続々々・どんぐり王国のお姫さま

あらすじ


 吐く息が白く凍るほど寒いある冬の朝、下北沢の小さな喫茶店のベンチでジョージ・オーウェルの『動物農場』を読んでいると、木野瀬らくが窓際のカウンター席で朝食を注文するのが見えた。

 僕は店の本棚から拝借した本に栞紐を手挟むと、もちろん推しの様子を観察することにした。僕はリスナーの鑑なので配信外で推しに話しかけたりはしないが、とはいえ、いずれストーカーに間違われるのではないかと気が気ではない。らくさんはとうぜん僕の存在に気がつくことなく紅茶のカップにママレードを入れてスプーンでかき混ぜはじめた。

 らくさんは今朝も僕らが夢に見たような――いや、ミューズたちが見せるどんな夢をも超える――素敵な女の子だった。亜麻色の髪を二つ結びにして、フリル付きのブラウスの衿にベルベットのリボンを結び、黒革のコルセットでウエストをギュッと締めている。ズボンは乗馬パンツ風で、ブーツも蝋引き革の乗馬靴だ。スツール椅子の足元には年代モノの旅行鞄があった。

 朝食のフレンチトーストを食べ終えると、らくさんはハンチング帽やナポレオン外套と一緒に旅行鞄を持って喫茶店をあとにした。僕もポケットから小銭を支払ってらくさんのあとを追った。

 らくさんは下北沢の入り組んだ路地裏を真っ直ぐ迷いのない足取りで進んだ。向かう先は商店街の活気からやや離れた街角にある古びた雑居ビルだ。僕は推しを追ってビルの狭い階段を登った。

 なんだか奇妙なビルだった。テナントの案内板が一枚もないし、どのフロアにも判で押したようにまったく同じスチール製のドアが等間隔に並んでいる。らくさんはその中のひとつを選んでドアを押し開けた。僕も少し時間を置いてから同じドアへ手をかけた。

 部屋の中はアナログ写真の現像室のように真っ暗だった。室内を仕切る暗幕の手前に券売機が一台ある。いったい何を売る券売機なのか説明はどこにも見当たらない。千円札を入れると釣り銭不足でエラーを吐いたので改めて百円玉を何枚か入れ直した。僕は何も書かれていない真っ白なチケットを手に部屋の暗幕をくぐった。

 暗幕の奥には、小学校の教室ほどの小さな劇場の舞台があった。この手の小劇場のご多分に漏れず空気は埃っぽくかび臭い。低い天井の照明が舞台を照らしている。舞台にあるのは書割の空と海だけで劇が始まる気配は一向にない。

 らくさんの姿はこつぜんと消えていた。

 僕は客席の階段を降りると舞台に上がって大判のキャンバスに油絵の具で描き込まれた空と海とを眺めた。空は気持ちよく晴れ渡った青空で、海は白い砂が透けて見えるような浅瀬が水平線の彼方まで続いている。空を斜めに横切る一筋の飛行機雲がいささか単調な風景にアクセントを加えていた。僕はそっと書割をはぐって舞台裏をのぞき込んだ。

 書割の裏には、本物の空と海があった。

 書割の裏から舞台を見ると、奇妙なことに風景の一部がぺろんとめくれているように見える。僕は空と海の狭間に立って水平線の彼方へ手をかざした。何も見えない。僕は浅瀬の海へ踏み出した。潮風の匂いが僕の頬やうなじを洗った。

 浅瀬の海の水深は、一番浅い部分でほんの数センチしかない。地形の影響で砂がいっそう高く堆積した部分が道をなしており、道から少し外れるとサンゴ礁がきらめく深みがあった。サンゴ礁の外側は底知れぬ青い海へと繋がっている。干潮の間だけ陸地と繋がるタイダル・アイランドにも思えた。だとすれば潮が満ちる前に陸地に辿り着かなければ満潮の波にさらわれて海底に引きずり込まれることになる。

