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私のお店の余命

「最悪の場合、あと半年ですね」

...

東京の武蔵小山で小さな喫茶食堂 kenohi を営んでいるひかると申します。

この状況下で、

・やったこと
・これからやること
・思うこと

を書きます。

1.やったこと

・いつまで生き残ることができるのか試算

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現状を把握しました。
なんとなく思っていた期間と一致したことに少しだけ安心しました。

テイクアウト販売 & 入店人数制限をかけたり、近隣の方限定で、換気をしながら店内も営業しているので、
いま現在が無収入というわけではありません。

が、最悪の場合...無収入だった場合にどれくらい生きることができるのかの確認です。

長期戦(半年~1年を想定)を乗り切れるか、ギリギリだと感じました。

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幸いにも、在宅勤務が増えた影響で2-3月はお客さんが多かったので、非常に助かっています。
「リモートワークしやすい」「ほっとできる」場所を作ることができてよかった、などと思ってしまっていました。

その時点で、危機感をもって、いまやっていること(入店人数制限や換気の強化)をやったほうがよかったはず、という後悔もあります。

正直に言って、強い危機感を覚えたのはここ1-2週間のことです。
浅はかだった。

・お弁当販売の開始

これまでも、お弁当販売を希望してくださる声はありました。

僕はkenohiの空間や、そこで過ごす時間、体験が価値だと思っていて、
それを楽しんでくださるお客さんたちがいるからこそ、
お金を払う価値のある良い空間/時間/体験をともに作ることができていると思っています。

なので、やりませんでしたし、これからもやるつもりはありませんでした。

しかし、そうも言っていられなくなりました。
都知事の自粛要請が出てすぐに資材を発注し、
3/28からお弁当販売を開始しました。

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この間書いた記事のコメントを読んで、販売に対して前向きになれました。本当にありがとうございます。(次の項目にリンクを載せます)

自宅でのお弁当でも、kenohiの空気感を思い出してくれたらとても嬉しいです。

1度でも来てくださったことのある方限定で売っていきたいですが、どこまでできるだろうか...。

・お客さんへの告知

・営業形態の変更について考えた

お弁当販売も含みますが、営業形態について「考えました」
いや、考えている、迷っているところです。

-決めたこと
 お弁当販売開始
 お客さん同士の距離確保のための入店人数制限
 換気の強化

-迷っていること
 a.店内営業の自粛(停止)
 b.営業時間の短縮
 c.感謝祭(貸し切りイベント)の実施可否

- a&bについて
これは非常に悩ましいです。
「外出しないべきだ」「人と接することは控えるべきだ」
だから「在店禁止」がベスト、理想だと思います。

一方で経営/経済的に、
「いま閉めて、いつ開けられるようになるのか?」
「急にはじめたテイクアウトだけでやっていけるのか?」
という不安も大いにあります。大きすぎるくらいに。

その、今のところの結論が、「入店人数制限」でした。

個人的によく見かけるのは
営業時間の短縮をされるお店です。(実際に多いかはわかりませんが)
僕の考えとしては、(それだけでは)「意味がない」と思っています。

・短縮した分、お客さんが集中する可能性がある(密集)
・そもそも短縮して、何が変わるのか

理解できていません。ご存知の方がおりましたら、教えていただきたいです。

同様の理由で、「土日だけ」営業形態を変更することにも疑念があります。
平日も、土日と同様に入店人数制限は続けようと思っています。

みんながやっているから、反感をもたれそうだから、
ではなくて、意味のある対策をしたい。
なおかつ、生き残りたい。

- cについて

これは来週末に状況を見て決断しますが、
気持ちよく実施したいので99.99%延期にします。

2. これからやること

・収入を得る方法を洗い出す
・支出を減らす方法を洗い出す

これらにつきます。

・収入を得る方法を洗い出す
賛否両論あるものも含めて、今思いつくのは下記です。
できること色々ある。

・1人客(+同居人も可)に対しての店舗貸し(時間貸し)
 - リモートワークスペースとして

・テイクアウト販売の強化
 - ウーバーイーツ(できればやりたくない)

・オンライン販売
 - コーヒー豆などを想定

・クラウドファンディング関連
 - まだ早い

・お悩み相談ビデオ電話
 - きっとみんな話し相手は欲しい(既存のお客さん向け)
 - 無料でやりたい気持ちが強いが...

・広告収入系(ライブ配信、動画配信)
 - YouTube動画はもはや二番どころか十番煎じ感あるが

・クラウドワークスやランサーズ等
 - できる仕事がどこまであるかわからないけど

・note活用
 - 有料に値する記事を書く

・商品券販売
 - どうしても目の前のキャッシュがなくなったら

・借りる
 - どうしようもなくなる1歩手前くらいのタイミングで融資を受ける

・支出を減らす方法を洗い出す

・在庫の消化に努める
 - あんまり買わないようにする
 - 在庫消化できる新メニューの開発(冷凍ご飯を使ったリゾット、使っていないが店舗にある食材や調味料を活用できる何か)

・減らせる固定費は減らす
 - 家賃交渉
 - 優先度の低いサービスの解約

3.所感、あとがき

今抱えている不安は、
・経済的なもの
・精神的なもの
の2つに分けられそう。

お金を突き詰めて減らして、経済的には良くなったけど、
精神的にボロボロになる、といったことはしたくない。

いつ終息するかわからない中で、自分はどれくらいもつのか。
さきほど余力を把握したことで、
それだけでも少し安心はできて、よかったです。

また、経済的な部分だけじゃなくて、精神的に世の中のためになるかもしれないことも考えて実行していきたい。下記の記事のような。

とにかく、
・自分でどうにかできること
・自分でどうしようもないこと

を分けて考える。
後者については考えても仕方ない。

今自分ができることだけに目を向けると、「お、けっこうあるかも」と思える。

楽観してはいけないが、悲観しても意味がない。
フラットにいきたい。

そして、どうせやるなら前向きに。
これを機に新しくできることが増えるかもしれないですし。

どの業種/規模 においても、
事業主も、従業員も、主婦も、みんなが、
自分の可能性を考える機会なんだと思います。


...この記事は、どこまで赤裸々に(特に不安について)書こうか迷いました。

この機会ではじめて、「経営者」としての自分を意識しました。
「店主」ではなく。

そもそも、非常事態にどう立ち回るか、考えておくべきことだったなあ。
言っても仕方ない(言っちゃったけど)。

考える時間が少しはとれるだけの、
運転資金融資を創業時に受けていてよかった。

不安って伝染すると思うのです。
できてないときもあるけど、店内では絶対に暗い顔なんてしたくない。

お客さんを、ほっとさせてあげたい。kenohiでくらいは。
「日常」を感じてほしい。お弁当であっても。

今は強い気持ちで、前向きです。
どうか自分よ、折れないで。
いや、折れてもいい、立ち直り続けよう。

kenohiを延命させるために。


読んでくださった方、ありがとうございました。

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