koichi_kodama

東京生まれ、ほぼ東京育ち。早稲田大学卒。1994年弁護士登録。2009年から代々木上原…

koichi_kodama

東京生まれ、ほぼ東京育ち。早稲田大学卒。1994年弁護士登録。2009年から代々木上原で法律事務所経営 http://milestone-law.com/ Photo by Kanako Baba

最近の記事

改定入管法施行規則案に対するパブリックコメント

出入国在留管理局が改定入管法の施行規則案を公表し意見募集を始めました。 意見の提出期限は4月22日0時0分です。 急ぎ、添付+貼り付けの意見を送っておきました(急いでたので誤字のある可能性多)。他にも気づいたら、追加で送ります。 出入国管理及び難民認定法施行規則についての意見 2024年3月25日

    • 入管による被災外国人向け相談会 1月18日 案内を8か国語にしました

      名古屋入管が被災外国人向けに相談会を実施するそうです。 チラシにはないですが、多言語対応とのことなので、石川県在住外国人の上位8カ国語に機械翻訳しました。 日本語 地震にあった人のための入管臨時相談会 2024年1月18日(木)  AM9:00~PM4:00 PM1:00~PM4:00は オンラインで相談できます Zoomミーティンクルーム ミーテイングID  894 3296 7274 パスコード 325509 【相談できること】 在留資格のこと 入管の手続のこと

      • 能登半島沖地震 弁護士による情報提供サービスまとめ

        まだそれどころではないかもしれませんが、落ち着いてくると、これからどうしよう、残っているローンはどうすればよいのか、などの生活再建にむけての不安が増大していくことと思います。 こんなときに弁護士なんかに相談することはないとお考えの方が圧倒的に多いと思いますが、溢れる情報を整理して、相談者の方に適切なアドバイスをするのは、私たちが常日頃行っている業務なのです。 敷居が高いと感じられているのは重々承知の上ですが、意外とそうでもなかったりしますよ。どうぞ、お気軽にご利用ください

        • ポイントでできる寄付まとめ

          能登半島大地震で被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。 日頃入管のことばかり書いているこのnoteですが、2011年の東日本大震災の後には、難民支援協会さんが実施した弁護士紙芝居隊として15回被災地入りしたこともあるのでした。以下は同僚の書いた記事。 少しでもお役に立てればと思い、気軽に溜まったポイントで寄付できるサイトをまとめてみました。以下、検索してヒットした順です。 楽天ポイントWAONポイント(イオン)https://www.aeon.co.jp/in

        改定入管法施行規則案に対するパブリックコメント

          改定入管法 補完的保護対象者ほかの施行期日について

          入管庁のウェブサイトによれば、補完的保護対象者の施行期日が、2023年12月1日からとされていました。 あれ、こちらの136頁、法案の附則1条2号によれば、補完的保護対象者などは公布の日から9か月を超えない範囲内で政令で定める日とされ、公布日はこちらによれば2023年6月16日なので、てっきり9か月後ぎりぎり、2024年3月15日とかになるのかと思っていましたが、前倒しで施行することにしたようです。 https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/h

          改定入管法 補完的保護対象者ほかの施行期日について

          「煮て食おうと焼いて食おうと自由」発言をした入国管理局参事官は1969年入管法案作成に関与。それが問題視され、法案は廃案となった。

          かつて、こんな記事を書きました。 池上努さんという法務省入国管理局参事官だった方が昭和40(1965)年の「法的地位200の質問」という著書で「煮て食おうと焼いて食おうと自由」と本当に書いていたのですが、この発言が国会で問題視されていたはずで、調べてみたところ、取り上げられていたのはそれから4年近く経った昭和44(1969)年の国会でした。 昭和44(1969)年7月2日、衆議院法務委員会です。 猪俣浩三議員は、この国会に提出されていた「出入国管理法案」の作成過程に池上

          「煮て食おうと焼いて食おうと自由」発言をした入国管理局参事官は1969年入管法案作成に関与。それが問題視され、法案は廃案となった。

          長期間の非正規滞在は最も有利な事情とした20年前の東京地裁判決

          2023年10月31日にこんな判決があったとの記事に接しました。 https://www.tokyo-np.co.jp/article/287177 記事によれば「判決は、家族との関係について『(クマールさんが)不法残留してきた状態のもとで構築された関係であって保護の必要性は低い』と指摘した。」とのことです。 在留特別許可をめぐる裁判で国が常する主張ですが、本当でしょうか? 20年前の判決では2003年9月19日、東京地裁判決(民事3部 藤山雅行裁判長)は、次のとおり

          長期間の非正規滞在は最も有利な事情とした20年前の東京地裁判決

          英国では支援団体が原告となって訴訟を起こせる。「収容迅速手続(Detained Fast Track DFT)」を差し止める判決を得て、100人以上が解放された。

          2015年6月12日の記事です。日本でこのような裁判を起こすとすると、被害を被っている当事者本人に原告になってもらわないといけません。また、その結果違法だという判決が出たとしても、それによって救われるのは訴えた本人だけです。 すごくダイナミックで羨ましいと思いました。 DFTについての詳しい解説はこちらをどうぞ。 2015年6月12日付違法と断じた判決の記事 以下、一部引用します。 英国の迅速庇護手続が違法と判断された  政府の庇護希望者の申請処理のための申請システムで

