kenohiのコンセプトを解説してみます
こんにちは。
東京の武蔵小山で小さな喫茶食堂 kenohi を一人で営んでいるひかると申します。
今回は下記について書きたいと思います。
[メイン]
・kenohiのコンセプトの解説
- コンセプト解説
- ターゲット、その課題、それに対する価値提供について
[ちょっとだけ]
・今後やりたいこと
・今後やらないこと
前置きですが、色々考えてkenohiを作った結果、
色々な人が、色々なシーン、色々な目的で使ってくださっています。
それは、良い面も悩ましい面もあります。
今回はそんなようなことを書きます。
1. kenohiのコンセプトの解説
▼コンセプト:日常を整えられる空間と食事を。
▼解説
(前提として、店名の「kenohi」は「ケの日(日常)」を表しています。
つまり、日常をテーマにしたお店です。)
実は最初のコンセプトは「家よりも居心地の良い空間を目指して、あなたの日常に寄り添うお店」でした。
ただ、「家よりも」という、「何かを下げてkenohiを上げる」ような表現にはずっと違和感を持っていて、変えたいと思っていました。
kenohiらしくない。
伝わりやすさ、興味の引きの強さはあったとは思います。
ホームページ制作にあたり、金本さんや大石さんと話しながら、今のコンセプトになりました。(ホームページ制作については下記をご覧ください)
[1]
まずは、インナーミッション(僕が目指すもの、提供したいこと)を決めました。
僕は「上下関係」「損得の関係」をお客さんと構築したくはありません。
対等な関係を築いていきたいという思いがあり、「お客様」ではなく「お客さん」や「あなた」と呼ぶことに決めました。
たとえ少なくても、kenohi(あるいは僕)の想いや提供していることに共感してくれる人とkenohiを作っていきたいです。
過剰なサービスは絶対にしません。下手(したて)にもでません。
[2]
インナーミッションをもとに、外向けにどう表現するかを決めました。
それが、いまのコンセプトです。
「整える」という言葉がすごくしっくりきていて気に入っています。
ただ、それだけ伝わりづらさがあるなと感じて、具体的な利用シーンをいくつか書きました。
整えるとは、気持ちや心の「整理」や、生活を「整理」(仕事や勉強、予定を立てる、などやらねばならぬが、家だと難しいことを落ち着いてできる)ことを意図しています。
[3]
コンセプトをビジュアル化しました。
kenohiは逃げ場ではありません。
kenohiで何かを整えて前に向かう分にはいいのですが、
つらい日常で消費した気力を、kenohiで回復して、またその日常に戻っていくような、そんな気休めのような場所にはしたくありません。
そういう意味で、単なるループのイメージではなかったのです。(下記は最初のイメージ図)
[4]
コンセプトを実現するために、
どうありたいか、どうありたくないかを決めました。
kenohiは「消費」されることを望みません。
プロダクト(飲食物)を店のウリにもしません。
kenohiの一部分を切り取った形で気に入ってくれる人ではなく、
その全体を気に入ってくださる人と、歩んでいきたいです。
2. kenohiは「誰」のどんな「課題」を「何を」提供して解決するのか
誰にでも(一部例外あり)来てほしいです、もちろん。
でも、誰でも来てください!というお店は特徴がなく、ありきたりになり、誰も来ません。
「あ、わたしにぴったりのお店だ」
と思ってもらいたいし、そう思った人に来てほしい。
なので、ここは凄く考え、悩んだ部分でもあります。
決定するまで、半年ほどかかりました。
逆に、
2(誰のどんな課題を解決するために何を提供するのか)と
1のコンセプト(具体的にどうやって提供するのか)さえ決まれば
店名、価格帯、メニュー内容やお店のインテリアなど、具体的な部分は自然に1,2に紐づいて決まっていきます。
・「誰」...上京してきて、一人暮らしをしているkenohiの近所の人(自転車で15分圏内)
・「課題」...家だと居心地が悪くて、落ち着いて考えたり実行したりできない
- 一人で暮らしていると家でダラダラしてしまう
- あるいは、やらなければならないこと(家事等)が頭に浮かんでしまって落ち着かない)
・「何を」...いつまでも落ち着いて過ごせる空間
端的に書くと上記のとおりです。
上記から紐づいて、様々な日常的な利用シーン(仕事/勉強/読書/食事/夜利用(ノンカフェインの飲み物))を想定して、具体に落としていきました。
結果として、想定している方以外の方も来てくださっています。
小さなお子さんといらっしゃるママさん(ベビーカーOKで、子供にも安心して食べられる食事がある、ノンカフェインの飲み物がある)が特に、想定外でした。(とても嬉しいです。)
このコンセプトに至るまで、紆余曲折がありました。
「あてにいこう(広そうなマーケット、多そうなニーズに合わせよう)と考えた時もありました。
結果としては、「僕だったらこんなお店がほしい」「僕はこんなことで困ったなあ」という実体験を反映した形になりました。
自分と同じように困っている人に向けて作りました。
正直怖かったです。僕みたいに思う人は本当に存在しているのか。
でも、あてにいっていたら、「やりたいこと」「実現したい世界」のためにお店をやるのに、やれていないことになり、、あれ?と思い、大方向転換しました。
今は、それでよかったと思っています。
なんとなくで作ったり、あてにいくようなコンセプトのお店には愛着を僕自身が持てなかったと思いますし、それでは続けられません。
だから、ターゲット/課題を明確にして、それに自分が強い共感や情熱が持てるのか、考えて作ってよかったです。
(さいきん、スマイルズさんの本を読んで激しく納得しました。。)
3. 今後やりたいこと、やること
短期的には、ほとんどないです。
中長期的には、ちょこっとあります。
kenohiの運営については、5年くらいを一区切りにしていて、
それからどうするのかは、それまでに決めます。
それまでに、
意味があるかわからないこと、無駄なことをたくさんして
多様な人たちに触れて価値観や考え方を広げていきたいです。
・短期的...
