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貧乏人の爆買い

 ここ何年間……金欠という事情もあって、あれも削り、これも削り……ついては、衣料品などは全く購入してこなかった。

 Tシャツからジャケット、はたまた、下着類からソックスまで、全くである。
なにもかも、去年の、あるいは一昨年の着回しとあれば、はて、……どういうことになるのか?

 まずソックス……これはほとんど、踵とつま先の区別もつかないほどに伸び切って、単なる布の袋という体裁なのだ。靴を履いてしばらく歩いているとズルズルと脱げてくるし、穴まで開いてくるのだから、我ながら悲しくなる。

 トランクスなど想像にお任せしたいが……ま、見えないんだから、と開き直っていたくらいである。

 当然、ジャケの類いも、少しは許せる冬物を除けば、ヨレヨレの型くずれ……元来安物とあれば、ビンテージなぞと気取るも憚られる。

 やがて春も本番……これを先途に衣替えとあれば、少しは奮発して、衣料品にカネを回すも止むを得ない。

 取りあえずはトランクス、序でソックス、夏を睨んでのTシャツ……バイト用のパンツ、ま、この手はUNIQLOで十分だろう。

 しかし、ここで気の緩みが出たものか……バイト用と普段使いが同じでは、どうも許せない。
 同じTシャツでも、少しはオシャレな方がいい。気づいたら、某セレクトショップの奴を三枚ほどポチっていた。オーバーサイズを馬鹿にしていたのに、ついついワンサイズ上を注文しているのだから……我ながら情けない。

 このあたりまで来ると止まらない。春用のデニムジャケ欲しくなる。ZOZOで見てゆくと、定番のリーバイスのトラッカージャケが気になる。インディゴの奴は以前着倒しているので、色違いはと見てゆくと……おお! 墨色っぽいのがご機嫌であった。
 さっそくポチる。
 届いてみれば、サイズもピッタリ(リーバイスはアメリカサイズなので、日本のMはあっちのSに当たる)、色味もイメージどおり!

 ここで止まればいいのだが……おいおい、同じジャケのオリーブもなかなかなのだ!
 そう。墨色のジャケならパンツは黒でいいが、インディゴのパンツに合わせるならジャケはオリーブだろう。
 てなわけで……叉もポチっ!

 待てよ、そう言えばインディゴのジーンズでお気に入りだったApril77……これは今では製造中止の奴で、すでに限界が来ている。

 ジーンズと言っても、即リーバイスましてやUNIQLOと行かないところが、僕の悪いクセである。

 そう。スキニーでは定評の「ヌーディージーンズ」!
 おお、これは神の加護か。普通は26000円位の奴が、流行りでないせいか14000円のセール! しかも、ジャストサイズの26インチが残り1点! これは買うしかないだろう。

 又もや、ポチっ!

どうやらZOZOにして、当方を「カモ」と認定したものか……個人限定の値引きで「ヌーディージーンズ」の黒を進めてきたが……(本当は欲しいのだが……)

 さすがに……

 気がつけば……財布はカラッポのていたらくであった……

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