          英国では支援団体が原告となって訴訟を起こせる。「収容迅速手続(Detained Fast Track DFT)」を差し止める判決を得て、100人以上が解放された。

          難民審査参与員 臨時班による処理は全体の6割を占めていた

          石橋通宏議員の質問主意書に対する2023年6月27日付政府の答弁書で驚くべき数字が明らかにされました。 2021年における「臨時班」による処理件数は3915件、2022年は3065件とのことです。 2021年の審査請求の処理件数は理由なしとされた6732件+理由ありとされた9件の合計6741件。 2022年は理由なしとされた4725件+理由ありとされた15件の合計4740件です。 つまり、2021年は3915÷6741=約58%、2022年は3065÷4740=約65%

          難民審査参与員 臨時班による処理は全体の6割を占めていた

          私が入管を信じられない理由 その2

          7 難民不認定理由が「これを立証する具体的な証拠がなく」だけだった8 在留特別許可に関する法務大臣の判断で作るべき「裁決書」が作られていなかった法務大臣が在留特別許可をするかどうかの「裁決」(入管法49条3項)をするにあたり、入管法施行規則43条は,「別記第61号様式による裁決書によって行うものとする。」と規定し,裁決書の作成を明確に義務付けていました。 ですが、裁判の証拠に出ていなかったことから、提出を求めたところ、なんと「作っていない。」との回答が。私が担当した事件だけで

          私が入管を信じられない理由 その2

          強制送還は「人生をして生きる価値あるものの全ての剥奪」

          退去強制の裁判でよく引用する文献に関野昭一氏「出入国管理法制の運用上の問題点」(ジュリスト483号16頁〜 1971年)があります。 ここで、アメリカ連邦裁判所の裁判官による判示がいくつか引用されています。軽々に、非正規滞在者は送還してしまえば良いなどという言動も見受けられますが、これらを参考に、想像力を働かせて頂ければなと思います。文献自体が一般には入手しにくいと思うので、いくつか引用します。 1945年 ブリジス退去強制事件退去強制は技術的には刑事手続ではないが、それ

          強制送還は「人生をして生きる価値あるものの全ての剥奪」

          私が入管を信じられない理由 その1

          入管法改悪案が成立してしまいました。入管に裁量を委ねる内容です。 送還停止効の例外規定「相当の理由のある資料」や、収容に代わる監理措置の判断、監理人の報告義務を課すかどうかの判断、在留特別許可の考慮要素を13個も挙げて「その他の事情」を考慮できるとしたところなど、運用次第では現状維持あるいは良くなることもあり得るのですが、司法修習生のころから数えると30年以上も信じられないところを見てきたので、どうしても運用をきちんとやるとは考えられないのです。 以下、小さいことから大き

          私が入管を信じられない理由 その1

          入管法反対街頭行動の記録

          2023年1月〜の入管法改悪反対・廃止のスタンディングやデモ、シットインの記録をSNS投稿やネット記事などでまとめました。 入管法反対のメタバースデモを作成された藤嶋咲子さんからは、地図や表だけでなく、きちんと写真などの記録も残した方が良いのではないかとサジェスチョン頂いた上に、以下のurlの特定について多大なご協力を頂きました。ありがとうございました。 なお、引用したTweetは、実施前の告知文も相当数含まれております。可能であれば実施したという報告、さらに写真があれば

          入管法反対街頭行動の記録

          英国収容施設に学ぶ 常勤医は必要か?

          2023年5月30日、読売新聞が、大阪入管の常勤医が酩酊し、ふらつきながら歩いていると以前から指摘されていたと報じました。 この方は、入管の2023年4月作成「改善策の取組状況」によれば、2022年7月に大阪入管に採用された方のようです(同4枚目)。 今国会に提出されている入管法案では、常勤医確保のための方策として、 との方策をとろうとしています。 ですが、私が仲間達と2012年に訪れた、英国のハモンズワース入管収容センターでは、常勤医はいませんでした。 その理由につい

          英国収容施設に学ぶ 常勤医は必要か?

          全国スタンディングまとめ+強行採決しないでFAXひな型

          【6/3 追記】 文中「1500件の審査は」という部分は「500件の審査」の誤りです。 訂正版をアップしようとしましたが、note側の1日あたりアップロード上限を超えたようで、できません。ご利用の際はお手数ですが、その部分を修正してご利用ください。 【6/4 追記】 上記の数値訂正したものをアップしました。全国一覧も追加して70箇所となりました。 2023年6月6日にも、参議院法務委員会で政府の入管法案が強行採決されそうになっています。 Open The Gate Fo

          全国スタンディングまとめ+強行採決しないでFAXひな型

          「原点に立ち返って入管法を考えて下さい」というFAXひな型 5月30日版

          4月28日、衆議院の法務委員会向けに作ったものを、少しだけアップデートしました。 =================== 議員さんにFAXしたいけど、何書いたら良いかわからなくてためらわれている方向けにひな型を作りました。 そのまま使っていただいても結構ですし、適当に修正していただいても結構です。 枚数多いと読んでもらえない可能性も高いので、1枚に収めました。どうぞ、ご自由にご利用ください。 原点に立ち戻って、入管法のことを考えてください  国会議員の先生方は、みな

          「原点に立ち返って入管法を考えて下さい」というFAXひな型 5月30日版