 僕は外套を脱いで肩に引っ掛けると靴やズボンが濡れるのを気にせずザブザブと足をひたすら交互に動かした。雲や波など動くものがなにひとつ見当たらないせいでだんだん時間の感覚があやふやになってくる。半日も歩いたと言われればそうだし、小一時間しか歩いていないと言われればそうだという気がした。振り返ると足跡は緩やかな流れにさらわれて跡形もなく消えていた。誰かが僕の耳元で「実は一歩も進んでいないんだ」と言った。僕は「そうかもしれない」と思った。

 何かが頭上を飛び過ぎた。

 ざあっ、と風が吹く。僕は踏ん張って倒れかかるのを堪えると、波の飛沫で濡れそぼった前髪をかきあげて空を仰いだ。

 飛行艇だ。

 紺碧の狭間を軽薄な赤でカラーリングされた飛行艇が真っ直ぐ降りていく。僕は手と腕の長さとを使った三角測量から飛空艇の高度と降下率を概算して着水地点までの距離をおおまかに求めた。あとは距離を速度で割れば移動にかかる時間がわかる。

「どんぐり王国に行くのか?」

 サンゴの海の方を向くと、さっきのとはべつの飛空艇のコクピットからフライト帽を被った男が顔を見せた。両手の革手袋は真っ黒な油で汚れており、男の頬やシャツにも汚れが移っている。海に不時着したサン=テグジュペリという感じだ。男はレンチで何かの部品をギコギコと回しながら革手袋の甲で額の汗を拭った。

「どんぐり王国に行くなら、伝言を頼まれてくれると助かる。私はこいつの面倒を見なきゃならん」

 僕が「いいですよ」と頷くと、男は破ったノートの切れ端に何かをメモして僕に寄越した。アルファベットと数字の羅列だ。

「友達からだと言って豚に渡してくれ。豚というのは、」

 男は何かを言いかけたが、ぼん、と盛大な音を立てて飛空艇が煙を吹くと、泡を食った顔で「それみろ!」とレンチを振り上げて再びエンジンとの取っ組み合いに戻ってしまった。

 僕は男に向かって「豚ってなんですか!」と声を張り上げた。男の返事はエンジンの爆音でかき消されてぜんぜん聞こえなかった。僕はやむを得ず「なんとかします!」と身振り手振りで伝えた。男は「そうしてくれ!」という感じで僕におおきく手を振った。

 僕は男に手を振り返すとその場をあとにした。小劇場の舞台裏を出発したときと比べ水かさはあきらかに増しているように思われた。三角測量の概算からおおむね三十分遅れで水平線の彼方に海岸線を見つけたとき、満ち始めた潮は僕のすねの高さに及んでいた。僕は近くを通りかかった小さな漁船を捕まえて陸地への渡りをつけた。海岸沿いの小さな港町で素潜り漁を営む漁師に「豚」のことを尋ねると、漁師は船の舵を取りながら「酒場で訊くんだね」と日差しと潮風に目を眇めた。

 港町では、入り江の崖の斜面に沿って軒を連ねる小さな家の白い壁が太陽の光を眩しく反射していた。漁港にはウミネコが飛び、広場の日陰ではネコが丸まって涼を取っている。港には例の軽薄な赤でカラーリングされた飛行艇も停留していた。

 僕がタヴェルナに入って「豚」の話を持ち出すと、店の主人は「さっき朝飯を食いにきたよ」と丸ごと一匹グリルしたスズキを熱々の鉄板に乗せてカウンターテーブルにどんとサーブした。皮目にパリッと焦げ目をつけたスズキから香味野菜とハーブの香ばしさが立ちのぼってくる。付け合せのジャガイモとアスパラガスからは土の匂いがした。僕がナイフとフォークを使ってスズキの身から背骨を外していると、店主がよく冷えた白ワインをグラスに注いでくれた。ブドウの甘酸っぱい風味が料理全体をさわやかに祝福した。

