見出し画像

2023年1月5日の日記

 居酒屋の終盤で起こりがちな「これ誰か食べる?」の応酬。散らばった小皿に一口分だけ残された惣菜、通称「遠慮の塊」。氷で満たされた空のグラスに、ちと荷は重い。
 こういうとき、闇を斬って真っ先に箸を伸ばすような人間こそが私である。遠慮の塊にも無遠慮なのがこの私。「食える時に食っとかないとね」、これは私の座右の銘である。美味しいものは待ってくれない、すぐに誰かの口の中、これはグルメレースにおける鉄則だ。

 美味しいものは待ってくれない…?否、一人暮らしであれば待ってくれる!一人暮らしであれば「これ誰も食べないなら貰うよ?」を永遠に繰り返すことになる。虚しき食の一人芝居。
 結果、言うまでもなく太る。自分の作った料理がまずいわけがなく、誰かに止められなければメシを際限なく胃袋に突っ込んでしまう。貧乏人の悪い癖だ。食え、食いしん坊の名が廃ってしまうその前に。
 料理と酒はあくまで適量を摂取しなければならない。過剰摂取はその代償がわかりやすい形で体に表れる。私もいよいよそんなことを実感する歳になったということだ。
 いつもは超えなかったラインを、助走で超えてしまうようになった。2023年は節制を心掛ける。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?