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第3回目【アジアの盟主日本vs北中米王者メキシコレビュー】

第3回目の投稿です。
こんちゃ!どうも、いったーです。今回は「国際Aマッチ日本vsメキシコ@グラーツ」について書きます。

まぁ、日本代表を見るというよりも、メキシコが見たかったのでとりあえず録画しました。なぜ、メキシコ?なのですが、思い出の選手がメキシコ代表に選出されています。そう、それはヘスス・コロナ(ポルト)です。現在27歳ですが、19歳の時にモンテレイの一員としてCWCで来日しています。小刻みなステップとドリブルスキルであの欧州王者だったチェルシー相手に孤軍奮闘していたことを覚えています。メキシコリーグは充実しているため、欧州進出をせずに、国内にとどまったら見る機会もないだろうと思っていた矢先にトゥヴェンテ→ポルトと順調にステップアップしていました。このように駆け出しの選手に注目してのちの成長を期待してみるのもサッカー観戦の面白い点の1つです。

「注目ポイント」
〇日本は3戦連続で無失点 珍しく堅守
〇メキシコはタタ・マルティーノ監督就任後19試合で1敗のみ。
〇メキシコはロンドンオリンピック金メダルの世代と下の世代の融合中
〇アジアの盟主vs北中米王者 というメディアからしたら最高に煽れる試合
です。

「前半」

まず、注目したいのが、立ち上がりの両チームの試合の入り方でした

(a)メキシコ                  

〇高いインテンシティ    

〇名手オチョア(クラブ・アメリカ)のポジショニング

メキシコは前線のピサーロ、ヒメネス、ロサーノがかなりインテンシティの高いプレス(=プレー強度が高いプレス)から試合を開始しました。各々が連続したプレスをかけることで日本のプレーを限定し、制限していきました。日本のGKを含めた現代的な「ボールを前進させるプレー」が苦手である点を徹底的に突いてきた形です。その為に、日本は苦し紛れのロングボールが多くなり、手詰まりになりました。本来なら監督、スタッフがパスのルートを事前に準備して、デザインされたビルドアップをすることが望ましいと思いました。メキシコとしては、日本がプレスに慣れ始めてから徐々にFWとDFラインまでの距離が開いてしまい(=間延び)、日本が得意なバイタルエリアでの間、間で受けるプレーを許してしまいました。それは、アンカーの24番ロモ(クルスアスル)、CBのアラウホ(セルタ)、H・モレノ(アル・ガラファ)のマネージメントが足りないということです。また、最終ラインでの判断、クリアミスが多く、少しばかり日本に自由を与えすぎたように思えます。

(b)日本                    

〇ターンから次のプレーへの移行スピード    

〇伊東純也(ゲンク)の勇敢な仕掛け

日本は、強烈なプレスを回避し、縦パスが入った後の日本人が得意とする、素早いターンからのドライブ(ボールを運ぶドリブル)や逆サイドへの展開は、大変見応えがあり、ビックチャンスになっていました。特に、柴崎(レガネス)や遠藤(シュトゥットガルト)からの縦パスで鎌田(フランクフルト)がターンをする、柴崎が展開する、といったような展開です。また、前半15分頃から日本はメキシコのプレス強度に慣れ、状況把握する時間が生まれたのか、門で受けるプレー(=相手と相手の間でパスを受けること)が徐々に増え始めました。よってスムーズにボールを運ぶことができるようになったため、試合をコントロールしました。特に、中盤で短いパス交換から右サイドに伊東純也を張らせて、得意の相手SBとの1on1を幾度となく仕掛けるパターンを発揮することでチャンスを作り出していました。しかし、チーム全体として押し上げが出来ておらず、ボックスの中の人数に欠け、クロスがグラウンダーのワンパターンでメキシコDFは対応しやすい状況でした。日本は鈴木武蔵の確実な得点チャンスがあったため無得点で終わったのは残念です。

「後半」

(a)メキシコ                  

〇一発を仕留めるラウル・ヒメネス(ウォルバ―ハンプトン)     

〇エドソン・アルバレス(アヤックス)の状況把握能力

 メキシコは、後半開始から4番で注目のエドソン・アルバレス(アヤックス)が投入されました。アヤックスがボランチとCB、SBを兼任させ、対人能力、ボールの扱い、視野、状況認知を評価している彼の投入によってダブルボランチに変更し、流れは大きくメキシコに傾くことになります。後半序盤はメキシコがダブルボランチにしたことにより、前半の様にボール奪取の狙いどころが絞れなくなった日本は劣勢に立たされました。また、メキシコの両サイドが日本の対峙するSBをピン止めするように張りました。そうなると日本は両サイドを広げられ、メキシコはサイドで質的優位からドリブルからの仕掛けが多くなりました。常に先手をとるゲームコントロールは素晴らしかったです。

(b)日本              

〇FWの交代後に南野の特徴を活かしきれない    

〇試合を殺しにかかるメキシコにプレー強度でお付き合い

日本は、サイドに張った選手の仕掛けを対応できずに、メキシコの中→外→中→外のように、揺さぶられ、テンポよくプレスの的をずらされました。リセットのためのロングボールを蹴っても、南野拓実は収めるプレーヤーではないために、ロストしてしまい、メキシコボールになるという悪循環でした。不運な形でR・ヒメネスにゴラッソを決められた直後に、日本は現状維持なのか、前輪駆動にするのかがはっきりとしないプレスの裏をかいくぐられ、スピードが不安視されるDFラインの裏に綺麗なスルーパスを通され、あっけなく2失点目でジ・エンド。残り時間は試合巧者のメキシコに試合を殺され試合終了という後半は全くいいところなく時間が過ぎるだけでした。

「総括」


 日本は、前半15分前後から見られた門で縦パスを受けるプレーが素晴らしく前半のうちにメキシコを仕留めるチャンスがありました。意図的に伊東純也を右サイドに張らせて得意のドリブルを仕掛けさせることでチャンスを生み出せたのは評価できると思います。
 しかしながら、準備した、デザインされたビルドアップがあまり見受けられず、その場しのぎの場当たり的な展開が多いように思いました。要はマンパワーに依拠したチーム作りになっているのです。チームとして強度の高いプレスを連続して受けた時に、誰がパスコースを作るのか、受けるのか、展開するのか、をきっちりと言語化し、浸透させる必要があります。果たして森保にそんなことが出来るのか、、、
一方メキシコ得意のカメレオン戦術で次々と戦い方を変化させ、選手も入れ替えることで、日本を混乱に陥れました。やはり小刻みなステップからのドリブルや、止める、蹴るの基礎技術、状況認知能力は欧州の標準化された感覚とは異なる、アメリカ大陸独特のそれがあったと感じました。    また、注目していたヘスス・コロナ、グアルダード(ベティス)、ドスサントス兄弟(共にLAギャラクシー)、エクトル・エレーラ(アトレティコマドリード)等の強烈な個性を持った選手たちが不出場でした。彼らのピークはまだここではないはずです。WCやCONCACAFゴールドカップを含めた国際大会でのメキシコに注目してみてください。

最後になりますが、タケ・クボを左サイドで起用するとか森保は和製エメリなんか?

はい、以上「アジアの盟主日本vs北中米王者メキシコのレビュー」でした!
次こそ、「僕にとってのアーセナル。」後編を出します…

それではこのへんで

んじゃ、ばいころまる~

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