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#2000字のドラマ あとがき

先日まで「#2000字のドラマ」というコンテストが開催されていて

2000字で若者の日常を書く、というお題のもと、わたしも参加しました。

(本当は締め切りまで書けるだけ多く投稿しようと思っていたのですが、
間に合わず、結局この1作しか投稿できませんでした…。)

お題に沿って話を書くのは初めてだったので、
どんな風に書いたかを、覚え書きとして記録しようと思います。


意図的になくしてみたこと

書き始める前に、3つ決まりを作ってみました。

1.登場人物の名前を出さない
2.場面を広げない
3.話を進めすぎない

なんでこんなことを決めたのかというと、
2000字という文字数制限があったからです。

まず名前に関してですが、
例えばしずかちゃんという名前をつけた場合、
たぶん読んだ人はなんでしずかちゃんなんだろう?と、
ほんの少しかもしれませんが思うと思うのです。

それが短い話ならなおのこと、
ひとつひとつの記述を記憶して読み進めるでしょう。

でも2000字しかない中で、
なぜその名前なのかというところまで
わたしは話を展開させることはできないだろうな、と考え、
思い切って名前には言及しないことにしました。

これが正解だったのかどうかは、いまはわかりません。
やっぱり名前がある方が、自分の中に落ちてくる感じが全然違うからです。

それと、場面を広げすぎない、というのと、話を進めすぎないというのも、2000字で充分事足りる展開にしたいと思ったのが理由です。

また、日常を書くというお題目のもと、
本当に何気ない生活の一場面を書きたいと思ったのも少しあったので、
ほんの数分、数時間の出来事を書くことにしました。

舞台について

話の舞台は高校の男子寮にしました。

この企画の"若者の日常"という部分について、
『日常って、生まれ育った環境や、生まれた年にもすごい左右されるので、そういった意味でも広がりがある設定だなと思っています。』
という説明があったので、

より生活環境に関係のある舞台にしたいなと思ったのが1つの理由です。

主人公は学生で、学校生活に関する日常を書きたいと思っていたので、
学校生活でより生活感のあるところ、ということで、
寮を舞台にすることにしました。

それと、男子寮が舞台になっている恩田陸さんの『ネバーランド』という作品がすきだったので、男子寮という世界観を書いてみたいなと思ったのも
大きな理由です。

何気ない日常と何気ない主人公

先にも書いたように、この作品のテーマは
『日常』と『生活』です。

なるべく現実離れしていないような、
あーこういう場面ならあるかもと思えるような話にしたいなと思いました。

必ずしも輝きだけじゃない、青春の一場面というか。

なので主人公も、作品のメインキャラクターではありますが、
舞台である男子寮のメインキャラクターではありません。

誰かが適当にバーベキューしようぜといったのを鵜呑みにして
しっかり準備するのに、本番のバーベキューでは目立てないような、
損な役割をすることの多いタイプで、

たぶん、普段の寮生活の中では目立つタイプの仲間とも普通に話したり、
楽しく過ごしていると思うのですが、
イベントごとのときには一歩下がって出てこられないような、
そんなイメージのキャラクターになってます。

感情の起伏

それと、場面を制限するのならば、
逆に主人公の感情の起伏はちゃんと書きたいなと思いました。

1人称でこれをやると、独りよがりになってしまうし、
読みにくくなるかなとも思ったのですが、
多少読みにくくなっても、できるだけ書きたいと思いましたし、
読みにくいほうがリアルのそれらしいかなと思い、
思いのまま書いてみました。

どうして感情の起伏を書こうと思ったのかというと、
そこで青春を表現したかったからです。

誰がいるとかいないとか、誰かがこういってくれたとか、
周りの状況の些細な変化に苛立ったり喜んだり

そしてそれを素直に分かることができたり

自分の感情の変化って大人になるにつれて分からなくなってくるのかな、
と近頃思っていたので、

今回は感情の変化を若さの1つの要素として入れてみたいなと思ったのです。

彼女の存在

その主人公の感情を左右する存在である”彼女”

