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毒親 私の場合

実家の私の部屋の壁にかけられている一枚の絵
りすの家族が食卓を囲んでいる絵
それは 結婚をしようと心に決めた彼からの誕生日プレゼントだ。

当時、私はこの絵をみても
あまりピンとこなかった。
バカな私だ。

口下手な彼は、今はまだ無理だけど
もうちょっと待って、そうしたら僕ら結婚して
家族になって子供を作って
この絵のように暮らそうね

というメッセージをくれたんだと思う。


額縁の裏の留め金を外すと
なつかしい彼の字で
『お誕生日おめでとう』と書かれたカードも入っている。

母は、この絵が彼から送られたものだとは知らない。
実は母は、この彼と別れた後に別の人と結婚が決まったとき
私が大事にしていたこの彼との思い出の品や手紙やらが入った箱を
私の部屋から母の寝室の押し入れに引っ越しさせた
私にとっては非常にむかつく母の行動である。

それも無断で。

ある日、あるべきところに置いたその彼の思い出が入った
箱がなくなっていた。
そんなこと、母親に聞くのも恥ずかしいけど
本当に大事にしていたので
思い切って母に尋ねた。

そしたら、さも当然という顔をして
そんなものがあったら、夫となる〇〇さんに申し訳ないでしょう
と勝ち誇ったように言う。

私の所有物を勝手に無断で移動させておいて
当然のような顔をする。
あの時、私はこの母のもとに生まれたのを
心の底から呪った。
失意のどん底とはこのこと。

母自身、恋愛したことないから恋愛とか失恋とか
別れなくちゃいけない失意とか全くわからない。
過去の恋愛は大事な思い出なんだ。
しかも その恋愛をやめたことに
母が一枚絡んでいる となれば
その時、親を刺したくなっても当然だと思った。

で 口喧嘩大喧嘩して
思い出の箱は取り戻した。

箱を取り戻したその時に、母が捨て台詞を言う。

結婚するっていうのに
その箱をあけて 思い出に浸るの?

と見下して言う。

ああ 嫌だ嫌だ。
本当に嫌だ。
娘と言えど、違う人間だ。

こんな人 本当に敵だ。

でも この絵だけは、その思い出の箱に入れず
ずっと壁にかけていたので
難を逃れた。

なので、実家に帰るとその一部始終を
否が応でも思い出してしまう。

壁にかけた絵は、もう何十年も飾っていたせいで
色があせて、もともとはカラーであったりすの家族が
セピア色になり 今では白黒になってしまった。
これ以上、飾っておいては、色がなくなって
私の思い出もなくなるようで悲しくなったから

今年の夏、それを外して
押し入れの箱にしまった。

本当に好きだった
本当に真剣に恋愛した
本当は別れたくなかった
大事な彼からもらった大事な絵。

どうしても大事にしていたいから。

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