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【交流イベント】ギニアの午後、マリの午後ーアフリカから特別ゲストを招いて

 
【交流イベント】ギニアの午後、マリの午後ーーアフリカから特別ゲストを招いて
【日時】 2023年7月30日 日曜日 14:00-16:00
【参加者】 14名
【場所】 埼玉県越谷市 駅から徒歩5分 カフェ あかね.ya
【様子】 アフリカの国、マリとギニアから、特別ゲストを招いて、国のこと、文化のこと、暮らしのことを伺いました。アフリカの色とりどりの布を見たり、巻き方を教えてもらったり、踊ったり、頭にものを載せて運んだり。熱気とやさしさに満ちた時間でした。
 


ギニア? マリ? どんな国?


連日、最高気温が続く日曜日の午後。
あかね.yaのテーブルには、色とりどりのアフリカン・プリントの布と、
今回のゲストのお二人に食べてもらおうと、日本のさまざまなおかしや食べ物が並んでいます。
そんななか、14名の方がぞくぞくと集まってくれました。
 
今回のゲストとは……
ギニアから来た女性Sさんと、
マリから来た男性Kさん。
 
お二人からアフリカの話を聞くと、
いやはや、おどろくことばかり。
 
例えば……
 
マリ共和国は、「カバの国」という意味。
首都バマコは、「ワニの川」を表します。
「ええっ、首都にワニがいるの⁉」と驚くと、
「いっぱいいるよー」と、Kさんは笑います。

ギニアの女性は、頭に50キロくらいの荷物を載せて、運べる。
洗濯は、立ち姿勢から腰を直角に折って、ガラケーみたいな恰好で、洗濯板で洗う。
 
ブルキナファソ人は、自転車に乗るのが猛烈にうまい。アフリカでいちばん。
頭に重い荷物をのせ、子どもを前後におぶり、山道を自転車で行ける。
 
エチオピア人は、アフリカの人々の中でも、いちばん顔立ちが美しいから、見るとすぐわかる。
 
エチオピア語の文法は、日本語のそれとよく似ている。
そのため、エチオピア人は日本語を習得するのが抜群に早い。
 
ギニアのナショナルチームは「ゾウ」と呼ばれている。
(全日本チーム「サムライ・ジャパン」の「サムライ」にあたる部分が、「ゾウ」)
 
いやあ、すごくないですか?
 
 

マリについて


まずはKさんが、自己紹介を兼ねて、マリについて話してくれました。

マリに23以上いる民族のこと。
北はサハラ砂漠に接する、内陸の国であること。
マリ帝国、バンバラ帝国などを経て、19世紀にはフランス領西アフリカ植民地の一部にされ、民族が分断されてしまったこと……。
 

納豆とブリが好き⁉

 
会場から、Kさんに「好きな食べ物は何ですか?」という質問が。
日本に十年以上住んでいるKさんは、流暢な日本語で……
 
「納豆とブリ!」
 
納豆はちゃんとついているタレも入れて、ご飯にかけて食べるそうです。
ブリは「普通に焼いたりするよ」。
お刺身は?と聞くと、最初は食べられなかったけど、今はお寿司も大好き!と答えてくれました。
 
一方、まだ日本に来て半年のSさんは、日本の食べ物に慣れていません。
日本語も英語もわからないので、食べ物はすべて「闇鍋」状態。
さぞたいへんなことでしょう。
 
ギニアは、食文化も日本とはまったくちがいます。
たとえばキノコは「生えてはいるけれど、食べ物とはみなさない」とのこと。
 
そこで、テーブルに並んだ日本の食べ物を食べてもらうことに。
 
ポン菓子、柿の種、ごま油味のポップコーン、米粉パン、揚げ餅、紅イモチップス。



恐る恐る口にするSさん。
ほとんどが、ひと口食べて、「無理……」と苦笑。
食べられたのは、参加した女性の一人が、ていねいに手づくりしてくれた、キュウリの漬物。それと米粉パンでした。
 
Sさん、早く慣れて、おいしくご飯が食べられるといいですねえ。
 

布と踊りと


 
Sさんにも、ギニアの話をしてもらいました。
 
通訳は、世界の医師団で働き、難民支援もしている武石さん。
どういう経路を通って、日本に来たかという話になり、
地図を見ながら、「まず、バイクタクシーでジャングルを抜けて、隣国のマリに行き、それからタクシーで……」と話していくうちに、じょじょにSさんの目が曇り、とうとう下を向いてしまいました。
「もう話せない……」
 
じつはSさん、Kさんは、さまざまな事情で、命がけで国を逃れ、はるばる日本に来たのです。
どれほどの苦労があったことか。
そしても今も。
二人とも、難民申請中。
Sさんにいたっては、もう10年以上、働く権利も、健康保険もないままに暮らしています。
 
