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普通の父親

バイトまで少しだけ時間がある。
余裕のある朝の時間はいいものだ。
優雅にコーヒーでも飲みながら記事を書こうと思う。

今後の人生の道として、公務員を選択したはいいものの、その選択に疑問が拭えないとの趣旨の相談を父にぶつけたのがつい1週間ほど前のことだ。先日、電話で話すことが出来たので、その所感を記そうと思う。

前提として僕は父に何かを決めて「こうしなさい」とか「ああしなさい」とかを指示してほしいわけではない。ただ単純に相談できる大人が自分の周りに少ないので、参考までに「1番身近な大人の意見を聞いてみよう」というくらいの気持ちである。


結論から言うと、父はいたって普通の人だった。
普通とか言われると嫌がる人もいるだろう。僕はその類だ。しかし、父はたぶん違う。普通と言われたって別に気にしないタイプだと思った。
普通に大学に進学し、理系だったので大学院に進み、その後就職し、社内でそれなりに頑張って、現在にいたる。
僕の父親は、そういう人間なのだと感じた。

「僕の今の状態(フリーター)のままで、将来についていつまでも悩み続けることが必ずしもプラスに働くとは限らないから、まずは就職をすることを第一に考えた方が賢明だと思う。」

父の意見は、1人の親として至極まっとうなものに感じた。

その上で、議員を志す気持ちがあることも伝えてみた。
「その気持に迷いがないのなら、誰かに師事する道を選んでもいいと思う。でもその代わり、ちょっとやそっとのことで諦めるようではダメだ」と。
(これについては実行する気は今の所ない)

これらを言われたところで、特に何か心動かされることはなかった。「まあ、そうだよね…」って感じだ。
他にも、企業就職のことなど父の経験も含めて聞いたが、いたって普通だった。普通なことは悪いわけじゃないけど、本当に心動かされることは何もなかった。笑


そして、話はかつて僕が住んでいた寮の話題へと…。
(僕が、公務員という選択をしたのは他ならぬ、この寮での経験故であるから、話題になることもまた当然の流れだったのかも知れない。)

人生の4年間を空白にした寮生活で得たことの片鱗を語ってみた。
僕の中ではともすると、人生を変えるくらいの大きな出来ことだったし、それくらいに多くのことを学べたと思っている。だが、それはあくまでボク個人の話だ。父からしてみれば、息子が4年間を無為に過ごした忌まわしき寮だと思っていても不思議ではない。
しかし、父は僕の寮への認識に一定の理解を示してくれた。

おおよそ、一般の視点からすれば失敗であることに、その価値を見出して理解することは、誰もができることではない。出来ない人はたくさん見てきた。
だから、その点では僕の父はまともな、感情論だけに突き動かされない判断ができる人なのだろう。内心、腸が煮えくり返る思いだったかも知れない。でも、その感情だけではない別の判断軸で物事を見られる、そんな立派な人間が父で良かったとも思った。

偉そうなことを言うが、本当によく出来た人間だなと。笑
僕もそうでありたいと思うからこその尊敬だと思う。僕は今まで、父をつまらない人だとばかり思っていた。普通に生きて楽しいのかと、内心バカにしていたときもあった。だから、本心から父を尊敬したのは初めてかも知れない。

まともで普通な人。自分もそういう感覚を持った人でありたいと思う。

普通は悪いことじゃない。
それに気づけただけでも父と話してよかったと思う。
肝心な将来の話の方は、特にこれと言った進展はなかった。でもそれでもいいのかなと思う。まだもう少しだけ考える時間はあるのだから。

今日はこんなところだろう。
別になんと言った話でもない。
コーヒーを淹れるまでもなく書き上がってしまった。笑

それでは。

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