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「就職前にすべき事は?」→「好きな事やろう」のモヤモヤ感をどうにかしたい

僕は仕事柄、学生さんと接することが多い。


「社会人になる前にやっておくべきことは何ですか」

学生さんが社会人によく聞く質問。きっと学生のうちにしておくべき経験や取っておくべき資格を聞けるものと期待して質問しているのだと思う。
その期待に反して社会人は言う。

「一生懸命好きなことをやればいいよ」

学生さんは何とも言えない表情を浮かべる。
「いやそんなこと聞いてないよ。もっと実用的なことを教えてくれよ。ていうかそもそも好きなことなんてないよ」と極太マーカーで顔に書いてある。

なぜ社会人は「好きなことをやりなさい」と言うのだろうか。僕も学生の時同じようなことを言われた気がするし、同じように何とも言えない表情を浮かべながら「あなたもみんなと同じこと言うんですね」と内心スカしていたと思う。

社会人になって数年。
僕が学生さんに「学生のうちにやっておくべきことは何ですか」と聞かれたら「好きなことをやりなさい」と言ってしまうだろう。さも当然のような顔をして。大人になるということは、昔の自分の考えをひっくり返す勇気を持つことなのだ。

「好きなことをやりなさい」だけでは学生さんの顔が極太マーカーで真っ黒になってしまうので、その理由をなるべく丁寧に説明するようにしている。

理由は主に2つある。ここで書きたいのは2つ目なので、1つ目はあっさり済ませようと思う。

1つ目は、社会人になると単純に自分の時間が減るからだ。半日以上は仕事に時間を割くことになる。パートナーや子供がいるのであれば、自分だけに割ける時間はさらに減る。必然的に自分の好きなことに割ける時間が減るのだ。

学生のうちは自分のために使える時間がとても長い。まとまった時間がないとできないことは色々ある。だからこそ社会人は「学生のうちに好きなことをやりなさい」と言う。


理由の2つ目。これが今書きたいこと。

「好きなことがある」「好きなことに打ち込んだことがある」という経験は人生の色々な場面で自分を助けてくれるからだ。

最近は「好きなことで生きていく」なんて言葉もよく聞くようになったが、別に好きなことを仕事にする必要はないと思う。ルフィが好きでも海賊にはならんだろう。

好きなことは生きがいになるかもしれないし、日々のストレスを解消する手段になるかもしれないし、初対面の人との話のネタになるかもしれない。

直接的に自分の人生を変えるものにならなくても、好きなことは確実に人生の奥行きになっていく。


今生きている世界の中で好きなことがある、ということは、その世界自体を好きになることにつながる。
世界を好きになれれば、その世界を生きている自分のことを好きになれる。

自分のことを好きになれれば、周りの人のことも好きになれる。周りが敵ではないと感じられる。周りの目を気にせず、もっと楽に生きられる。

だから「好きなことをやりなさい」なのだ。


でもそれは簡単なようで難しい。僕も道半ばである。

あなたも私も、好きなことを見つけて楽しめるようになれたら嬉しい。












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