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2018/8/15の備忘録

巷はお盆のせいか通勤電車は空いていて快適。

暗幕のゲルニカ」を昨日で読み終わったので、図書館に返そうと思い今朝無造作にバッグに突っ込んできた。重くて肩が凝るが今日が返却期限なので仕方ないと自分に言い聞かせながら地下鉄の座席に座って一息ついた。
今日はもう一冊持ってきている。

朝の通勤時には本を読むのが日課。

小川洋子の「猫を抱いて象と泳ぐ」の1ページ目を開いて読み始めた。読書するのに興が乗らない気分の時も、とりあえず本を開いて活字を追うようにしている。往復一時間弱の通勤電車。最初は本を読む気分じゃなかったのに、不思議と少しずつ自分でもそうと気づかないうちに本の世界に意識が吸い込まれていくひと時が好きだ。続きが気になって仕事の合間の昼休みは一時間ほどカフェで読書。それを繰り返していつの間にか厚い本も読み終わっている。その読み終わったという達成感と読み終わってしまったという僅かな喪失感とが入り混じる瞬間がまた好きだったりする。

暗幕のゲルニカはとても面白く、読んでいて美術館に行きたくなるほどだったが、終わりに近づくにつれて展開にいささか拍子抜けしたという感じだった。

お風呂に入る前、服を脱いで洗面台の鏡の前で立ち止まり疲れた顔をした自分を見遣る。昔はあまり本を読まなかった私がこんなに毎日読書しているから、頭が疲れて白髪が増えたんじゃなかろうかと考えてみたりする。それを歳のせいじゃなくて、読書のせいにするのは私なりのささやかな悪あがきかもしれない。年をとったという事実を認めたくないという。

お盆の最中は仕事も暇だった。仲の良い同僚としばし雑談しても支障無いほどには。その同僚は私より3,4歳ほど上の女性で、私と夫の会話の中で「髭チクさん」と呼ばれている人物だ。名前の由来は寝ている彼氏の髭をピンセットで摘んで抜こうとしたことによる。一部伸びていたから気になったというが、彼氏は当たり前のことながら不機嫌になったらしい。その彼女はここ半年で5kg太ったのを昨夜友人に厳しく指摘されて、お昼はスムージーだけにすると公言していた。ダイエットを兼ねたスムージーに何を入れるのかちょっと興味が湧いたので聞いてみると、小松菜とバナナと梨とキウイだそう。あれれ、なんだか果物ばかりだ。

どうやら梨が実家から箱で送られてきて沢山あるらしい。独り暮らしなのになんとも豪快な送り物だなと驚く。そんな彼女、昼休み終了後に冷えた梨を自宅から一個持ってきてくれた。職場から徒歩数分の距離に住んでいるから昼休みはいつも帰っているらしい。

おそらく以前お裾分けした自家製赤紫蘇ジュースのお礼も兼ねてだろうなと思いながら、笑顔で有り難く頂いた。夫も梨が好きだからきっと喜ぶだろうなと考える。

髭チクさんの話は、40代の元同僚(独身)がどうやらホストクラブにはまっているというものだった。月に42万円も貯金を崩しながら貢ぐこともあるらしい。そのホストは夢を追っている人らしく、元同僚は私が支えてあげなくちゃという気になっているそうな。その気にさせる辺り流石はプロのホストである。そして来月はその彼の誕生日。これ以上出費が続いたら貯金がなくなってしまうと嘆いていたと言うが、結局は貢ぐのだろう。人間というのは頭では現実をわかっていても、情に流されてしまうと然るべき判断が上手くできなくなってしまうものだなとぼんやり思った。そんな髭チクさん、一緒にホストクラブに行かないかと誘われたらしいが、やんわりお断りしたらしい。フットワークが軽くて楽しいこと美味しいものが好きな割に、なかなか堅実な考えを持っているのが髭チクさんだ。その答えにホッとしながら、あまり深入りしないのが良さそうですねと答えるに留めた。

ところでと、話題を変えてスムージーは美味しかったですかときいてみる。すると、よくぞ聞いてくれたとばかりに、スムージーの小松菜が辛かったと熱く語る。へぇと思い調べたらわさびや大根に入っているのと同じ辛味成分が含まれているらしい。知らなかった。その後もお腹の調子が悪いとトイレに数回行っている姿を横目で見ながら、心の中で密かに小松菜のスムージーを作るのはやめようと決めた。

仕事帰り、家の最寄りの図書館へ暗幕のゲルニカを返却し、コンビニで濃いカルピスアイスバーを買う。食べながら帰ろうかなと思っているところに、なんと先に帰宅しているらしい夫からのライン。ぎくり。タイミング良すぎでしょうと思いながら、一人で食べるのも気が引けて結局食べずにそのまま持って帰った。

梨とアイスは冷蔵庫にしまい、後日大事に食べることにする。

明日は二人とも仕事が休み。夜ご飯を外に食べにいくか夫と迷った挙句、昼ごはんをしっかり食べたからそんなに空腹でも無いねと、家で麻婆豆腐を作って食べた。それからぷらりと散歩へ出かけた。0時まで開いている夜のカフェへ。

徒歩で30分弱、適度な距離感をお喋りしながらだらだら歩く。今日の出来事として、髭チクさんの話題は外せない。
スムージーでオツージーも良くなったのかと二人で語りあう。

夜カフェは照明を落としてあるが、Wifiが繋がっていて快適。周りは女性客同士だったり、カップルだったり。最初はネットサーフィンをしていたが、そのうち飽きてきた。

夫がその頃読んでいた本をきっかけに日記をつけ始めたのはつい先日の話。私も夫に触発されて日記を書いてみようかなとちらりと思っていたのだが、なかなか気分が乗らなくてそのままになっていた。でも、うーん。続けるのは苦手だ。悩んだ挙句、気楽にやってみるかと勢いでnoteに新規登録してみた。夫は目の前でノートパソコンを開いて日記を書いている。ノートパソコンを持っているときや読書の時は低いソファ席よりも椅子の方が姿勢が楽で良いらしい。私はソファにまったり座る方が好きだけれども。

胡桃の入ったバナナケーキを頬張り、氷のたっぷり入ったアイスカフェラテを飲みながら、今日の出来事をとりとめもなく書き綴る。書き始めるとなかなか楽しいかもしれないと気付くが、やはり時間がかかるので、頭の中で考えた事がそのまま文章になれば楽なのにと非現実的なことを考えてしまう自分がいる。

それにしても、ここのバナナケーキは美味しい。行きつけの美容室の担当美容師さんに勧められて、初めて来たカフェだけれども、居心地がよいし、また来よう。日記もはかどるかもしれない。今度美容室に行ったら、カフェの事を話題にしてみよう。

私が生きた証として、記録を残すのも悪くないかもしれない。午前0時に店を出ながらそんな風に思ったのだった。

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