軟弱に生きよう……
拳を握りしめ、歯を食いしばって邁進する姿……アニメでなら、僕もつい夢中になる世界かも知れないが、実際はマッピラ御免だ。
疲れたら、休めばいい……
今やる気がなければ、やる気が出るまで待てばいい……
眠たいなら、そのまま寝ていればいい……
……てな訳で……
老荘の徒を自認する身として、つい「老子」の一部を僕なりに意訳してみました……
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学ぶなんてアホをやめれば、不安は吹っ飛ぶね。
「もし」と話しかけるのと「おい」と言うのと、どんな違いがあるのか。
お行儀の良いも悪いも、違いなんてないね。
人が避けるようなヤバ系からはとんずらはするけど、
この広い大地の中心には届かないよ。
世間の連中が楽しそうに生きてる。まるでご馳走にありついてるよう。物見から花見してるようにも見えるね。
私はボーッとしてるだけで、そんな兆しもないし、笑いも知らない赤子みたいにボロボロに疲弊して、帰る家もない無宿みたいなもんさ。
世間の連中には貯えとかあるけど、私一人文無しさ。やれやれ、私はなんとアホで、心は暗い。
あいつらは偉いよ。私一人だけがバカなのさ。
あいつらはシッカリしてるよ。私一人だけがグズなのさ。
私の人生なんぞ波のまにまに漂って、浮いたり沈んだり。風のまにまにフラフラさ。
世間の連中はみんな恵まれてるのに、私一人だけ意地っ張りで垢抜けない。
そんな私が他人と決定的に違うのは、お袋(注 実際の母の意ではない)の恩寵を受けて、生きること自体を大切にしてるからさ……
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老荘的思想では、固く、強く、勇敢かなモノよりも、軟弱で臆病なモノを称える。
どんな名剣でも、折れる時はある。しかし、軟弱のチャンピオンである水は決して折れることはない。熱せられて水蒸気になっても、雨として戻ってくる。折れて、錆びついた名剣を足下に見ながら……
貧乏人です。創作費用に充てたいので……よろしくお願いいたします。