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自戒をこめて~生まれて初めてちゃぶ台返しをした話

およそ一週間ほど前になりますか、生まれて初めてちゃぶ台返しというものをやってしまいました。
まぁ、実際にはちゃぶ台ではなくて、コタツから布団を取っ払って、その分をネジなんかで留めて使っている、居間にあるテーブルなんですけど。
そんなことはどうでもよくて。

その直前まで、居間で猫様の歯磨きをしていて、途中からどうにも音が不快になりだして、しばらく猫様を抱っこしながら深呼吸して落ち着こうと試みたけど、自分の中で何かが限界に達するのを感知、猫様をリリース。
テーブルの上の、割れ物を冷静にどかしてから、勢いよくちゃぶ台返し。

返したテーブルの先にリリースした猫様がいるのに気が付いて、「あぁあぁぁっ!ごめ~ん!!!」と咄嗟に叫び、猫様は持ち前の危機回避能力でダッシュで逃げてくれて、事なきを得た。
そこまで確認して私はその場から退避、しばし一人になって落ち着いてから、現場の復旧に入る。

台所にいた家のものたちが何事かとやってきて、状況を見て察する。
自分たちが出していた音が不快で私がキレたのだと。

遡ること数分、猫様の歯磨き中、家のものたちは台所で大声でどうでもいい会話をしながら、氷を袋からトレイに移すのにグァシャア~と音を立てたり、皿をガシャンと音を立てながら流しに置いたり、移し終えた氷をコップに入れて水割りを作ってカラカラと音を立てたり、くだらない替え歌を大声で歌っていたりした。

当人たちにとってはたわいもないことなのでしょうけれど。
聴覚過敏持ちには情報過多。

加えてこちらは猫様の歯磨き中。めちゃくちゃ神経を使っている。
そして、その頃はまだ猛暑がやってくる前で、うちもよそも窓を開けていたから、外からの音の刺激もたっぷりやってくる。
話し声しかり、車の音、飛行機の音、その他もろもろ。

それのみにあらず、湿気による不快感、その日別件で受けていたストレス、勝手に自分の頭が始めるどうでもいい会話へのツッコミ、よその家の声が聞こえるように、このくだらない替え歌がよその家の人にも聞こえてしまうんじゃないかという心配、そういったものがない交ぜになって襲ってきた。

だが確実に言えるのは、キレるとき最後に引き金を引いたのは音によるストレスだったということ。

たまにニュースで、家族を殺めてしまう人の動機が「音がうるさくて」というのを見かける。
きっと大抵の人は「なんでそんなことで…」と感じるのだろうけど、私の場合はその手のニュースを見ると”いつか自分がそちら側に転んでしまうのではないかという恐怖”と戦うことになる。
今回、ついに片足を突っ込んでしまったと、ちょっと自分でもショックを受けている。
それに、音に敏感な私がいなければ家のものたちはただ楽しい時を過ごしているだけで済んだのに、自分がそれを台無しにしているんだと自己嫌悪にも陥る。

同じことを起こさないために、これからどうしたらいいかと家のものから尋ねられた。
どうしようもないと答えた。

こちらの要望としては「うるさいにうるさいを重ねないでくれ」ということになるのだけど、家のものたちは私がうるさいと感じている音をうるさい音だと認識していない。
だから、結果としてどうしようもないのである。
平和な頭でうらやましい。。。

できるのは私がストレスの受け皿をいっぱいにしないこと。
適宜発散するなり、無理だと思ったらその場を離れるなり、そういうことだけ。
「散々、聴覚過敏持ちって言ってきてるんだから、静かにしてよ!!」と思わなくもないけれど、家のものとはいえ、所詮自分ではない人間。
そんな相手になにか期待するのもお門違い。
自分がどうにかするしかないんだよ。

自戒も込めて、やっちまった体験談をこちらに置かせていただきます。


p.s. 「うるさいと思ったら、『静かにして』って言えばいいんじゃないの?」と思ったあなたへ

あくまで私の場合は、ですが、そんな余裕はありません。
うるさいという不快感で頭の中が支配されて、平静を保つので精一杯、その場をやり過ごすので手一杯です。フリーズします。
それを言おうとすると「うるさ~い!!!」と叫んでしまいそうになるので、落ち着いて話せるモードになろうとするけどそれ自体がまたストレスになってしまいます。

加えて、今回の場合は自分は居間で猫様の歯磨き中、相手は台所という離れた位置関係にいたので、どうしても大声を出す必要があります。
この家で自分の唯一の理解者である猫様たちの耳元で大声を出すなんて、そんなことしたくありませんでした。

結果的に、今回は私のストレスの受け皿が満杯になって溢れ出してキレる形になりました。
世の中にはそういう人もいるんだってことを知ってください。

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