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支離滅裂
2022年1月8日 12:36
虹のうたきみの中身が知りたかった、きみを、構成している成分が、ぼくとおんなじだなんて、ぼくは認めないかみさまの気紛れに調合したレシピが、情報となり、きみを表す記号になり、また受け継がれてゆくのだろう月も太陽も見えなくていいから、ぼくを独りにしないで幼い頃見た夢の続きを、引きちぎって粉々にして、点滴パックに詰めたあの日から、何かが漏れ出して少し痛い気がした 敏感になった痛覚をあやしてきみに
2021年11月23日 17:44
弾けるのうた燦然たるきらめきを、両の手のひらから零してきみには勿体無い程のそれを、きみが零した部分を、拾い集める言語化出来なかった感情を撫ぜて、そっと、意識の先に葬る言葉に詰まる日常を消化してシャボン玉になったら、ぼくは消えて無くなるのでしょうか絶え間ない夢を見ているきみは、ぼくのことなどおぼえていない交じり合うことの無い淋しさがあるのなら、この星以上に美しい場所なんてないと空の高
2021年10月23日 12:16
日暮のうた夏から秋へ 曖昧なオレンジは自己否定の匂いを仄めかしてこころが潰れる音がした 指先に集めた蟻をも潰せる圧力で簡単に愛しているからきみなんて要らなかったきみが生涯聴くことの無いアーティストのCDおんなじ頻度で音飛びするわたしの思考も烏に啄まれて砕ける夢の中では確かに言えたの、そのさよならを本物のきみを前にしたら音にすらならなかった己の弱さとはりぼての「またね」明日になった
2021年8月10日 02:05
あの赤のうた「東京タワーの下で落ち合いましょう」今世紀最大の待ち合わせを 赤がいちばん良く映える鉄塔は、地図など要らない 君が好きだった 何にも染まることの無い君が まぼろしなんかじゃない、今日ぼくが此処に存在していること こうして君が影を落としていること教会に通う鳩と話した聖書のおはなしを、君に聴かせてあげたい 今日見た空の高さを、君に教えてあげたいきっと君は相槌すら打ってくれないの
2021年8月1日 00:20
宿題のうたきみを肯定出来るだけの経験と知識を持ち合わせた言葉になりたかった誰よりも近くで、きみを抱き締めて居られたら夏の思い出みたいに朧気な陽炎にはなりたくない宝箱みたいな夏の絵日記は、先生の前で破り捨てたからぼくが言葉になる瞬間、きみはひとりなのだろうだからぼくはうまれたし、きみもそれを望んだ夕暮の中、プリズムの様なやさしさを数えたら、きっとこれから世界は目覚めるたのしいうた
2021年7月22日 23:47
夏のうた全部なくなっちゃった 生きたくて仕方なかった明日と、ぬるくなった麦茶と、首振り扇風機と、蚊取線香の匂い頭痛が増す きみに良く似た形の憂鬱明日が晴れでも、雨でも、わたしは死ぬでしょう 蝉が羽化するその速度で地球の公転に倣って歳を取るから、姿を保てず次のいきものにかたちを変えるきみを救いたい この脆すぎる感情すらも嘘になったら風鈴の残響が耳の奥で乱反射するこの世界の理を飛び越え
2021年7月2日 02:16
過眠症のうた眠れないから適当なプレイリストをシャッフルで再生する 夜更かしをしたあくる早朝 眠らない街でぼくはずっと「ほんとう」を見詰めていた静かな雨を、アスファルトが吸収する匂いを嗅ぎながら、ひっそりと呼吸をする海のこえを聴きながら、ぼくには到底触れられなかったきみのこころについて考えるきみの瞳から伝わる溢れんばかりの哀しみと絶望を、恥じること無く隠すこと無く灯らせるきみは愚かでした 愚
2021年7月1日 20:26
タイムカプセルのうた感情論で恋をしようよ 時速120kmで彗星の真下でぼくたちは小指を絡め合った口約束にも満たない、ちいさな、ちいさな、ぼくらの反逆星空のカーテンに包まれて、瞼の裏の宇宙を泳いだ君の髪の流れ、瞬きの速度はコマ送り潜在意識の裏に紐付いた有りもしない君との夢は銀河の果てのタイムカプセル宇宙の中のちいさな海で、ぼくたちはまた会えると信じて疑わなかったさよならに代わる言葉
2021年5月16日 23:08
五線譜のうた雨音とクラシックは完璧な調和を保って降り積もるまだ見ぬ五線譜に蛙の子を並べて想い描く完璧な設計図は何百年と前から羊皮紙上に保管されている灰となり舞い上がった聖書は今日の空に良く似ていた今日もわたしの知らない世界で15万ものいのちが溶けてゆくもがれた天使の翼で白く染まる地球の上、わたしはただただ黒だった蓄音機に被った埃を拭う様に撫ぜる今日も、きみだったものを抱き締めて、
2021年5月14日 22:26
レプリカのうた意味も無く溢れる虚しさの中で、きみの見る夢を見た崩壊したダムの上で、ひとり泣いてるきみは天使のこどもになったらしい沈みゆく街に、遺骨を撒いた 背中の翼から、羽根を1本捥いで、したためた宙色の手紙に涙のインクは良く映える何故きみが、そんなに淋しいのか、ぼくにはわからないけど、そんな憂いたきみを、ぼくは、ルーブル美術館の絵画に閉じ込めたい嘘になったきみの言葉を、ぼくは未だに宝