ふたり揃いの つっけんどん
「行水のあとで洗った 揃いの浴衣
干せば ほんのり 照らす月」
初めての揃い
初めての合わせ歌
初めての夜
口に出すのも 恥ずかしくて
ほんの少しの つっけんどん
それもまた 見透かされているようで
思わずこぼれる 笑みふたつ
歩こうか 歩きましょうか
夜風が気持ちいいね
汗ばむ指を そっと差し出す
今度はあなたが 恥ずかしそうに
ほんの少しの つっけんどん
夜空見上げる横顔に
浮かぶ 柔らか 笑みふたつ
花火に焼かれた お月様
キレイだね キレイですね
揃いの浴衣 残る面影
そっと手に取り 針を動かす
密かな印 イニシャル刺繍
秘かな心 ふたりの宵闇
ほんの少しの つっけんどん
ふたり揃いの つっけんどん
揺れる浴衣に 照らす月
いつもふたりで 歩いたところ
想い出しては 廻り道
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