- wifi無料貸し出し(たぶん1月中には)
リモートワークをされる方が、より快適に過ごすことができると思います。
平日の売り上げ強化の側面もあります。(利用状況、お客さんの変化を見ながら、利用に制限を付ける可能性もあります)
- 定休日を週2日つくる
・中長期的...
- ゲストハウスをやりたい
- 地方都市でお店をやってみたい
- 地元関西にお店を出したい
- 小規模カフェの開業支援をしたい
本当に、ぼんやりとしかまだ考えていなくて。
目の前のkenohiが楽しいです。
ただ、いま持っているスキルの切り売りだけでは先細りするし、
それでやってこれているのは「27歳」という若さに頼っている部分もある気がします。
順序としては、
1.まずはkenohiを安定化して
2.金銭的/時間的/体力的な余裕をつくり
3.新たな興味の種を探す/育てる
4.その結果...まだわかりません
2までを、2020年にやれたらいいなあ。
4. 今後やりたくないこと
今後、というより元から決めていたこともあります。
・お菓子を6種類以上置かない作らない(仕込み減らして体力を確保)
・kenohiと合わないイベントや仕事は受けない(僕が気持ち的にしんどい)
・お客さんのメンタルケアはしない(僕も暗くなるし、依存されたときに責任をとれない)
・食事のテイクアウト販売(空間あってのkenohi。売上をつくる最終手段ではある。飲み物とお菓子は暫定的に、やります。)
5. おわりにかえて:kenohiと店主ひかるについて
▼kenohiについて
2019年4月にオープンした小さな喫茶食堂です。
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「日常を整える空間と食事」を提供しています。
「一人ひとりの日常に寄り添うような場所をつくりたい」
その想いで小さな喫茶食堂 kenohi をオープンしました。
家をはなれてゆっくり本を読みたいときや
ひとりで考え事をしたいとき。
ちょっと残った仕事を片付ける夜でも
遅めに起きてのんびりしたい休日の朝でも。
何にもない日、何をしたいかわからないとき。
「とりあえず kenohi に行こう」
そう思ってもらえるような場になれたら嬉しいです。
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・業種:飲食店(席数12席)
ざっくりいえば、がっつり食事もできる喫茶店です。
- ドリンク およそ500円~600円
- 食事 およそ850~900円
- お菓子 およそ300~600円
・立地:武蔵小山駅から徒歩7分の平和通り商店街内に位置します。近くに小学校や公園がある住みよい住宅街です。
・SNSは主にInstagramとnoteを更新しています。
noteでは、毎月の収支報告や、kenohiで行うイベントや変更点など、考えていることなど投稿しています。月に1-2回投稿。
インスタグラムは営業日には毎日投稿します。その日の定食の内容やお菓子の紹介、写真展や臨時休業告知など。
○インスタグラム
○ホームページ
▼店主ひかるについて
大阪府吹田市生まれ。神戸大学卒業。六本木のITベンチャー企業への就職を機に上京。3年間働き、退職。現在社会人4年目の27歳男性です。
kenohiをはじめた理由は下記にまとめています。
ちょっと恥ずかしいくらい、パーソナルな部分まで書いたつもりです。
もしご興味を持っていただけましたら、スキ/フォローいただけるととっても嬉しいです。コメントも大歓迎です。
ジャンル問わず、ご相談も歓迎です。
kenohi.htアットマークgmail.com まで。
以上です。
ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。
kenohiという小さな喫茶食堂を運営する中で思うことや考えていることを書きます。もし、万が一、応援したいと思ってもらえましたら、サポートいただけると嬉しいです。