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安いもの、安いひと。

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モノを買う時に、

『高くても買おう』と思うものと『最安値のものを買おう』というものがあると思います。

私たちはモノの『価値』を判断し、お金を使っています。

たとえば、私なら日用品(ティッシュとかシャンプーとか)なんかは、最安値のものを買いがちです。ただ商品棚を見渡してみると、高級なティッシュもあれば、何千円とするシャンプーなんかもあったりします。

人によっては、ココにはこだわりがあってお金をかけている、コレは高くてもこの商品じゃないと気が済まない、みたいなこともあると思います。

もちろん、買うひと全員が『最安値』を求めているとすれば、価格競争の末、2位以下の企業は生き残れません。しかし、現実は競合他社がひしめき合ってそれぞれの“価値”を見出しています。

ブランドものなんてのは最安値の正反対に位置しますので、高くてもうまく“付加価値”をつけて上手に売っています。

しかし多くの日本人は、ここ数十年、消費に対して『最安値』ばかりを追い求めてしまっているそうです。

#安い国ニッポン

当然、それによる価格競争で売値は下がっていきますから、消費者にとっては嬉しいはずではあるんですが、広い視点で見てみると実はそうではないんですね。

値下げをした企業の利益率は当然、落ちるよね

これまで1,000円で売っていたものを800円まで下げて売ったとして、1,000円で売っていれば、利益率30%だとすれば300円が残ったのに、値下げしたことにより利益は3分の1、100円にまで落ちてしまいます。

#3倍売らないと利益は追いつかない

これが何を意味するかというと、

価格競争に巻き込まれる → 現状価格を下げて売上を確保 → 企業の利益率は低下(儲からない) → 下げた分、今よりたくさん売らなければならない → その分、社員はたくさん働かなければならない → でも儲かってないから、社員の給料は上げられない → いろんなところのコストカットを実施 → 新商品など作る予算をかけられない → 売れなくなれば人員カットの可能性がある

深刻ですよね。

消費者として、モノが安くなるのは良いことだと思っていましたが、回りまわって自分たちの職場環境をおびやかすという、悪循環を生み出すということなんですね。※技術革新などによって価格が下げられた場合等は別です。

本当は国の成長と共に、モノの価格が上がっていって、企業が成長して(儲かって)、社員の給料に還元されていくという循環が望ましいはずです。

とはいえ、今の日本の消費が『良いものを安く』に完全に向いてしまっているので、その流れは止められないのでしょう。

生産者であり、消費者である私たちは、いつかそのことに気づかなければヤバいことになりそうです。

価格競争に良いことはないことを、激安ショップで買い物をしながら共有いたします。










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