「たしか隣の村に行くとさ」

 食事を終えると店主にお礼を言ってタヴェルナをあとにした。タヴェルナの主人は「少し遠いから」とありあわせの材料でお弁当を包んでくれた。ライ麦パンとニシンの酢漬けのサンドイッチだ。タマネギとピクルスのみじん切りが親の仇のように詰め込まれている。僕はオリーブ畑が広がる街道沿いを行き掛かりの馬車の荷台に揺られながらのんびり進んだ。馬車の持ち主は行商で、次の村で酒を仕入れるのだそうだ。

 日が高くなると、僕らは木陰で馬に水を飲ませながらお昼の支度を始めた。行商は枯れ枝を集めるとおがくずにマッチを擦って手際よく火を起こした。僕がさっきタヴェルナでもらったサンドイッチをひとつ差し出すと、行商はお礼にどんぐり豚のペミカンをふるまってくれた。どんぐり豚の塩漬けとナッツをドライフルーツや香辛料などと一緒に脂で煮込んで冷やし固めたものだ。鉄鍋に湯を沸かして溶かすと豚の旨みがぐっと凝縮されたスープになる。僕らはそのへんからイワミツバの柔らかいやつを摘んでどっさり鍋に放り込み、切り分けたチーズを小枝に挿して炙りながらスープが温まるのを待った。

 そのうち、行商が馬車の荷台から赤ワインのボトルを持ってきたので、僕らは炙ったチーズをつまみながら錫の酒杯をあおった。オリーブ畑を吹く風にはまだかすかに潮の匂いがした。

 お昼を食べたあと、馬車の荷台で酔い醒ましに渡されたレモネードの瓶を抱えて眠っていると、行商が僕の肩を揺さぶった。村に到着したようだ。僕はお礼を言って馬車からおりた。

 村は小高い丘の上にこぢんまりとあった。村の真ん中には広場があり、広場から小路に沿って赤茶色の屋根の農家が立ち並んでいる。なだらかな丘の斜面に沿ってブドウとオリーブの畑が広がっていた。

 広場に面したパブで例の「豚」の行き先を尋ねると、ついさっきこのパブを出て村の外れの修道院に向かったようだ。僕がトイレの洗面台で顔を洗っていると教会が午後三時の鐘を鳴らした。ずいぶん時間が経っている気がしたが、港町を経つのが早かったせいでまだ日は高い位置にあった。

 僕が眠気覚ましに紅茶を注文すると、店主が旅行客へのサービスでスコーンをオマケしてくれた。僕はジャムとクリームをたっぷり塗ったスコーンを寝起きのリスのようにモソモソと頬張った。スコーンにはざく切りのヘーゼルナッツが練り込んであった。どんぐり王国のスコーンなのだ。

 修道院への道すがらにはいちめんのブドウ畑が広がっていた。普段の典礼で使うワインを自給自足しているという話だ。修道院の貴重な収入源として一部は売りにも出される。修道士たちが額に汗を浮かべて畑を区切る石垣のモルタルをスコップで練り直していた。パブの店主の話によると少し前に嵐がきて村は大騒ぎだったのだそうだ。修道士たちはモルタルを塗った石垣に再び石を積み直そうとするが、どう頑張ってもなぜか元の形に収まらず困惑の色を浮かべていた。

 僕が「こんにちは」と修道士の一人に挨拶をすると、修道士は難題に取り組むのを一時中断して「こんにちは」と丁寧にお辞儀した。僕が「豚」の話をすると、修道士は「他の巡礼の方たちと一緒にご宿泊でらっしゃいます」と教えてくれた。僕はお礼を言って修道士たちと別れた。

 修道院は石造りの古い建物だ。小さな門の正面に教会堂が、右手に司祭館がある。僕は刈り揃えられた芝生の庭を建物に沿ってしばらく散策した。司祭館の裏には併設の図書館と薬草園の温室があり、修道院本館に続く門は関係者以外立入禁止の案内板が掛かっていた。反対側には巡礼者や旅人を泊めるゲストハウスがある。ゲストハウスの玄関の脇にはどこかで見た旅行鞄を括り付けた自転車が一台停まっていた。

