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反対意見を言える場は、どんな場所より大事にすべし

【ワークショップ】絵本『おつきさまは、よる、なにをしているの?』を読んで話そう~ゆるっと哲学
【日時】 2023年10月3日 土曜日 14:00-15:30
【参加者】 8人
【ファシリテーター】大久保徳久子 (編集・絵本講座主宰)
【場所】埼玉県越谷市 駅から徒歩5分 カフェあかね.ya

【様子】
絵本を読んで、みんなで感想や疑問を語り合いました。そして、テーマ決めてじっくりと向き合う時間を持ちました。



うわっ、大きな絵本!

今回のテーマに用意した本は、
大きな絵本です。

縦36cm×横27.5cmもある、絵本の中でも
特別大きな絵本です。

「うわあ、大っきい」と声が上がる。

『おつきさまは、よる、なにをしているの?』
アンネ・エルボー さく
木本 栄 やく  ひくまの出版

===
おつきさまは、昼間眠っている。
でも、夜になると、
黒猫といっしょに
たくさんのお仕事をしています。
===

独特の色使い
大胆な画面構成が
幻想的で美しいベルギー発の絵本です。


この光景を作者が見たら

まず、大久保が読み聞かせをしたのち、
参加者それぞれが感じたこと・疑問に思ったことを
語りました。

  • 「動き回るおつきさまが、とても献身的」

  • 「すごく絵がいい。詩を聞いている感じがした」

  • 「おつきさまと黒猫は、セット? 陽に対して陰の世界みたい」

  • 「絵がいい。グッズが欲しくなるレベル」

  • 「読者は、月が夜にしていることは知っている。 
     昼何しているの?と疑問を持つのが、普通なのではないか。
     作者はなぜ夜なにをしているの?としたのか」

  • 「素敵なだけでなく、ユーモアも感じる」

  • 「月が楽しそうに働いてるのが印象的」

そのほか、文字の配置、原書はどうなっているのか、
作家のほかの作品の話や
おつきさまのワンピースの柄、魔女と黒猫などなど
細部にわたり、話が広がりました。

秋の良き日に、この絵本を囲んで
言葉を交わすこの様子を
もし作者が知ることがあったなら、
どんな気持ちになるだろう。

そう思わずにはいられない
楽しく味わい深い時間となりました。

生活に根差した問いに、引き寄せられる

そのあと、絵本の余韻を残しながら
問いをみなで考える時間を取りました。

この時間がいつも面白いのです。
「うーんうーん」と言いながら、
ポロリと問いが生まれて
一気にそのことが話したくてウズウズする展開になるのです。

今回は、
「いつもやっていることをやらなかったらどうなるの?」
決まりました。

この問いを出した方は、
過去にコロナに罹患した経験も話しながら、
「働くこと、いつものルーティンをしなくなることについて
考えていたから、この問いにした」と話してくれました。

生活に根差した問いが出てきて、
一気にその場が、
この問いに引き寄せられている空気を感じました。


「いつも」は、ルーティンでありアイドリング

手を挙げた人が、話し始めます。

いつもやっていることを止めると、次の一歩が出しづらくなる。
みんな激しく頷く。
すぐさま頭の中を、習い事やダイエット、運動、整理整頓などがかけめくる。

一度やめると大変。
やり続けることって、大事。
生活のサイクルはあったほうがいい。
追い打ちをかけるように、続く。

でも、誰かがやってくれるという場合もある。
誰かがやってくれるのも、慣れるのに時間がかかる。でも、次第に気にならなくなった。
たいていのことは何とかなる。
みんな家事シェアをイメージすることが多いのだろうか。

みんなの顔が、いきいきとしていることに気づく。
誰かの発言を、食い入るように聞いて、自分の場合はどうだろうと
頭をフル回転させているみたい。

突如
アイドリングいうキーワードが飛び出した。

アイドリングみたいなものじゃないかな。精神的にも身体的にもアイドリングと思うと、続けることのハードルを感じなくなるかも。

うわあ、これはとてもよくわかりやすい。うんうん、確かに。


「苦手だ」と言ってみる

「続ける、ルーティン、いつもの」などの一連が
非常に苦手なわたしは、
いつもより、やや小さな声で手を挙げて言ってみた。

わたしは、ルーティンがとても苦手。非効率と分かっているけど、毎回ちょっと違うことをやってしまう。いつもやっていることが少しずつ違う。
ルーティンが得意もいるけど、不得意もいるって、言いたいかな。


逆に「ルーティンが自分の生活には必要なんだと
いま自覚した」という発言もあり、多様な世界が展開していく。

いつもやっていることをやらないことで
➡ 周りが考えるようになる
➡ 新しい発見につながる

という言葉も聞くことができました。


同じような発言も、
よく聞くと一人一人違っている。

真逆の発言も、
対立なのではなく「そう感じる人もいるのか」と
気づきになる。

誰も声を荒げたり、嘲笑したりはしない時間だ。

聞く人がいるから、言葉が紡ぎだされる

終了時間が来て、最後の感想を聞きました。
初めてご参加の方が3名から
こんな答えが返ってきました。

「なかなかありそうでない場所です。楽しかった」
「すごく楽しかった。みなさんの話のどれもが貴重でありがたかった」
「短い間に接した人から、こんな深いことが聞けるなんて!

ついさっきまで知らなかった人と、
とても深い大事な話をしている不思議さ。


でも、聞いてくれる「誰か」が確実に
自分の目の前にいてくれるから、
「大事な話」が紡ぎだされる
のです。

対話のすごさは、そこです。

ひとりではたどり着かないところへ行ける面白さ。

そこから、自分の生活に何を取り入れ
何を拾うのかは、
自由。

その自由さも、対話のすごさ。
そう感じた今回の「ゆる哲」でした。
ご参加ありがとうございました。

この記事を読んで、
「面白そう」と感じたら、どうぞいらしてください。
大歓迎しちゃいますよ。

(大久保)

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ゆるく。そして、ここちよく。

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