『准教授・高槻彰良の推察』(澤村御影/角川文庫)
この世に、怪異はあると思うだろうか。
トイレの花子さんやコックリさんに口裂け女、それらの名前を小学生の頃に聞いた読者も多いだろう。この『准教授・高槻彰良の推察』(澤村御影/角川文庫)には、さまざまな怪異が登場する。だが、それらが必ずしも怪異かといえば、決してそんなことはなく、生きた人間のさまざまな思いが交差した結果による出来事であることも多い。
なら、本当に怪異は存在しないのだろうか。その答えが、『准教授・高槻彰良の推察』の中にあるのだ。
主人公の深町尚哉は、大学一年生