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猛暑が続いている。
報道によれば命に関わるとも伝えられるほどの暑さには閉口する。
実際、熱中症警戒アラートなるものもでており驚きでもあるがそれが普通に感じられるようになってきているのも私だけではないように思える。

8月6日は亡くなった父の誕生日だったが当時の父は「暑い日に生まれたんだよなぁ」と言った後、特に子供の頃に多かったと記憶しているが広島に原爆投下された日でもあり戦争の悲惨さを教えてくれ、額の汗を拭いながら蝉の声が
ひびく木々と高く眩しい太陽を見てた自分を思い出す。

この時期には先祖が浄土から戻り
1年に1回、家に迎えともにひと時を過ごし
冥福を祈り霊を供養するのだと教えられてきた。

正式名称は、盂蘭盆会(うらぼんえ)または盂蘭盆(うらぼん)と言うらしく
「うらぼん」は日本語では聞きなれない響き
だがサンスクリット語で「逆さ吊りの苦しみ」を意味する「ウラバンナ」からきているといわれペルシャ語で霊魂を意味する「ウラヴァン」が由来だという説もあると読んだことがある。

釈迦の弟子である目連(もくれん)が神通力で亡き母が地獄で逆さ吊りの刑をうけていることを知り、なんとかして母を救済できないかと思い、釈迦に教えを乞い釈迦は「旧暦の7月15日(現在の8月中旬ごろ)に多くの高僧を心から供養すれば、三途の苦しみから救えるでしょう」と伝え目連はそのとおりに実践したところ、母親が無事往生することができたというものだそうだ。

15日の夜は先祖があの世に帰る最後の夜で、
そのため最後の夜を盛大にもてなそうと
踊りをするのだと聞いたこともある。

父は「人は死んだら無になり火葬場のあの煙突からでる煙にかえっていくんだよ。」と
祖母の葬儀に一緒に参列した際にこみあげる
寂しさをあえて断ち切るかのように呟き、
解釈が追いつかない子供の私にとっては
一層、寂しく感じたのも覚えている。

当時の父の想いを理解できる年になって
私たち家族を見守ってくれてる父を信じている私がいる。

そう決めたかのように・・

点火から次第に大きくなっていく火の玉が
パチパチと力強い火花となり一つずつはじけ始め沢山の火花が四方八方に広がりだんだんと
色を変え、最期には光を失い煙だけが残る
線香花火を見ながら今年も盆を迎える。


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