 ゲストハウスの受付でベルを鳴らすと奥から修道士が現れて「こんにちは」と丁寧にお辞儀した。旅人だと名乗ると修道士は慣れた様子で「こちらです」と僕を部屋に案内してくれた。

 部屋の内装は田舎の素朴なホテルの一室という感じだ。簡素な木組みのベッドと書き物机に錫の燭台が一揃え。修道士によれば、電気が通っていないので夜はロウソクの灯りで辛抱してくれ、ということだ。

 部屋の鍵を受け取って修道士を見送ったあと、書き物机の抽斗をひらくと一冊の本があった。表紙に題名はなく裏表紙や背表紙も無地のままの奇妙な本だ。試しに中身をパラパラとめくってみたけれど、あまりにも古い言葉で書かれているので残念ながら僕には読めなかった。

 下の階に降りて食堂を覗くと、男二人連れの宿泊客がやけに深刻な顔でなにやら話し込んでいるのが見えた。修道士によると、今夜から教会堂で室内楽の演奏会があるから宿泊客は普段より多い、ということだ。僕は「豚」の姿を探してみたけれど、食堂の客は僕も含めみんなどちらかと言えばスリムな体型をしていた。僕は夕食の時間まで再び敷地内を散策することにした。

 教会堂には既に譜面台や椅子が持ち込まれて演奏会の準備が整えられていた。午後の日差しを浴びた色とりどりのステンドグラスが教会の窓を彩る。僕がアーチの柱に寄り掛かって被せガラスの幾何学模様を眺めていると、反対側で本をめくる音がした。

 教会堂のステンドグラスから降り注ぐ細かな光の粒子の中で、信徒席の長椅子に座ったらくさんが静かに本を読んでいた。

 僕は柱の影にもたれたまま無言で推しを観察した。らくさんは今朝と違って亜麻色の髪をポニーテールに結って素朴な風合いのリネンのワンピースに着替えていた。シャワーを浴びたあと素足にサンダルを履いてちょっと涼みにお邪魔した、という感じだ。僕は夕餉を知らせる鐘の音が響くまで推しの横顔を物陰からそっと眺めていた。

 夕食の時間になると、僕とらくさんは同じ食堂の一番離れた対角線上の席に座った。他にいくらか宿泊客の姿もあったが、いずれも見ればわかる「豚」とは違うようだ。僕らが食卓の椅子に行儀よく座っていると、修道士たちが手際よくプレートに料理を盛り付けた。

 一品目は、トマトとチーズのサラダで、小さく切り分けられた食材は千切ったバジルと一緒にあらかじめオリーブオイルで和えられていた。トマト、チーズ、バジルの三色が目にも鮮やかでよい。いずれも味が濃く食べごたえがある。

 二品目は、ひよこ豆のスープだ。なんというかひよこ豆のスープとしか言いようがない。他の具材はジャガイモ、ニンジン、パセリなどが入っていたけれど、やっぱりひよこ豆のスープだ。ホクホクしている。

 三品目は、どんぐり豚のポークチョップである。オーブンでカリッと焼きあげた豚肉からは香草とバターの濃厚な香りがした。野趣溢れる脂身にセージの芳香が抜群に合う。白ワインと一緒に食べてもおいしかった。どんぐり豚はどう料理してもうまいのだ。

 夕食の最後に修道士たちがラベルのない古いボトルから薬草酒をグラスにほんの少しずつ注いでくれた。薬草の苦さとシナモンの甘みが旅の疲れに心地よい。オレンジピールの香りもした。

 演奏会の時間が近づくと、宿泊客の姿は自然と少なくなった。さっきまで食後のお茶を飲んで休憩していたらくさんもいつの間にか教会堂へ出掛けたようだ。僕は演奏会にはさほど興味を惹かれなかったけれど、せっかくだから後学のために拝聴しに行くことにした。無料の演奏会なのだ。

 暮れ泥む夕日は、まだ地平線のやや上にあった。演奏会は既に始まっているらしく、教会堂から風に乗って弦楽の微かな旋律が聞こえてくる。僕は真紅と群青がせめぎ合う宵の空にいくつかの星を眺めながら教会堂へ足を向けた。

