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ビジネスからの学び 市場(いちば)

若い頃、家族で鮮魚店を営んでいた。約10年、いろいろな思い出があります。とても忙しく、子供とあまり遊べなかった。だから、子育ては家内に負うことが多かった。

ボクなりに思う「市場」について記す。

1、出荷市場

 いわゆる名産地と言われる市場だ。港がある。海の強者が、大量の魚を捕獲する。そして、丁寧に選別する。早朝より、競人と仲買人が競り(セリ)を行う。
 仲買人は、競り落とした鮮魚をさらに小分けにして全国各地に出荷する。さなから、株の相場のごとく。これは、すでに漁師から無線から始まり、市場で水揚げされる前から情報戦線だ。
 概ね、5kg・8kg・10kgのスチロールの箱や樽で出荷される。カツオは、ウロコがなく身が柔らかいので逆さ樽とい特殊な樽だ。マグロの子も。
 箱のサイズは合理性がある。アジは約100g、つまり5kgでは50尾・10kg100尾。サンマは200gなので、8kgでは40尾。こんな感じで利用し小売店へ売りやすい工夫がなされている。またイカは同じ箱に、何バイ入るかで価値が決まる。
 また、この市場は仲買人は小売業者にほぼ卸すことなく、中央や地方卸売市場へ出荷する。

2、卸売市場

 ここは、小売店が主に仲買人から鮮魚を購入する市場だ。ここには必ずしも漁港を必要としない。市場としては後発的な存在だ。簡単に言えば、仲買人から小売が鮮魚を購入できれば良い。
 全国の高速道路が整備されてる今、土地さえあれば、どこにでも設立できる。また、かつては貨車が頼りであった。東京卸売市場築地市場などには、線路がしかれた跡がそのまま残っていた。
 こうした大きな卸売市場には、茶屋という荷物預かり場や場内の荷を運ぶ軽子という仕事もある。ターレーと呼ばれる大八車が進化した乗り物だ。この辺りは古き良き光景だ。

3、出荷及び卸売市場

海辺の地方の公設市場はこれに属す。魚が豊富に取れる出荷市場に卸売市場が併設されて市場だ。すべてではないが、そこで水揚げされた鮮魚を小売店は仲買人と同じ買参権を持ち競りに参加することが出来る。
 メリットは、いわゆる地物に関しては仲買人を通さずに買うことが出来る。つまり、中間マージンがかからない。買う鮮魚店も消費者も安価で鮮魚が手に入る。ただ、そこの名産品で量がまとまると仲買人の競りは強い。
 下付けという作業がある。それは、品質や相場などを下調べすることだ。全国各地の相場を捉えている仲買人は、儲かると思うと高値てそっくり(全部)買う。そして、出荷する。それでも、その鮮魚を欲しい時には、鮮魚店が仲間を組み対抗する。

結論を言うと、3の出荷及び卸売市場が皆に優しい市場だと思う。


かわせみ💎



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