これからの、わたしとkenohiについて
"日常を整えられる空間と食事を。"
このコンセプトを掲げて、これまでkenohiは営業してきました。
およそ2年半営業するうちに、コンセプト≒大事にしたいことの解像度が上がってきました。そして「これは"らしくない"んじゃないか」「もっとこうしたいな」と思うことが出てきました。その「こうしたい」は、時にはkenohiの営業としては やりづらいこともありました。
また、現状の運営の仕方に対して体力的/精神的に無理を感じる部分も出てきました。
・コンセプトを、より明確に、大事にするために
・私がご機嫌に、続けていくために
これから、変えることがあります。
※営業再開日や、新しいメニューブック等、まだ完成していない部分もありますが...取り急ぎ書きなぐりました。
これから変えること(1):営業日時について
※追記:10/20(水)より営業再開いたします。
【営業日時】
●kenohi
営業日 :水~土 (日~火 定休)
営業時間:10:00~21:00
●see you in the morning
・間貸し営業
・日月 7:00~11:00
・kenohiにて、朝ごはんのお店が10月31日より営業開始します。
●あわいの時間
・わたし個人としての活動
・日曜午後、予約制。
【変更点】
・新たに、火曜日をお休みにします。
・都内の要請が緩和されたので、営業時間を少し後ろ倒しにします。
・新たな間借り営業が始まります。
・わたし個人の活動を始めます。
わたしにとって、kenohiとは。
わたしは、これからどうしたいのか。
いま、嫌だと感じていることはなんなのか。
そんなことを考えました。
これからは、家族との時間を増やしたり、新しい仕事を始めたり、移住の準備をしたりします。kenohiの中ではできなかったことを「わたし個人」として始めます。
これまでは、kenohi=わたしの生活のすべて でした。
わたしのライフステージが変わり、大事にしたいことが変わり、これからのことを考え、こうなりました。
余裕を作るために、kenohiの時間を減らす。
※追記
10/31(日)よりkenohiにて see you in the morningさんの営業が始まります。
・毎週日曜&月曜:7:00~11:00
" 一日のはじまりのごはんがおいしいと ちょっといい気分でその日がはじまる気がする"
お店について素敵な想いを文章に綴られていますので、ぜひアカウントを覗いてみてくださいね。
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(1)役割として
kenohiには「わたしとお客さんの関係性の入口」という役割があることに気づきました。
kenohiは、どのお客さんに対してもフラットでありたい。
だから営業中は、関係を深めたいお客さんに対してもあまり踏み込み(め)ません。
kenohiは、気軽に利用できる場所でありたい。
これまで通りふらっと立ち寄れるお店にします。
わたしと話したい人、ゆっくりしたい人、食事をしたい人、kenohiの珈琲が好きな人。飲食店であることで、色んな人と接点を持つことができます。それはこれからも変えません。
一方で、わたしが一歩踏み込みたかったり、或いは わたしともっと話したいという人もいるかもしれない。
だから、わたし個人としての活動日を作ります。
(2)日常とは
日常といっても色々あると、この休みの期間に気づきました。
・ふだん:日々の繰り返し。いつも通り。
・理想の暮らし:早起きして、きちんとご飯を食べて...。
また、日常と非日常の間は分断されていない。
「間=あわい」がある。緩やかに移ろったり、ひっくり返ったりする。
「こんなはずじゃなかった!」
そんなお休みをわたしは過ごしました。昼夜逆転、自宅にこもって食べて寝て。
もっと有意義で活動的なはずだった。行きたいところに行き、会いたい人と会い、やろうと思っていたことをどんどんやるような、ありたい日常ではなかった。
・ふだんの暮らしを整えるための、時間や空間=kenohi
・理想の日常に移ろうための、時間や体験=あわいの時間
そんな風に分けていこうと思いました。
もちろん0か100かではなく、kenohiの営業の中で理想の日常への移ろっていく人もいるでしょう。それは一向に構いません。むしろ嬉しいことです。あくまで、私の運営方針として分けるということです。
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では、わたし個人の活動日に何をするのか。
