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New-Normalに向けて必要となる〇〇〇〇というマネジメント要素

各エリアでビジネスの再開フェーズが進んでいる一方で、新型コロナウイルスの感染状況によって今後の方向性や対応に関してお悩みの皆さんも多いのでは無いでしょうか。今回の状況は初めて遭遇する事も多く、プラン二ングやその体制作りに関してエネルギーを費やされている状況かと思います。

「そろそろ職場に人を戻したいが、ガイドラインに従うだけで十分なのか」「今後のプランをどの様に立てるべきなのか」「今後リモートワークを残すべきか、辞めるべきなのか」など、考えるポイントは多いのかと思いますが、今後のビジネス環境が不透明な中で、今すべき/考えるべき事や注意点についてまとめてみました。

プランニング時はアセスメントが不可欠!

現在、皆さまの方ではビジネス再開に関してどの様なシナリオを描いていますでしょうか。「クライアントのニーズに連動して動く」「政府のガイドラインに従うのみ」「周りの在米日系企業の動向を見ながら動く」「きっと何とかなるので、今は何もしない」など、様々な形があるのかと思いますが、こういったシナリオは何通り程想定されておりますでしょうか。

例えば、単純に考察したとしても、
 ① ビジネスを再開後、感染者が増加してしまい際ロックダウンとなる
 ② ビジネス再開後、感染者の増加も抑えられたものの、第二波が来てしまい際ロックダウンとなる
 ③ ビジネス再開後、感染者の増加も第二波も無く、順調にAfterコロナへと移行する
といった形で3種類のシナリオが見込まれます。

ポイントは、思いつく限りのシナリオを描き出す部分にあり、それを整理してからプラン二ングする事によってより効果的なプランになるため、書き出せたシナリオが少ない、あるいは整理が不十分な状態でプランを練った場合は、想定外の状況に遭遇してしまう、あるいは対応が遅れてしまうといった状況に陥ってしまう事も考えられます。

このアセスメントの一連が不足した状態でプランニングがなされてしまう事は少なく無いのですが、不測の事態を防ぐためにはシナリオを書き出す際は様々な方向性から検証してみる必要があるため、「何となく書き殴ってみる」だけで無く、PESTLE分析などの手法を用いる事も効果的です。

PESTLE分析に関する動画を見る

余談ですが、全ての事象に対して詳細なプランを作る事は難しいため、書き出したシナリオを整理する際はリスク分析の考え方が有効となります。まずは、Known/Unknownを整理し、リスクのProbability/ImpactとAppetite/Risk Toleranceを整理する事で、プランの方向性が一気に具体的になって来る事が期待できるからです。

リスク分析に関する動画を見る

プランニングに関しては、ロックダウン時に行われた皆さまも多いのかと思いますが、当時と現在では状況や今後の展開見込みが変化している場合が多いので、プランは「一度作成したら終わり」という事にはせず、定期的に検証を行って都度アップデートして行く事が推奨されます。

情報収集と対応は「誰が」「何を」「いつ」行うのかを決める事が重要!

シナリオを描き出し、プランを練る際に情報収集は欠かせませんが、皆さまはどの様に行われていますでしょうか。CDCやOSHAを始め、州や地方自治体ごとのガイドライン、感染状況や企業の対応に関するニュースなど、気にするべき情報が多くある他、タイムリーに情報入手をする必要があるため、非常に負担の大きな作業なのかと思います。

また情報収集に加え、職場のソーシャルディスタンシングやPPEの設置など、ガイドラインに従うために行う対応も発生している中で、組織としてやるべき事が通常時よりも増えている状況ですが、誰が責任を持って、何をいつ行うのかという事が明らかになっていますでしょうか。

責任者が決まっていない場合は「立場的に責任のある人」または「色々な事に気付いてくれる人」などの一部の人に負担が偏ってしまう、行う事が決まっていない場合は常にアドリブで対応する事になってしまう、いつやるべきなのかが決まっていない場合は常に気にしていなくてはならない、などという事が起きてしまうかもしれません。

そういった疲弊が起きてしまう様な状態では、従業員対応の体制が長続きしない事や、クオリティ低下によるミスの発生など、組織として不安定な状態になってしまう可能性もあるので、注意や配慮が欠かせない部分なのかと考えられます。

今やるべき事を見る

マネジメントには交通整理役が求められる!

Afterコロナに向かうにあたりNew Normalというものが気になりますが、これは一般に「今までの働き方にリモートワークが何らかの形で存在する」といった働き方になり、リモートワークが「役割」によって認められるのか、あるいはVacation休暇の様な「ベネフィット」として用いられるのではないかとも言われています。

また、Google社やIndeed社が完全なWork from Home状態を2021年の6月30日まで延長するというニュースもありましたが、各社で今後も変則的な勤務体系を続ける事が見込まれます。

Google社のニュースを見る
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また、各ガイドラインで「今後も可能な限りWork from Homeを推奨する」とされている事や、現在の感染状況を鑑みると、やはり全員が出社する形にはならないのかと考えられます。

ガイドラインを見る

そのため、働き方に対する取り組みが今まで以上に重要なものとなっていますが、皆さまの所ではその様な体制を取られていますでしょうか。多くの所では、駐在員マネジメントの皆さまを中心にHRなどの部署と連動して動かれているかと推察されますが、今回のコロナの件では、やはりレギュレーションやガイドライン、アメリカの労働慣習などが深く関わって来るため、社内にHRがいるのであればそれは大きなメリットになるのかと思います。

ただし、HRの専門領域は細分化されており、大まかには労務管理と組織の戦略作りという要素がある中で、HRであったとしても組織戦略や働き方の専門性を持つ人ばかりでは無いため「ウチにはHRがいるから大丈夫」という事にはなりません。つまり、プランを考える役割や、それを実行する役割が誰になるのかという事を明確にし、その交通整理役の人に関しても明確にする事が非常に重要となって来るのですが、その部分こそがマネジメントに求められる役割になります。

交通整理を適切に行うためには、何よりも従業員各々の役割をハッキリさせる事が欠かせませんが、これは今までの職務だけでなく、コロナ対応のために発生した職務も含めて明確にする必要があります。また、今までの様に同じ場所に集まって仕事をしていた状況とは異なり、従業員がどこで困っているのか、あるいは問題発生しているのかどうかといった部分が把握しづらくなるため、今までとは異なる進捗管理や状況共有の仕組みが求められている状況です。

この「進捗管理や状況共有の仕組み」が各組織にとって最も必要なものであり、それは一時的なものでは無く、コロナ禍が明けてNew-Normalに移行した際も用いられ続けるものになると考えられるため、この機会に改めて取り組まれてみてはいかがでしょうか。(文責:Kimihiro Ogusu, SHRM-SCP)


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