見出し画像

【育児】寝なくてもパフォーマンスを出せる力はコンサルだけではなく赤ちゃんを持つ親にも必要かも

某大手コンサル会社に勤める友人が以前「コンサルとしての優秀さとは、タスクを素早く処理できる力というよりは睡眠を取らなくてもパフォーマンスを落とさずにいられる力である」と語っていて、なるほどそりゃデ◻︎イトは甚だブラックですなという話になったことがあった。

睡眠時間もなかなか取れぬような激務など、多くの人は避けたいと願うだろう。それだけに、自分自身の能力開発をして「睡眠を取らなくてもパフォーマンスを落とさずにいられる力」をつけるより、「睡眠を取らなくてもパフォーマンスを落とさずにいられる力が求められる職場」を避ける傾向は強い。

最近、これは割と危ない傾向であると思うようになった。広くいえば、自らの能力開発から逃げるべきではないということである。

というのも、まさに「睡眠を取らなくてもパフォーマンスを落とさずにいられる力」は、育児の過程で求められるからである。
赤ちゃんが生まれると大変だとよくいうが、それもそのはずで昼夜問わず睡眠時間を削られながら一定のパフォーマンス(ミルク製造〜授乳、寝かしつけ、おしめのスムーズな取り替えなど)を維持することが求められる。

新聞記者は基本的にコンビニのように24時間営業であることを求められるので、どう体を起こし続けるかについては割と独自のソリューションを各々が持っているように思う。
もちろん、それでずっと寝なかったら死ぬので、記者には仕事がない時にいかに休むのかという「休憩力」が問われる。私も曲がりなりに記者をやってきてうまいこと休む力はついてきた(もっとも、誇れることかは知らない)。

育児も似たところはあるのだが、いかんせん言葉も通じぬ赤ちゃん相手であるのでなかなか裁量が難しい。当方自慢の「休憩力」を発揮しかけた時に夜泣きなどとなると再び稼働し、そして朝にはだいぶ疲れてしまうなんてこともある。今更ながらもう少し真面目に能力開発をしておくべきだったと後悔している。

世の中の新米ママたちはこの仕事をほぼ毎日続けている。まさに「睡眠を取らなくてもパフォーマンスを落とさずにいられる力」をつけ、そして大手コンサルタントをも時に凌駕するアウトプットを出し続けるのである。
もちろん親や親戚の力を借りている人もいるのだろうが、逆にシングルマザーで身寄りもないなんてケースもあるわけで、さらに赤ちゃんの命がかかっているので仕事のように合法的な逃げ道があるわけでもない。

大半の仕事はやらなくても世界に大した影響もないし人は死なない。かたや育児はそうではない。否応なしに向き合うことが求められるのだ。

いわば育児はスポーツである。社会が高度化しようと、結局人間に求められるのは製造機械にもAIにもない精神力と体力だ。
時代が変われど、人間にとって本質的に求められる能力は変わらないのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?