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「東京」

夜、駅前のコンビニの有線放送から、桑田さんの「東京」が聞こえてくる。息が止まって動けなくなる。

いつだったか、私は「東京」だけを繰り返し繰り返し聴きながら、数ヶ月、新宿の街を撮り続けた。
カラダを人波にゆだね、あるいは逆行しながら、夜の海に飛び込むような勇気と、悲しみを持って。

またいつか、街が撮れるだろうか。
表皮の喧騒ではなく、街とともに揺蕩いながら、カメラに絡まるせかいの断片を。







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