無力感と効力感

「やりたいこと」がない子を考える(21)

現在行われている学校制度の改革は、基本的に「無力感を減らす」方法であると言えるでしょう。
宿題や定期テストをやめ、子どもたちの負担をなくすことで不要なストレスを減らす方法です。
この方法は、基本的には正しいです。
しかし、「無力感を減らす」だけではある問題が生じます。
それが「だらけ」です。
参考にした記事を思い出せず申し訳ないのですが、宿題廃止を取り入れたある中学校で、保護者から「子どもが家でだらけている」という声が上がっている、という記事がありました。
僕は宿題廃止に賛成ですが、宿題を廃止すればこのような「だらけ」が生じるのも想像できます。
投げ出された時間をどう過ごせばいいかわからず、「だらけ」てしまっているように見えるのです。
「無力感を減らす」だけでは限界があるのです。
ではどうすればいいのでしょうか。
『無気力の心理学』にはこうも書いてあります。

おそらく、現代人の無気力の多くは、「獲得された無気力」よりも、「効力感の欠如」によるものではなかろうか。


そう、現在の学校改革で見落とされがちなのは「効力感の欠如」へのアプローチなのです。

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