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第3壮年

ヴェーダによれば、あらゆる男性は、人生の最初の四分の一を禁欲的な学徒として、次の四分の一を実り多い家庭人として、その次の四分の一を引退して息子を助け、孫を教育して、最後の四分の一を家や妻を捨ててサンニヤーサ(遊行期)として過ごさねばならない。これは、特定の世代だけが社会を支配するのを防ぐ制度だ。すべての世代は、次世代のために地位を譲らねばならない。

『インド神話物語 ラーマーヤナ』 デーヴァダッタ・パトナーヤク著 沖田瑞穂 監訳 上京恵 訳

インドには、人生を25年ずつ4つの時期に分ける住期(アーシュラマ)という考え方があります。
①学生期(ブラフマチャリャ)0~24歳 成長、鍛錬、学習、体験
②家住期(ガールハスティヤ)25~49歳 就職、結婚、家庭、子育て
③林住期(ヴァーナプラスタ)50~74歳 迷わない、自由、生きがい、充実
④遊行期(サンニヤーサ)75~100歳 ゆっくり最後の締めくくりを考える

上記①~④は1日の時間にも対応しています。朝はブラフマチャリャです。清浄な空気の中で勉強やヨガの練習をするのに適した時間。夜のサンニヤーサはゆっくりリラックスして眠りに備える時間です。毎朝、新しい人生が始まるのです。

日本の厚生労働省の調査で使われる年齢区分は、以下の様になるそうです。
幼年:0~4歳
少年:5~14歳
青年:15~24歳
壮年:25~44歳
中年:45~64歳
高年:65歳以上   65~74歳:前期高齢者   75歳以上:後期高齢者

幼年が5年、少年・青年は各10年、壮年・中年が各20年、前期高齢者10年。
日本人の平均寿命は男性81.47歳、女性87.57歳、全体平均 84.62 歳 (2020年)ですから、後期高齢者である時期も平均10年程度という事になります。壮年期・中年期の40年間は厚みがあります。ここをどう生きるかが人生を決定づけるのかもしれませんね。

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