新しい日常を提案したり、その移ろいのサポートをしたり、わたしの日常に巻き込んだり。
【検討していること】
・kenohiで面談:あなたのお話を聴きます。
- kenohiの営業をしていないので、集中してゆっくり聴くことができます。
・わたし個人として、オンラインの発信を増やします。
- わたしが気になる人と、インタビューや対談をしたい。
- それを記事/ライブ等で発信したい。
・予約制:読書会や、もくもく作業会。
- 集中して作業をする会の日
- 自分で、時には人を招いてワークショップやテーマを決めてみんなで話し合う会もやりたい
・近所の公園をお散歩したり、写真を撮りに行ったりしたい。
月ごとに予定を決めて発信し、予約制でやってみます。
売上がどうなるかというのは分からないですし、そもそも採算を考えていません。
kenohiを始めたおかげで出会えた人、仲良くなった人。
それこそが、わたしにとって一番大切で何よりの財産だと感じます。
いつか、わたしが困ったとき、大変な時に...なんとなくですが、10人20人でも「助けるよ!」という人がいてくださったら、生きていけると信じています。というより、そうやって生きていきたい。
だからといって、やみくもに話かけたり、媚びをうったり、余計なお世話をしたりはしません。
ただ、今のkenohiだけだと関係性ができるかどうかは「お客さんの積極性頼り」になっています。それは、とても勿体ないと感じていて。
様々な活動を通して、わたしに興味を持ってもらう切り口を増やしたり、踏み込みやすい機会をつくったり、一緒に何かをうみだしたり。
その結果として、お互いにとって より心地良い関係が築けたらいいなと思っています。
これから変えること(2):kenohiの営業について
次に、kenohiの営業について。
これからは「お一人さま」のためのお店にします。
【大事にすること】
・日常のなかで、一人でふらりと来られる場所
・家ではし難い、一人のゆっくりとした時間を過ごせる場所
・わたしに体力的/精神的/時間的に余裕があること
【辞めること】
・2人以上での初回来店を不可にします。
- ご来店いただいたことがある方に限り、予約制でご来店可能とします。
- 打合せや商談でのご利用は不可です。
・営業中の買い出し。
【始めること】
・kenohiらしい振る舞いをしたくなる、空間づくり
- カウンター席に、お手紙セットやおすすめ本、スマホ置き場の設置
・買い出しと仕込みを定休日の火曜日に行い、営業中の負担を減らす
- そもそも買い出しを極力無くすために野菜を配送してもらう(友人の農家から無農薬無化学肥料のものを仕入れます)
元々、お一人でいらっしゃる方が多いお店ですが、二人以上でいらっしゃる方ももちろんいました。
皆が皆、というわけではありませんが、二人以上になると次のようなモヤモヤが発生することが多かったです。
・時に大声での談笑、下世話な話(主に商談?)が聞こえる。
・完全にお二人の世界に入っていて、周囲に配慮がない。
・「話せる場所ならどこでもいい」という姿勢を感じる。(悲しい)
要は周りが見えていないと感じることが多く、そのためにお声がけをすることが苦痛でした。
一方で、気持ちよく過ごしてくださるお二人もいます。kenohiを大事にしてくださっていることが伝わる方々。すごく迷った結果、決めたことです。
お二人OKにすると、ルールだらけになりそうでした。だから、お一人さま限定にします。それに、kenohiの提供する価値をもっとも感じてもらいやすいとも思います。
一つ、誤解されたくないのは「kenohiは絶対に無言で静かに過ごすお店」ではないということです。お客さん同士の会話、わたしとお客さんの会話はあってよいのです。気づけば、みんなで話しているというシーンもよくあります。嬉しいです。
むしろ、それぞれ一人で来るからこそ周りに目が届き、自然な距離感の繋がりも生まれやすいと思っています。いや、繋がるというよりは「重なる」のでしょうか。ほりけんさんの表現がしっくりきます。
思い思いに過ごしてもよし、時には会話をして、またそれぞれの時間に戻ってもよし、です。「関係性の入口」というkenohiの役割にも合っている。
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ルールだらけにしたくない、というのに関連して「空間づくり」について。
パソコンでのお仕事も、スマホを触ることも、禁止にしたくない。そもそも、一概にNGにしたいとも思わない。
