描いてもいい、自由に好きなだけ描いてもいい、という気風は、どんな人でも受け入れ、その人らしさを生かしていこうとする会社の雰囲気がよく表れていますね。
実際に会社の窓には色とりどりの落書きが施されているようです。従業員さんも休憩時間に自由に楽しく落書きをしているんだとか。

誰もが働くことを通じて社会と繋がり、生き生きと活躍できる社会をみんなでつくっていきたいものです。

ではまた!


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