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うちじゃ「とーいも」と呼ぶ。

 今日はさつまいもの日なのだそうだ。

 江戸から埼玉県の川越市までの距離が十三里だった事にちなんでいるそうで、栗よりうまい十三里として定着したそうである。

 栗(九里)とより(四里)を足した数が十三里となる語呂合わせである。

 十月はさつまいもの最盛期であり鹿児島を中心に色々な所で収穫がある。

 子どもの頃に学校の畑でさつまいも堀りをしたことのある方も多いだろう。

 私も幼稚園の時に体験したことがある。

 あらかじめ掘りやすいようにしてくれていた畑でしゃがみ込んで思い切り蔓を引っ張るとボコッという手応えとともに大きなさつまいもが地面から姿を現す。

 その瞬間は何とも言えず楽しかったものである。

 収穫したいもは先生たちが落ち葉を集めて焼きいもにしてくれたと記憶している。

 落ち葉だけで焼くと火力が足りなかったと思うのでおそらく炭火の力も借りたのだろう。

 そうやって出来上がった焼き芋はねっとりと甘くて味が濃くてたいそう美味しかったものである。

 そんな事を懐かしく思いながらせっかくなので今日はさつまいも料理を何か作ろうと考えてスーパーに足を運んだ。

 早速青果コーナーでさつまいもを買い求めて他にもアレコレ買い足した。

 昨日も買い物をしたので今日は控えめにした。

 帰宅して玄関のポストを除くと車屋さんからタイヤをスタッドレスに替えませんかというセールスの封筒が来ていた。

 毎年この時期にタイヤを履き替えるが雪で困った事はあまりない。

 まあそのうちねと言いながら封筒をその辺に置いておいた。

 それから手洗いとうがいをして料理に取り掛かる。

 さつまいもをどう料理しようかと考えたがここの所すこし肌寒いので汁物にする事にした。

 真っ先に豚汁が思い浮かんだが今日は何となく洋食の気分だったので却下。

 うーん、どうしようと少しだけ考えて食品の保管庫を覗いてみるとシチューのルーがあった。

 おっ、これは良いなと思ってさつまいも入りのシチューを作る事にした。

 まずさつまいもを良く洗って皮を剥いて銀杏切りにして水にさらしておく。

 他の具材は玉ねぎとシメジ、鶏肉とシンプルな構成。

 今日は鍋ではなくフライパンでお手軽に作る。

 フライパンに油をしいてそこに鶏肉と玉ねぎを加える。

 鶏肉をしっかりと焼いてからそこにさつまいもとシメジを加えて水を入れて煮込んでいく。

 さつまいもが柔らかく煮えたらいったん火を止めてシチューのルーを割り入れて牛乳を適量注いで再び火を点けてコトコト五分位煮込む。

 これでフライパンシチューの完成。

 これだけだとおかずが少ないのでもう一品作る。

 白菜をざく切りにしてフライパンで炒める。

 全体がしんなりしてきたらツナ缶を油ごと加える。
 
 味付けは麺つゆと種を取って叩いた梅干しでつける。

 仕上げに鰹節をふってよく混ぜたら白菜とツナの梅和えの出来上がり。

 後は食パンにニンニクを擦りつけてトースターで焼いてガーリックトーストを作ってご飯の支度は完了。

 さぁて出来た出来たと言いながらシチューをお皿によそって居間に運ぶ。

 いそいそといただきますをしてお酒の用意をする。
  
 最初の一杯は珍しくプリン体と糖質がゼロのビールを試してみる。

 グラスにトットットッと注いでみると見た目は普通のビールとあまり変わらない。

 クイッとグラスを傾けてクイーッと飲んでみるとやはり違和感がある。

 味は悪くないのだが普通のビールとははっきり別物だなと感じた。

 まあたまに健康に気を付ける時には良いかなと思った。

 それは置いておいてまずは白菜とツナの梅和えに箸を伸ばす。

 ジャクリという白菜の水気のある歯ごたえとツナのうま味が合わさってそこに梅の味が加わってあっさりしてなかなか上品なお味である。

 これはつまみに良いなと思って何口か食べてからメインのシチューのスプーンを握る。

 さつまいもをすくって口に含むとホロリと柔らかく崩れる。

 そこに甘みのあるいもの風味が広がってムフゥと息が漏れる。

 他の具材もフライパンで炒めて少し煮込んだだけだがしっかり火が通っており鍋で煮込んだシチューとそれほど遜色はなかった。

 二本目のお酒は芋焼酎のお湯割り。

 厚手のグラスに焼酎4対お湯6の割合で作る。

 キュッと一息飲むと芋の癖のある味が喉を滑り降りる。

 暖かいお酒を飲むと身体がいっぺんに温まってホッコリする。

 シチューにガーリックトーストを浸しながらそれをつまみにお酒をグイグイと飲んだ。

 今日の酒量はゼロゼロビール一本と焼酎のお湯割り四杯という控えめな数字。
 
 そろそろ休肝日を設けないとなと頭の片隅にチラリとよぎる。

 そんな事を考えながらお腹いっぱいになったのでごちそう様をした。

 シチューは沢山作ったので余ってしまった。

 明日の朝に食べることにしてタッパーに詰めて冷蔵庫にしまった。

 シチューも芋焼酎もさつまいもをたっぷり摂れて良かった。

 今年の初物のさつまいも、堪能致しました。

 さぁて明日は何を食べようかな。

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