変形性股/膝関節症の保存療法。EULAR勧告:2023年最新版
📖 文献情報 と 抄録和訳
変形性股関節症および変形性膝関節症の非薬理学的管理のためのEULAR勧告:2023年最新版
[背景・目的] 変形性股関節症や変形性膝関節症(osteoarthritis, OA)は、ますます一般的になってきており、個人や社会に大きな影響を及ぼしている。非薬物療法は、疼痛を軽減し、機能とQOLを改善するために不可欠であると考えられている。股関節および膝関節OAの非薬理学的中心管理に関するEULAR勧告は2013年に発表された。その後、多くの研究がなされていることから、更新が必要である。
[方法] EULAR勧告の標準作業手順書に従った。欧州14カ国を代表する25名のメンバーからなる学際的なタスクフォースが設立された。タスクフォースは、11のリサーチクエスチョンを含む最新の検索戦略に合意した。2012年1月1日から2022年5月27日までの系統的文献レビューが行われた。得られたエビデンスが議論され、最新の推奨事項が策定され、研究および教育課題が作成された。
[結果] 改訂された推奨には、2つの包括的原則と8つのエビデンスに基づく推奨が含まれ、(1)個別化された多要素の管理計画、(2)情報、教育、自己管理、(3)適切な量と進行に合わせた運動、(4)運動の実施方法、(5)健康的な体重の維持と減量、(6)履物、歩行補助具、補助器具、(7)仕事に関するアドバイス、(8)生活習慣を改善するための行動変容技術が含まれた。推奨事項の平均一致度は9.2~9.8(0~10段階、10=全面一致)であった。研究課題では、アドヒアランス、取り込み、仕事への影響など、これらの介入に関連する分野が強調された。
[結論] 2023年更新勧告は、股関節OAと膝関節OAの最適な管理を導くための研究エビデンスと専門家の意見に基づいて策定された。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
変形性関節症、特に下肢の変形性関節症というものは、臨床上もっとも頻繁に遭遇する疾患の1つだと思う。
それは、主の疾患名ではなかったとしても、あらゆる高齢者が合併している可能性がある疾患の1つだ。
その変形性関節症の保存療法について、2023年、最新版のコンセンサスが出された。
これは、抄読せざるを得ない、と思った。
そのまとめ方としても秀逸だ。
通常の推奨グレードだけではなく、さらにその中で実施優先順位までつけてくれている。
これにより、並列の8つではなく、1つずつ並んだ8つになる。
だからこそ、1つ1つに対して、順番に対応していこう、という可能性が生まれる。
よくよく、読み込んで実施につなげていきたいと思う。
⬇︎ 関連 note & 𝕏での投稿✨
○●━━━━━━━━━━━・・・‥ ‥ ‥ ‥
良質なリハ医学関連・英論文抄読『アリ:ARI』
こちらから♪
↓↓↓
‥ ‥ ‥ ‥・・・━━━━━━━━━━━●
#️⃣ #理学療法 #臨床研究 #研究 #リハビリテーション #英論文 #文献抄読 #英文抄読 #エビデンス #サイエンス #毎日更新 #最近の学び