引っ込みがちな主人公が少し話しただけで気になってしまうような女の子なので、清楚で優しそうな女の子だろうなーとは思ったのですが、

一枚上手というか、何かこなれている雰囲気を出したいなと思い、
少し遊んでいます。

まず、彼に「バーベキューセットを予約してくれたんでしょ」
といっているところ。

ここは、わたし知っているよアピールをしつつ、
あえて”ありがとう”と言わせてないところがポイントだったりします。
(知らんがな)
ありがとうって言ってあげて!って思うのですが、
文字で書くとこびてる感が強くなっちゃうかなと思い、
「予約してくれたんでしょ?」の中に感謝の気持ちも含まれている空気感という想定で、あくまでもさらっと、を意識しました。

そして、もう1つ、「お肉」ではなく「肉」と言わせているのもわざとです。

優しいだけじゃない、自然派な感じが出ていればいいなと思います。
(自然派とは)

そのあとの花火について、今日上がることを彼女が事前に知っていて、
彼と一緒に見るために、ちょっと時間を稼いでいた、かどうかは、

微妙なところです。
そこまで行くとやりすぎな感じもするので、
偶然ということにしたほうがいいかもしれません。

ラストとタイトル


最後に、もう彼女と話せなくてもいいやと言っておきながら、

次会うときのことを考えているという、

諦めようと思った次の日にたまたま話せて

やっぱりすきだからもうちょっと頑張ろうかなと思ってしまうみたいな

感情の変化というか、波というか、

タイトルは作品の内容を補足する何かにしたいなと思ったのと、

最初に読んだときは「?」でも、最後に読んだときに意味が変わって見えるような、そんなタイトルにしたいなと思い、このようにつけてます。


反省点


という感じで長々と書いてきましたが、反省点もたくさんあります。

まず、お題である「メインキャラ3人」というのが守れていないのではないか問題。

一応、主人公と女の子、そして寮の仲間の男の子、と3人登場させて、
その男の子にはもう第3者的役割をさせているのですが、

やっぱり無理やり絡ませた感もあるな、と読み返して思いました。

メインキャラが3人に設定されている理由として、
「2人の関係値より3人のほうがよりドラマ性が高まると思っています。第3者の存在って現実でもすごい影響力だったりしますよね。」
とあったので、2人を引っ掻き回すというか、今回でいうと2人の関係地を動かすような人物したくて、こんな感じの登場の仕方になりました。

第3者感はすごくあるけど、でもさすがに存在感が薄すぎたかな、、というのが1つ目の反省点です。

次にキャラ立たせられてない問題。

3人目の男の子の件もそうですが、女の子に関しても、しっかりそのキャラクター性を表現できなかったというのも感じました。

文字数も少なかったし、主人公の感情変化を書こうと思ったので、今回のやり方ではまあそうなるなとは思ったのですが、

同じ条件で、ちゃんとキャラを立たせている作品はたくさんあったし、
そこはもっと改善の余地があったなと思います。

名前をつけなかったのも考えてやったことですが、
そのせいで、キャラたちの輪郭がさらにぼんやりしてしまった気もしていて、次も同じことをするかどうかは考えなければなりません。

ただ、どこにでもある風景を書きたかった、としたら、
名前を出さないで特定の誰か、としなかったのは
まあありといえばありなのかなとも思いました。

あとはタイトルの鮮やかをもっと別の言い方にしたかったな、という反省です。

主人公とその言葉選びがあっていない感じがして、もっといい表現はないかと思い、考えたのですが結局出てこず、結果鮮やかのままになりました。

色とりどりとかカラフルにすると少し軽いし、

だからといって、鮮やかというのも、、という感じで、あまりまとまりきらず終わりました。

いまでもぴったりくる表現は見つけられていないのですが、、、。

わたしの舞台裏

諸々反省点はありますが、全体的には気に入る作品にすることができました。

考えられる幅が広いお題だったので、創作意欲も掻き立てられましたし、同じお題で多くの作品を読めたことも、とても勉強になりました。

また、ちょこちょこお話も書いていこうと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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