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「女の幸せ」は結婚か?

新卒から10年勤めた会社を退職するときに男性の上司からみんなの前で贈られた忘れられない言葉があります。

「プライベートで幸せになってね」

その言葉の真意はわかりません。
ただ単に幸せになってね、という意味で言っただけかもしれません。

実際、それを言われた時の私は一刻もはやく会社を去りたくて
あまり深く聞いていませんでした。

しかしそのあと同僚から「あんなこと言われちゃって…」と声をかけられたので「え?そういう意味だったの!?」と、とんでもないことを言われていたことを知りました。
私は気付きませんでしたが、ほかの男性社員は笑っていたそうです。

おそらく「結婚できるといいね」と解釈する人が多いと思います。

私が働いていたその会社は、大手の上場企業です。

毎年必ず人権研修があり、SDGsやダイバーシティなんて、
世の中の人が耳にするようになる、もうずっと前から研修を受けていました。
ハラスメントについてもその言葉を知らない人など、いるわけありません。

大手ですから、良い大学を出て厳しい競争を勝ち抜いた人しか入社できません。
入社してからも、昇進するためにはかなり厳しいレースを勝ち上がらなければなりません。
日本の大企業で、その競争を勝ち抜いた…つまりエリート中のエリートである私の上司。
あらゆる研修を受けてきた、時代をリードする会社の社員であり、そのリーダーのひとりである私の上司。

そんなエリートの彼が10年勤めて疲れ切った、独身女性社員に、ほかの社員の前で正式に贈った言葉が

「プライベートで幸せになってね」

なんと残念な・・・・
さすがジェンダーギャップ指数116位の国のエリート男性ですよね。
ほんとにさすがです。100点!!

普通に「元気でね」でいいと思うんですけど。
そんなに私に幸せになってほしかったのでしょうか?
そんなに私が可哀そうで、心配してくれていたのでしょうか?

ご心配に反して私は、仕事はとてつもなく嫌だったけど
プライベートは毎日楽しくて幸せでした。
だから仕事を辞めるんだよ!!って言ってあげたかった。

日本の女性は、結婚していないだけで不幸と決めつけられる
「結婚の呪い」にかけられて、本当に生きづらい。
不幸だと決めつけられて、みんなの前で盛大に願われるってすごいですよね。
外国だったらリーダー辞めさせられるんじゃないですか?
知らんけど。

でもこの
「プライベートで幸せになってね」
という言葉について自分なりにずっと考え続けて
ジェンダーやフェミニズムに出会うことができました。

私はジェンダー平等な社会を実現したいし、
仕事を頑張ってきた独身の女性社員が退職時にみんなの笑いものになるような悲しいことが、もう二度と起きないような社会になってほしい。
そのためにできることに、少しずつ取り組んでいきたいと思います。


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