見出し画像

海外就労をすると英語はペラペラになるの?


海外で就労する、物理的に働く場所を変える。生活環境を変える。つきあう人間を変える。
そうすることによって、英語ってペラペラになるの?と聞かれることがある。

仕事をしているうちに気が付けば英語が口から自然と溢れて、、、という夢のようなコメントをかつて海外就労パンフレットで見たことがあるが、そんなことはない。断言する。大人の語学の習得には時間がかかる。

けれども、海外就労を通して我々が英語を使えなかった大きな理由がわかった。

それは、積年にわたる発音の勘違いだ。

日本の学校に英語を発音できる先生がごく少数しかしかいなかったのかもしれない。しかし、できないなら動画でも見せてくれたほうが余程良かったと思う。
「どぅーゆーはぶ~?」なんて、そもそも誰も言っていないのだ。

「どぅーゆーはぶ~?」と思い込んだ我々は、現地で「ジュァブ~?」と聞かれても、反応ができない。その原因は単語や速度の問題ではなく発音だ。
口の形と、唇と、舌で構成される発音を知らないだけなのだ。そうでなければ、セサミストリートで、なんの話をしているのかわからない理由がない。エルモが知っている単語は我々だって知っている。

この発音勘違い問題を寛解させるには、まず英語をよく聞いて、聞こえたようにそのまま言ってみる。「ジュァブ~?」と聞こえたら彼らはそう言っている。これが、英語上達への第一歩なのではないかと思っている。

英語は一気に上達などしない。映画やドラマの会話は全部わからなくて当然だし、そのレベルは大人になってから英語を勉強したケースだと到達しないのが普通だと思う。

けれど、この第一関門が突破できると、あなたの世界は変わるかもしれない。

耳のチューニングが合ってくると、自分に向けて話される話題にはついていけるようになる。つまり、自分の仕事のフィールドでは英語がツールとして機能してくる。

相手の言っていることがわかるので、アウトプットが流ちょうに返せなくても会話が成り立つ。成り立つと続く。続けば上達する。人間はソーシャルな生き物らしく、相手が言っていることをわかろうとする。

言いたいことがでてこない時は、
「こう言いたいんだけど、どうやって言ったらいい?」と聞いてみよう。相手はきっと喜んで教えてくれる。

この繰り返しがアウトプットフェーズを発達させて、フレーズを覚えては、フレーズ中の単語を入れ替える感じになってくる。受験で詰め込んだ英単語の量はこの頃に効いてくる。

これは、やろうと思えば日本にいてもできる。今、我々にはオンラインという武器がある。オンライン英会話は破格で自由度が高く、英語学習の敷居は、ぐっと下がった。

オンライン英語をやるのなら、まず発音にくせのない先生を見つけよう。
そして自分に対して様々な質問をしてもらう。

この時には、答えはどうでもよく、質問が完全に理解できたか、一語一句(as とか of とか the とか複数形のsとか)が聞き取れたかどうかをポイントにする。書きたい人は書いて答え合わせしてもいい。
質問されたその一語一句がわかったら、その質問に使われたフレーズと発音はクリアしているということだ。

文法がわかっていなかったから受動態と意味を勘違いした、、とか自分がなにをわかっていなかったかも、これをやっていると検証できる。

ただただ試して確かめる。
ザルに残ったものは繰り返す。

デイリーニュースを読んでボキャブラリーを増やすのはその後でいい。

約2年ほどの海外就労を通して、英語ってペラペラになるの?
というと、ならない。

夢のない結果でなんとなく申し訳ないが、2年の就労で、最初に思い描いた英会話におけるゴールテープ(映画がストレスなく観られる)は全然切れない。

それでも、英語が聞き取れないということは少なくなる。TOEICのリスニングくらいならほぼ満点がとれる。

実践的にネイティブと電話会議ができるか?となると、内容にもよるが、私は5割わかっていないこともある。バイリンガル上司がいないと成立しないので会議にいる意味がほとんどない。そのくらいのレベルだ。

それでも、逃げ場のない海外就労は、FFでいうところの地獄に一番近い島でエンカウントしているようなもので、バトル終了時には当然にレベルが上がっていて、島を離れるラグナロク(ANA) に乗る頃には、人生の選択肢がほんの少し広がった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?