 
気を取り直し、Sさんに布の巻き方を見せてもらうことにしました。
 
アフリカのろうけつ染めには、いろいろな種類やモチーフがあり、
Sさんはそれを一目見ると、それがどこの国のものか、どんな用途があるのか(例えば結婚式で使う、とか)、何のモチーフかがわかるのです。
 
そして一枚布を、さらっと体や頭に巻くのですが、それが猛烈にかっこいい。
オレンジと赤と黄色のストライプの布を、さっと腰の周りに巻くと、
それだけでみなさんから思わず、ため息と歓声が。
 
それくらい、はっとするほどかっこいいのです。
肌の色、身体や頭の形と、はっきりした色づかいが、驚くほどよく似合う。
 
「頭にものを載せて、運べるんでしょ?」と聞くと、
Sさんは、横にあった、幅40センチ、高さ30センチはある、
重そうな布バックをひょいっと手に取り、
ぽんと頭に載せました。
 
ええーーーっ⁉
会場がどよめきます。
 
そのままSさんは頭に重いバッグを載せて、さっそうと歩き、
くるんくるんと回転します。
 
「こんなの、なんてことないよ。簡単、簡単」
 
その言葉通り、バッグは頭にぴたりとくっついて、微動だにしません。
 

ダンス、ダンス、ダンス!


Kさんがスマホで、マリの音楽を流しました。
リュックから小さなスピーカーを出して、接続。
ダンスが大好きなKさん、いつでも踊れるように、常にスピーカーを持っているのです。
 
Kさんが声をかけると、Sさんがはじけるような笑顔で踊り出しました。
両手に布を広げ、それを振りながら、胸をゆすり、腰をゆすり、くるんくるんと回転します。
とても狭い店内にはおさまりません。
 
あかね.yaのドアを開け放ち、
踊るSさんとKさんに続いて、みんなは外へ出ていきます。
踊りながら噴水に向かう二人に、にこにこ笑いながら、おしゃべりしながら、ついていくみなさん。



 
SさんとKさんは、明るい笑顔で弾むように踊り、
みんな手をたたいたり、いっしょに体を揺らしたり。
道行く人も、お店の人も、それをにこにこ眺めています。
夏の光を浴びて踊る二人は本当に楽しそうでした。
 
 



アフリカの布を巻く


 続けてSさんは、アフリカン・プリントの布を頭に巻いて見せてくれました。
鮮やかなピンクと黄緑銀で、銀杏によく似た葉が描かれています。
このモチーフ、じつは「サツマイモの葉」。
サツマイモの葉は、ギニアではとてもポピュラーな食材のひとつで、
Sさんも大好きな食べ物です。
 
大きな布を無造作に二つに折り、くるりと頭に巻いて結んだだけなのに、そのかっこいいこと。
これまたため息と歓声が、みなさんから自然におこりました。
 
もうひとつ、モスクへ行くときの巻き方も見せてもらいました。
髪と上腕をぴたりと隠す巻き方です。



 
来た方々も、Sさんに布を巻いてもらって、トライ!
とてもよく似合います。
 
そうして、和やかに会が終わりました。
 
会の後、支援者として長くKさん、Sさんと関わっている、つくろい東京ファンドの大澤さんが「お二人が楽しそうに踊っているのが、とてもとてもうれしい気持ちになった」とおっしゃっていました。
 
ていねいに作った漬物を、二人のために持ってきてくれた方。
おにぎりの絵本をバンバラ語に訳して、その訳を、1ページ1ページごとに貼りつけ、プレゼントしてくれた方。
Sさんによく似合いそうな大きな柄の、とびきりすてきな新品のワンピースをプレゼントしてくれた方。
時に、ほとばしる想いに、二人が言葉につまったり、流れすぎたりをするのを、じっと温かく、心のこもった表情で、見守ってくださったみなさん。
 
人のやさしさを見ると、それだけで胸があたたかくなるもの。
見ているだけで、やわらかな気持ちになります。
やさしさが、さらにやさしさを呼ぶ。
そんな素敵な会でした。
本当にいい場所、いい時間でした。
 
当日の会費は、場所代と飲み物代をのぞき、SさんとKさんを支援している、つくろい東京ファンドの大澤優真さん、武石晶子さんに寄付させていただきました。
 

次回は、アフリカの太鼓ジャンベの演奏をするか、踊りにするか、はたまたまったく別のものにするか。
現在考え中。
どうぞ楽しみにしていてくださいね!
 
来てくださったみなさん、
場所を提供してくださったあかね.yaさん。
本当にありがとうございました!
 
  (ふしみみさを)              
 
ーーー
参考
今回イベントに参加してくださった、一般社団法人 つくろい東京ファンド 大澤優真さんのインタビュー
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6408215ee4b0e0a159616610


0+0 ゼロプラスゼロ
ゆるく。そして、ここちよく。

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