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【エッセイ】選民思想

誰しも選ばれた民でありたいと望む。皆、自分は選ばれたものだと思って生活をしている。なぜそんなに自信があるのか。選ばれなかった僕はナイフを握りしめて立っていた。競争に敗北しても、生きていかなければならない。敗北してもなお、新しい自分を見つけようと北へ北へと行軍する。意味はあるのか、忌しかないのか。いつか僕が僕を選ぶ日は来るのか。僕は特別になれるのか。

シラフなのに千鳥足。ゾンビのように生きて、死体のように寝る。そんな日々を肯定できない。僕は周りを猿だと認識し始めた。選民思想を嫌っていた僕は、選民思想を創り出した。ゾンビハンターがゾンビとでも言えばいいのか。

僕は僕の同志であるあなたを選びたい。
ゾンビになっても自殺しても。

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