「動くな」

 ぐっ、と背中に尖った何かが押し付けられた。ナイフの切っ先かもしれないし、ピストルの銃口かもしれない。僕は外套のポケットに両手を突っ込んだまま言われた通り立ち止まった。

「ここらじゃ見ねえ顔だな」

 僕が「旅人ですから」と答えると、背後の声は「旅人」と僕の言葉を反芻した。

「旅人があの子になんの用だ」と、背中の凶器はその存在感を増した。「言っとくがおれは元軍人だ。下手な嘘はつかん方がいいぜ」

 僕は「友達から豚に伝言がある」とポケットから手を出そうとした。背後の声は「ゆっくり出しな」と少しさがった。僕がポケットからノートの切れ端を出すと、誰かがそれを僕からむしり取った。伝言を読み終える頃を見計らって振り向くと、ちょうど「豚」が僕の背中に突きつけていたポークチョップのあばら骨を捨ててタバコにマッチを擦るところだった。

「悪かったな、坊主。恨むなよ」

 と、中折れ帽を被って三つ揃えのスーツを着た黒眼鏡の豚――つまり、大方の予想通りマルコ・バゴット大尉。またの名を、ポルコ・ロッソ――は、マッチの残り火でノートの切れ端を燃やしながら悪びれもせずにやりと笑った。

「フェラーリンの野郎、気を利かせやがるぜ。こいつは暗号だ。今夜の演奏会に招かれざる客が来るってな」

 ポルコが「妙なやつを見かけなかったか」というので、僕は夕方の食堂で男二人連れの宿泊客がやけに深刻な顔で何かを話し込んでいた話をした。ポルコは「そいつだ」とタバコの先で僕を指差した。

「あとはおれが引き受ける。坊主は部屋に戻りな」

 僕がどうするつもりか尋ねると、ポルコは中折れ帽を目深に被り直して渋い笑みを浮かべた。

「なあに、殺しやしねえさ。戦争じゃねえんだ」

 ピッ、と煙草の吸殻を指で弾くと、ポルコは僕を振り返ることなく教会堂へ消えていった。僕は外套のポケットに再び両手を突っ込んで何か
が起きるのを待った。ポルコが教会堂へ消えてから五分が経ち、十分が経った。演奏会は滞りなく続いているようだ。弦楽の調べが夜の帳を越えて僕の耳にも届く。

 教会堂が爆発した。

 ボン! と、屋根が躯体から分離して数メートルも空へ浮き上がるほどの大爆発だ。ステンドグラスも内側から景気よく砕け散った。観客の悲鳴に紛れて短機関銃の銃声が連続する。タイプライターを連打するようなパパパパパという乾いた音だ。

 倒壊寸前の教会堂かららくさんをお姫さま抱っこしたポルコが慌てふためいた顔で飛び出してくると、彼らを追って例の男二人組も短機関銃を乱射しながら現れた。銃弾の一発が中折れ帽をふっ飛ばすと、ポルコは「こりゃいかん!」と叫んで庭園の花壇の陰に滑り込んだ。例の男二人組は短機関銃を手に携えてジリジリと花壇の両脇から二人を挟み撃ちにしようとしているが、反対側では黒衣の司祭が男二人組に向かってバズーカを構えている。ありゃ花壇は作り直しだなと思った。

「やっぱりどんぐり王国のお姫さまなんだよなあ」

 僕が「そうなんでしょ?」という感じでロケット弾の着弾点を見ていると、らくさんをお姫さま抱っこしたまま爆発から逃げ惑うポルコは「そんなこと知るか!」という感じで半ばヤケクソ気味に怒鳴り返した。いや、でも多分お姫さまだろう。爆発と銃撃戦に巻き込まれてもなんやかんや無事だし。あとお姫さま抱っこもされている。

 よって、木野瀬らくはどんぐり王国のお姫さま。


 H.B.D(お誕生日おめでとう)

 


◆木野瀬らく◆
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