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持続可能な夏

 最近よく耳にするようになった「SDGs」というワード、今日は昼時のカーステレオから流れてきた。子供が無邪気な声で『SGDsってなーに?』と問いかけるラジオCMだった。子供にはわかんねーよな。

 私にもわからない。どうやら、"最近の企業が取り組んでいる何らかの社会貢献活動のようなもの"という認識に過ぎない。学生時代にSDGsについての講義を受けたことがあるが、それは味気ない精進料理を食ったときのような気分だった。

 SDGsという字面を見れば、これからの世界を考える社会的意義のある素晴らしい取り組み、のような体裁をとっているが、実情はとても"フワッと"している。立派な見てくれに対して、中身は非常に柔らかく曖昧である。これは、外はカリッ中はトロッのキャッチコピーでお馴染みの、たこ焼きのようだ。ということで結論、SDGsはたこ焼きである。

 そしてそれは私の人生の様でもある。一見は人間として立派に社会活動を行っているが、実情は人生にこれといった目的もないフワッとした風来坊。ふらりふらふら、フワッフワ。

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 京都の街というのは迷いやすい。今日は所用で京都の街に降り立ったのだが、一寸の隙を突かれて、私は碁盤の目に乱雑に置かれた碁石のようになった。

 所用の間で少しだけ自由時間ができたので、徒歩で行ける距離にあった珈琲店に行った。テイクアウトでカフェオレを注文したが、なんやかんやで時間がギリギリになってしまい、右手から溢れそうなカフェオレを抱えながら急いで碁盤の上を歩いた。

 それにしても暑い、これからまだ気温が上がるなら、それこそ持続可能な季節じゃないぜ...。


 

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