はまつはるな

言葉が好きで嫌い。 不思議なことが大好き。 役に立たないこと、意味のないこと、たくさん…

はまつはるな

言葉が好きで嫌い。 不思議なことが大好き。 役に立たないこと、意味のないこと、たくさんして楽しく生きていきたいです。 Instagramで、詩、写真、絵、物語を投稿しています。

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ふと気づく、世界の欠片

別アカウントで、私の日常を綴っております。 あなたの人生に何も役に立たない言葉たちです。

    • 「それは静かに降りそそぐ」

      「あら珍しいわね。先客がいるなんて」 高校にある満開な桜の木の下で、僕はカンディンスキーの画集を眺めていた。 綺麗な女の子に声をかけられたのは、そんな時だった。 彼女は僕と同じ学校の制服を着ていた。 「こんにちは」と言いながら、当然のように彼女は、僕の隣りに座る。 「貴方、何年生?」 「、、、えーと、2年生です」 「じゃあ私、先輩ね」 「あ、はい。そうなのですね」 「カンディンスキーが好きなの?」 「え?あぁ、はい。好きです」 「そう。私も好きなの。その人、共

      • 「ナディア」

        私は、どこまでも広がる砂漠にいた。 青い空には薄明の月。 全ての音が止まった感覚がして、呼吸だけが聴こえる。呼吸の音は、自分の息遣いではなく、もっと大きな何かだった。 少し遠くに、建物の瓦礫が見えた。ガラスでできた建物だったのだろうか。 太陽の光でギラギラと輝いている。 砂に足を絡め取られながら、その瓦礫に近づく。 近づいて気づいた。 瓦礫の山は、生きていた。  それは、鋼のような鱗に覆われた竜であった。 呆然と立ち尽くす私の前で、大きな鋼の竜はのそりと起き上が

        • 「ヒカリの天使」

          あくびをした 世界を飲み込んだ そんなこんなで私の身体は透明になる 鈴の音が通り抜けていく 海の音も山の音も通り抜けていく 見渡す限りの草原に立ち、ソラを指差して、天使は言った 「美しい夜空ですね」 私はあくびをした 美しい夜空を飲み込んだ 透明な身体の中で、星々が泡のように弾けて光る 「どのような気持ちでしょうか」 「別に何も感じない」 ぶっきらぼうな私の返事にも、天使はにっこり笑う 「そのうちきっと、音は聴こえてきますよ」 何千年前の言葉にも色がある

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        ふと気づく、世界の欠片

          「1年前からの手紙」

          拝啓、1年後のわたし様 何か考えたくて、日々なんとなく過ごしていて、 幸せだと思えるけど、幸せだと言い聞かせているような気もして、よく分からないことが続いている。 言葉を綴りたいと思っていたけど、その欲も特に湧かず、 SNSで自分を表現したいのかと思ったけど、その欲も湧かない。 ただ毎日、漠然と、楽しくて心が揺れることがしたいと思うけど、行動が何もできない。 モヤモヤと、霧がずっとかかっています。 本日仕事は休みなり。 朝からSNSを観て、ぼんやりして、猫と遊

          「1年前からの手紙」

          「たべてねる」

          だから、それはもう希望だと思うのです 壊して壊して、洗い流して、ようやく取り出したそれは どうしようもなく、やあわらかくて、涙が出そうでした こんなもの剥き出しにして、どうやって生きていけるのか 皆目見当もつかないのですが、 それでも生きていくしかないのだと、 何処かで誰かが呟くので あぁ、そうに違いないと 私の腹は鳴るのです だから、はらを満たしてねむるのです

          「たべてねる」

          「ゆらゆらを探しに、今日も私は海へ行く」

          7月某日、天気は快晴。 自転車を走らせて、今日も少女は海へ向かう。 「あの人のママに会うために〜♪」 お気に入りのワンピースを着て、海へと続く坂を下っていく。 あ、口紅を塗るのを忘れた。 でも、まぁいいか。 浜辺に着くと、いつも通りララに挨拶をする。 ララは魚でも食べていたのか、満足そうな顔で、口周りをぺろぺろ舐めて座っていた。 ふわふわの尻尾が、気持ち良さそうに揺れている。 「ララ!こんにちは!」 ララは閉じていた両目の右側だけ開けて、少女を見た。 「

          「ゆらゆらを探しに、今日も私は海へ行く」

          「世界の始まりは貴方がいい」

          朝の登校中、私は眠くて眠くて仕方がなかった。 顔を前に向ける気力もないくらい眠くて、私はずっと足元を見つめながら、ふらふら歩いていた。 昨夜もきちんと、7時間睡眠をしたはずなのに、何故なのか。 禁止されていた猫の集会に参加しようと、計画を練っていたから、バチがあたったのかもしれない。 今夜は窓辺に、鰹節を置いておくしかない。 倒れそうになりながら、なんとか学校に辿り着き、自分の教室へ向かう。 「おはよー!昨日の抜き打ち持ち物チェックで、ペリドットを持ってる生徒がい

          「世界の始まりは貴方がいい」