「また、スマホばっかして」
と言われてイラっとした学生時代の記憶もあります。ニュース見てるんですけど...アプリで勉強してるんですけど...。スマホでも、いろんな使い方がある。
お仕事をする方も、目線も合わさず「コーヒーで」なんて言う方は、いません。お仕事の合間にお話してくださる方もいるし、「ここは集中できて、本当に捗るよ」と言われたら嬉しい。
でも、せっかくkenohiに来てくださったなら「良い時間だったなあ」と思ってもらいたい。
お仕事する方のように、目的を持っていらっしゃった方はそれでいいけれど、そうじゃない方が、より良い時間を過ごせるように。
「kenohiで過ごす1時間だけスマホを置いてみよう」
「お手紙書こうかな」「この本、読んでみようかな」
ふと、つい、したくなるようにできるかもしれない。そうしたい。
押し付けない方法で、仕組みで、これから考えてみます。
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「ちょっと買い物行ってきます!」
慌ただしく、営業時間中の隙間に八百屋さんに行くことが日常でした。
それでも、お店を開けていたかったから。
頭に浮かんだ時に、いつでも来てもらえるお店でありたかったから。
これは辞めます。心の余裕がない状態で営業をする自分が嫌だからです。
「忙しそうだな~」と気を遣われたくない、暇そうに客席で本を読んでいたい。
そして、どうせ配送にするなら近所である必要はない。
応援したい、想いをもって野菜を作っている、お金を渡したい友人から買うことにしました。
これから変えること(3):メニュー
元々、kenohiは「自分が欲しかったお店」「自分だったら嬉しいことを詰め込んだお店」として作りました。
でも、2年半営業をして「これは違った。変えた方がいいかも」と感じつつも、経営的な不安(客単価を上げたい、幅広いニーズを拾えるようにしておきたい等)から続けてしまっていた部分がありました。
また、昨年から「2時間1オーダー制」を導入したにもかかわらず飲み物のサイズが大きいままで、召し上がっている途中にお声がけをすることもありました。
売上の優先順位を下げ、より居心地の良い空間にしたい。
【メニューの問題と解決方法】
・量が多く、おいしく飲み切るのがしんどい飲み物がある。
→チャイやカフェオレ等、量と値段を少し下げます。(550円で、コーヒー等500円ドリンクと同じ分量に)
・小腹が空いたときに、頼みやすいメニューが少ない
→定食やカレーのハーフサイズ(名称未定)を作ります。また、気まぐれケーキにもハーフサイズを作り、注文しやすくします。
・kenohiとして「提供しなくても良い」ものがメニューにある
→「とりあえず書いていた」だけのミックスナッツ、一部のアルコールメニュー等をやめます。
・調理に負担のかかるメニューがある
→ツナポリタンや焼きおにぎり等をやめます。
「このメニュー、あの人が好きなんだよなあ」
と頭をよぎり、悩ましい決断ではありました。
一方で、これまで提供していなかった紅茶(ストレートティー)を新たに増やす予定です。
「kenohiで過ごしたい」ときに、メニューが妨げにならないように。
ご飯を食べたい、飲み物を飲んで一息つきたい、甘いものを食べたい。
それぞれの種類は少ないけれど、例えば「kenohiに行きたいけど、お腹空いてるし食事できる別の店にしよっと」「kenohi好きだけど、珈琲飲めないのよね」そういったことに対応できるようにメニューの構成を考えてきた。
同じように「甘いもの食べたいけど、たくさんは食べられないからなあ」とか「チャイ好きだけど、多いんだよね」を、なくせたらいいな。
以上です。
長くなってしまったので、細かな思考プロセスだったり、お休みの期間に感じたこと、考えたことは別記事に書きますね。(元々そのつもりで、結論だけ書こう、kenohiのこと中心に書こうと思っていたのに...長い)
※書きました
kenohiってなんなんでしょうね。飲食店、カフェ、喫茶店、食堂、図書室、自習室、ワークスペース、憩いの場、集会所。どれも当てはまる。この休み中考えたけれど、分かりませんでした。
これから、もっとよく分からないお店になるかもしれません。
その方がおもしろいね。
読んでくださった方、ありがとうございました。
kenohiという小さな喫茶食堂を運営する中で思うことや考えていることを書きます。もし、万が一、応援したいと思ってもらえましたら、サポートいただけると嬉しいです。