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【心理学】心の攻略本を作る Vol.3 #自己肯定感

①「自己肯定感」は流行語なのか?

 これでも筆者は「SNS」(ソーシャルネットワークサービス)を多用するタイプなのだが、その中で感じていた疑問が一つある。

「自己肯定感」という言葉、もしかして流行ってる?

 この疑問は、筆者の主観でしかない。
 だがしかし、Twitterで「自己肯定感」をキーワード検索してみたら、一目瞭然だった。気になる人は、ぜひ試して欲しい。それはもう、毎日、毎日、誰かが「自己肯定感」を語り、「自己肯定感」に悩んでいる。

 やはり、「自己肯定感」は流行っている。流行っているが……。

振り回されている人も多いんじゃないか?

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②「自己肯定感」って、なに?

 まずは、流行語としての「自己肯定感」に寄り添いたい。
 Twitterのキーワード検索・話題のツイートで取り上げられている内容から分析してみたところ、「自己肯定感の低い人」の特徴が、説明されていることが多い。言い方は悪いが、これが少し「面白い」のだ。

 インフルエンサー曰く、「自己肯定感の低い人」「自信がない」「自分には価値がない」「自分のことが嫌い」、そう感じている人のことらしい。

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 では、「自己肯定感の高い人」の特徴は?
 先ほどの記述で「面白い」と言った理由はここにある。なぜなら、「自己肯定感の高い人」について説明したものが、全然見つからないからだ。
「自己肯定感が高い人」になれたら、一体どうだというのだ?

 つまり、多くの人は「自己肯定感の低い人」に関心がある一方で、「自己肯定感の高い人」になろうと、具体的には考えていない。

 「自己肯定感を高めよう」「自己肯定感を高めるためには」、そういうツイートは見かけるが、その結果どうなるのか言及されていない。
 また、「自己肯定感を高める方法」も見かけるが、漠然としていると言わざるを得ない。「自分を認めよう」「自分を受け入れよう」、綺麗ごとはけっこうだが、それができればみんな悩んでいない。

 そのくせ、よくわからないアドバイザーは「自己肯定感を高めよう」と、ゴールも決めずに言うのだ。専門家から言わせれば、完全に見切り発車。

出口のない迷路に迷い込んでいるように思える。

 流行語としての「自己肯定感」は、その定義が十分に議論されていない。では、心理学としての「自己肯定感」はどうだろうか。

「自己肯定感」に近いものとして「自尊心」「自己効力感」の2つが挙げられることが多い。

 「自尊心」とは、「私は、私でOK!」な感覚のこと。「自尊心」が育てば、「私は、私でOK!」な感覚が強くなる。逆に、「自尊心」が育たなかった場合、「私はダメだ」「価値がない」という感覚が強くなる。

「自己効力感」とは、「自分ならやれる!」という感覚のこと。目標、あるいは困難に立ち向かう、自分の能力を信じるパワー「自己効力感」というわけだ。「きっとうまくいく」くらいの言葉に言い換えてもいい。

「自尊心」「自己効力感」「自己肯定感」の構成成分だとすれば、「自己肯定感の高い人」とは、「俺ってSUGEEE! 俺ってばなんでもできちゃうんだぜ!」という傲慢で厚かましい人間ということに……。

 もちろん、極端な話だ。しかし、ここで大切なのは「自己肯定感が高ければいいって話じゃない」ということ。何事もバランスが肝要だ。

③「自己肯定感」が低くてなにが悪い!

 ここまで耐えて読み進めてくれたことに感謝する。
 さて、「自己肯定感」について簡単にまとめることができたわけだが、釈然としない理由は明確だ。「じゃあ、どうすればいいの」って話。

 その通りだ。結論も出さず、ゴールも決めず、これでは筆者も「よくわからないアドバイザー」と同じだ。それは筆者も望むところではない。

 では、「自己肯定感」について筆者が学び、たどり着いた結論を述べよう。「自己肯定感なんか高めようとしなくていい!」である。

 我ながら過激な主張だ。だが、これは真実だと思う。そもそも「自己肯定感」にかまけている暇はないはずだ。だって、そうだろう?

 「やるべきこと」が明確にあるのに「私は自己肯定感が低いのでやれません」なんて理屈を認めれば、そこから動けなくなってしまう。

 ハッキリ言っておく。「自己肯定感」は便利な言葉だ。何かを諦めるのに、それらしい言い訳になってくれる。

多くの人間にとって、それは「甘い毒」なのだ!

 「出口のない迷路」は、頑張れない人にとって居心地がいい……。

 我々は、自信があろうとなかろうと、自分のことが好きだとか嫌いだとか、それはどうあれ「やるべきことはやる」カッコイイ大人になりたいのではないのか? 筆者にとってのゴール(目指すところ)はこれだ

 認知行動療法の視点に立って考えても同じことが言えるだろう。認知が変化することで行動も変化するが、行動が変化することで認知も変化する

 「自己肯定感」が高まらず、行動できないのであれば、その逆からのアプローチが有効だ。行動することで、「自己肯定感」を高めてやればいい。

 つまり「頑張ることで頑張る自分のことが好きになる」というわけだ。

 もし、あなたが心の健康で悩んでいるなら「自己肯定感」のことを考えて足を止めるのはやめた方がいい、変わりたいのなら

 そしてこれからは、頑張るために必要な手順を学んでいけばいい。前回の記事(VOL.2)でも解説した「心の回復力」もその1つだ。

 「心の攻略本を作る」では、そういった知識やスキルをまとめていく。

  では、次回「心の攻略本を作る Vol.4」につづく。

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