2月下旬の、とても冷え込んだ朝。手早くマフラーを巻いて手袋をして、霜の撮り納めにゆく。
立春を過ぎてから夜が明けるのがずいぶん早くなり、気温もすぐに上がるので、おそらく今年の霜はこれで最後。
義母をデイサービスに送り出すため、この日は早い時間に家を出なければならず、「5分だけ」と決めていつもの空地へと向かう。
タネツケバナはゴマ粒ほどの、小さな小さな白い花。冬の半ばからずっと、枯色の風景の中、群れて咲き続ける芯の強さを持っている。
ホトケノザの花色は、すでにくっきりと濃い赤紫に。
尖った霜をまとっていても、もう頼りなげにうなだれてはいない。
真冬には見られなかった、たんぽぽの綿毛。
溶けかけた霜の瑞々しいかたちから、春を感じることができる。
朝の光を受けてふかふかに乾いたなら、風に招かれ飛んでいってしまうのだろう。撮り納めの日に出会えた、貴重な幸。
今日は二月尽。二月が尽きたその先から、真新しい春がやってくる。
霜を撮らせていただいたお礼と、これからの春の風景との出会いに期待して、いつもの空き地の神様に深く頭を下げた。
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