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旅の途中で…(冬至の日に想う)

 りすチームとクルミを競い合ってからほぼ2カ月。季節は着実に秋から冬へと移り変わり、11月末には雪も降りました。

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家の近所につけられたリスの餌場。クルミが入っています。

クルミ拾いはすっかり毎年秋の恒例行事となっているのですが、今年は実と一緒に集めた緑の皮で手持ちのエコバックを染めました。そのバックをいつも持ち歩いているせいか、冬になった今もリスさん元気かな、なんてことを思ったりしています。


 エコバックはドイツで1970年代にオイルショックを機に起きた反原発運動がきっかけで誕生したということでドイツではスーパーでのお買い物の際の必需品。もし忘れても紙袋や何回でも使える耐久性のあるプラスチックバックを買うことはできるのですが、たとえ安くても有料は有料、プラスチックごみだってなるべく減らしたい、と堅実なドイツ人は常にエコバックを懐にしのばせています。(ちょっと前までは外国に行ってもエコバックを片手に歩いているのはドイツ人→識別する目印と言われていました)。

 というわけで私自身もどこに出かけるにも必ずエコバックを持って行くのが習慣になっているのですが、地面にバサッと置いたり、土のついた野菜とかなんでもかんでもおかまいなしに入れるせいで悲しいかな私のエコバックはどうにも汚い。。。というか、いくら洗濯しても落ちない黒いシミみたいなものがついていてどうもよろしくないのです。


 なんせ道行く人をみればみんなが提げているのはキレイなエコバックばかり。年輩の方が持っているのなんてぱりっとアイロンまでかけられていてよそいきのバックみたいな面もちです。


 黒いシミ付きのバックを持ち歩くのは恥ずかしいけど、多少の汚れごときでまだまだ使えるエコバックを捨てたのではエコじゃないじゃない、シミは使った証だ、勲章だ、というのも私の持論なのですが、秋にクルミを拾ってアクで真っ黒になった指先を見ながら、この色の力をかりて汚れ隠し+お色直しすればいいんじゃない、と思い立ったのです。
ざっと手順を説明しましょう

 1.まず緑色の果皮を乾かす(量は適当)→数日間で茶色く、ぱりっとしてくる
 2.茶色くなった皮を水に入れて火にかけて色を煮出す
 3.煮出した液にエコバックを入れてつけおきする

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クルミの皮を煮出した汁にエコバックを浸す


 4.茶色く染まったエコバックに市販の色止めで色落ちしないよう処理する
 5.水で洗い流して、乾燥させたらできあがり

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糸でつまんで絞り染めみたいにしました


 アクの強さから濃い茶色くなるかと思いきや、水で洗い流すと柔らかな色合いに仕上がりました。黒い汚れが完全に見えなくなることは残念ながらなく、それでも全体の色合いが濃くなったおかげで若干目立たなくなりました。
 ちなみにクルミ染料で髪の毛を染めることもできるようです。もちろん長持ちはしないのでしょうが、来年は毛染めにチャレンジしてみたいと思っています。


 さて週末、久しぶりにリスを見かけました。寒さ厳しい時期は体力を温存するために寝ぐらで過ごすことが多いのでしょうが、この時見かけた黒リスはどこかに隠しておいたのであろうクルミを口にくわえ、氷点下の気温にも関わらずピョンピョン元気にかけ回っていました。

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黒リスさんお久しぶりです!


 そして冬を迎えたクルミの木もまた葉を落とし、活動をとめて深い眠りについているようで、枝の先を見るとちゃんと芽が出来ていて、冬の寒さを懸命に堪え忍んでいるかのように見えました。動物も植物もそして人間も、みんなみんな、巡る季節の中で必死に生きています。

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    12月21日ー22日は一年で一番日が短い冬至の日。

 光が戻ってくる冬至は大事な節目として土着宗教で祝われたものの、キリスト教の普及に伴って救世主の誕生を祝うクリスマス行事に置き換えられ、現代ドイツでは特に祝ったりしません(私の知る範囲では、という限定付ですが)。

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左のバターナッツかぼちゃを購入


 でもこのご時世、すがれるものにはすがって、担げるものならどんな縁起だってかつぎたい。そう思ってカボチャを食べ、オレンジの皮を湯船に浮かべて日本風に祝ってみました。どうか来年も健康で過ごせますように。(全世界の人の健康分までしっかり食べておきました!!!)

カボチャのスープとオーブン焼き



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